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秋風吹く沖縄で連日のニュースに遭遇、新知事初登庁そして米兵による強殺事件

秋風吹く沖縄で連日のニュースに遭遇、新知事初登庁そして米兵による強殺事件
名護市の海岸(沖縄県):筆者撮影

沖縄本島に秋風が吹くのが「いつもの年に比べて早い」と島人は言う。そんな2026年(令和8年)の“秋”に、筆者が沖縄本島で過ごした数日間は、かつてないほど連日さまざまな出来事があった。

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新しい知事の誕生

那覇空港に到着した日に、2期8年にわたって沖縄県政を担った玉城デニー知事が県庁を去った。翌9月30日、今回の知事選で初当選した古謝玄太新知事が職員の拍手の中、新たなリーダーの座に就いた。古謝新知事は42歳、沖縄県が日本に復帰した後に生まれた知事は初めてである。就任に際し「146万人の県民の代表として」と、知事選の争点になった物価高対策に、優先的に取り組むことを明らかにした。

沖縄県政の新しい風

イメージ画像:「普天間飛行場」(写真ACより)

古謝新知事を待ち受ける課題は多い。物価高対策を含めた沖縄県の経済振興は重要なテーマであるが、米軍普天間飛行場の辺野古移設を含めた基地問題は、これまでの知事が背負ってきた、沖縄県にとっての“一丁目一番地”の課題である。移設反対派の知事時代以来、13年にわたって開催されてこなかった政府との「沖縄政策協議会」の年内開催への動きも始まった。地元紙は、そんな就任会見の全文を、紙面を大幅に割いて報じていた。秋風の訪れと共に、沖縄県政にどんな風が吹くのだろうか。

早くもインフルエンザ警報

10月に入ると早々に、那覇市でインフルエンザ警報が発令された。すでに全国各地でも、今年は早い流行に警戒が高まっているが、暖かい沖縄でも入院患者が急増し、学級や学校閉鎖も相次ぎ始めた。翌2日には、沖縄県全域に警報が拡大された。昨シーズンはインフルエンザ警報が出されなかったので、沖縄県では1年7か月ぶりのこと。全国初の警報となる“異常事態”となった。空港などでもマスクをする人の数が、目立ち始めていた。

南西諸島への軍備増強

イメージ画像:「嘉手納基地」(写真ACより)

南西諸島を巡る動きもあった。10月3日の沖縄タイムスは、台湾に最も近い与那国島に、米軍が最新型の地対艦ミサイルと統合防空システムを初めて展開すると報じた。10月中旬に実施される日米共同統合演習に合わせたもので、南西諸島での訓練としては過去最大規模という。輸送機オスプレイも初めて宮古島にやって来る。本島の嘉手納基地には、ミサイル発射装置も到着するなど、訪れる度に沖縄県における軍備が増強されていることを痛感した。

悲惨な事件が相次ぐ

那覇市の風景(沖縄県):筆者撮影

那覇市で悲惨な事件が発生した。10月3日の早朝、市内のホテルで女性が殺害されて、所持品が奪われた。沖縄県では、本島中部の宜野湾市でも9月30日に、23歳の女性が別れた交際相手の男に刺されて死亡するという事件が起きたばかりだった。この女性はストーカー被害を訴えて、沖縄県警が男に対してストーカー禁止命令を出していたが、命を救うことができなかった。沖縄県でこうした事件が相次ぐことは珍しい。

基地の米兵が逮捕された

那覇市のホテル強殺事件で、米軍普天間飛行場に所属する20歳の上等兵が強盗殺人容疑で逮捕されたニュースを知ったのは、沖縄を発つため那覇空港に向かう途中、10月4日の昼前だった。思い起こせば、米軍の海兵隊員らによって小学生の女の子が暴行される事件が起きたのは1995年(平成7年)だった。当時、沖縄県民の怒りは沸騰し、それによって普天間飛行場の返還が合意されたのだが、30年以上たっても返還は実現していない。そんな歳月の中、米軍関係者による事件は後を絶たない。

反基地の感情が高まるか

沖縄本島:筆者撮影

古謝新知事は、早速、沖縄に駐留する米軍の責任者を呼び出して抗議した。在日米軍司令部はこれまで、午前1時から5時までの基地外での飲酒を禁止したり、歓楽街でのパトロールをしたり、こうした事件の再発防止に取り組んでいるというものの、また米兵による新たな事件が起きた。古謝知事は、政府に対しては日米地位協定の見直しなど「実効性のある抜本的な対策を強く求める」としたが、就任早々に大きな課題と直面することとなった。これまでの知事時代のような“反基地”の風が一気に強まることも予想される。

サザンオールスターズがちょうど30年前に発表した『平和の琉歌』。桑田佳祐さんが沖縄の平和を願い、沖縄の姿を桑田さんなりに受けとめて書き下ろした。こんな歌詞がある。

「人として生きるのを 何故に拒むの? 隣り合わせの軍人さんよ」 

例年より早く秋を迎えた沖縄は、新しいリーダーを迎えた“胎動”と“模索”の真っ只中にある。そんな沖縄に思いを寄せながら、那覇空港を飛び立った。 
 

【東西南北論説風(727)  by CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

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