「心筋梗塞」生死の分かれ道は?…“夏の厳しい暑さ”もきっかけに!発症前のキケンなサインと対処法
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京科学大学 心臓血管外科 教授 医学博士 藤田知之先生です。
今回のテーマは『〜経験者が語る!生死の分かれ道〜心筋梗塞 命を救った家族の決断』
2週連続の特別企画「夏の脳梗塞と心筋梗塞」。脳梗塞と心筋梗塞はどちらも血管が詰まることで細胞が壊死してしまう恐ろしい病。心筋梗塞は冬に多いイメージですが、夏の厳しい暑さも心筋梗塞を引き起こすきっかけになることがあるそうです。そこで、2週目となる今回のテーマは「心筋梗塞」。実際の経験談をもとに、発症前のサインやもしもの時の対処法などを専門医に教えてもらいました。
夏に要注意!心筋梗塞

夏の暑さで起こしやすい脱水。脱水になると血液中の水分が減少し、血液の粘度が高まります。すると、血栓ができやすくなり、それが詰まることで心筋梗塞を起こす恐れがあるそうです。
心筋梗塞のキケンなサイン!命を繋いだ運命の分かれ道
井田健吾さん(58歳)は、自宅から駅まで自転車で5分かけて行き、自転車を駐輪場に置いて駅に向かっている時に「胸の締め付け」と肩こりのような「左肩の違和感」を感じたそうです。今まで経験したことのない症状に不安を感じ、健吾さんは一旦自宅へと戻りました。妻の恵美さんは、いつもとは違う「声の張りのなさ」に違和感を感じたと言います。ソファに座って休む健吾さんの様子を見ていた恵美さんは、「#7119」に電話をかけました。#7119は「救急安心センター」の共通ダイヤルで、救急車を呼ぶかどうか迷った時、専門家に電話で相談できる窓口。健吾さんの症状を伝えたところ、センターの人が救急車を要請。発症から30分ほどで病院へ向かいました。告げられた病名は「急性心筋梗塞」。発症から約1時間で処置を開始。血液を流れやすくする薬が投与され、危機を乗り越えることができたそうです。
<心筋梗塞で「胸の締めつけ」を感じるのはなぜ?>
血管が詰まり心筋が酸素不足になると、痛みを伝える神経が刺激され、胸に症状が現れるそうです。
<左肩の違和感の原因は?>
先生によると、肩の違和感の原因は「関連痛」によるもの。関連痛とは、痛みの原因がある場所とは別の部位に痛みや不快感を感じる現象。心臓で異変が起きると、その信号は脊髄を通って脳へと伝わります。この時心臓の痛みを伝える神経は、肩や腕などの痛みを伝える神経と途中で同じ経路を通るのだとか。そのため、脳はめったに経験しない心臓の痛みではなく、普段よくある肩や背中の痛みだと勘違いすることがあるそうです。
<生死を分けた運命の分かれ道(1)いち早く異変に気づいた>
運命の分かれ道の1つ目は、いち早く異変に気づいたこと。恵美さんが気付いた「声の張りのなさ」が健吾さんの身体が発したSOSと考えられるそうです。心筋梗塞は、心筋に血液を送る冠動脈が詰まり、酸素不足を起こし心筋が壊死していきます。血流が止まった状態が続くため、関連痛は30分以上続くことが多いのだとか。時間が経つほどダメージが現れ、90分を超えると死亡率が高まるそうです。
<生死を分けた運命の分かれ道(2)#7119に相談した>
運命の分かれ道2つ目は、#7119に相談したこと。#7119に電話をすると、医師や看護師、救急救命士、またはトレーニングを受けた専門の相談員が対応してくれます。救急車を呼ぶべきか迷ったときには、ぜひ利用しましょう。ただし、#7119(救急安心センター事業)は一部実施していない地域があります。お住まいの地域の実施状況を事前にご確認ください。
<全国版救急受診アプリ「Q助」>
#7119が使えない地域の場合は、全国で使える「Q助」というアプリを活用しましょう。該当する症状や症候を画面上で選択していくと、緊急度に応じた必要な対応を表示してくれるそうです。
<血管が細くなる「狭心症」>
狭心症とは、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が狭くなり、血液が不足して胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気です。その原因は「動脈硬化」。加齢や高血圧・脂質異常症・高血糖などの生活習慣病が原因で、血管の壁にプラークと呼ばれるコブができ、血管が細くなって狭心症に繋がります。心筋梗塞を発症する人の多くは、発症前に狭心症によるサインが現れていることがあるのだとか。健吾さんの場合は、発症の1か月ほど前に「胸の違和感」「肩こり」「あごの違和感」があったそうです。しかし、1分ほどで治まるため気にしていなかったと言います。先生によると、これらの症状は狭心症による関連痛だった可能性が高いそうです。
<100万人以上が心筋梗塞予備群>
狭心症治療を受けている人は、日本で約100万人。潜在的にはもっと多くの人が狭心症を持っていると考えられるそうです。つまり、100万人以上が心筋梗塞予備群。そのため、身体から発するサインを見逃さないことが重要だそうです。
違和感の原因「関連痛」

<心筋梗塞の関連痛>
心筋梗塞の関連痛によるサインは「のど・食道の違和感」「胸の圧迫感」「左肩・背中の痛み」「あごの痛み」「重い荷物を持ったり階段を上ったりすると強い息苦しさを感じる」などがあるそうです。
<関連痛と慢性痛の見分け方>
日頃から感じる肩こりや背中の痛みは「慢性痛」と呼ばれるもの。心筋梗塞の場合は心臓に血液が足りない時(心臓に負担がかかった時)にサインが出ます。例えば「急に動き出す時」「山登りをしている時」「ゴルフをしている時」など。また、明け方脱水で血液が少なくなった時に痛みが出て、休むと良くなる場合も関連痛と考えられるのだとか。もう1つのポイントは、身体を動かしたり患部を押したりした時に痛みの度合いが変化するかどうか。肩こりなどの場合、押すと痛みや気持ち良さを感じます。一方、関連痛の場合は原因が心臓にあるため、肩を揉んでも痛みの度合いは変化しないそうです。
目の前で人が倒れた時 大切な命を繋ぐ「AED」
心臓の異変で気を付けたいのは、心筋梗塞だけではありません。心臓が原因で突然心停止になる人は、1年間で約9万人。1日約250人が心臓に異常が起きることで命を落としています。心停止は、時間との勝負。1分1秒でも早い処置が生存率を左右します。その時命を繋ぐのが「AED」だそうです。
<AEDとは?>
AEDとは、不整脈を引き起こして血液を送れなくなった時、電気ショックを与え正常な拍動に戻すための医療機器です。
<ためらわず使用するために!AEDの正しい使い方>
(1)声かけ
倒れた人がいたら、周りの安全を確認し、声をかけて意識があるかどうか確認します。
(2)周りを巻き込む
反応がない場合、周りの人を指名し119番通報とAEDを頼みます。1人の場合は119番通報を行い指示に従ってください。
(3)胸骨圧迫
呼吸がなければAEDが到着するまで胸骨圧迫を行います。胸骨圧迫をする際は、傷病者の横に座り腕を真っ直ぐ垂直に伸ばします。手のひらの付け根を胸の真ん中に当て、もう片方の手を上から重ねて指を絡ませ、5〜6cm下がるイメージで胸骨を押してください(※内臓が損傷する恐れがあるため6cmは超えないでください)。リズムは1分間に100回が目安です。
(4)AED
AEDが到着したら電源を入れます。電源を入れると音声と画面で次にすべき行動をすべて順番に指示してくれます。指示に従ってAEDに付属している電極パッドを右の鎖骨の下と左わき腹に装着すると、AEDが心電図を解析し電気ショックが必要かを判断してくれるそうです。
(5)胸骨圧迫
ショックが終わったら、パッドを外さずに救急車が到着するまで胸骨圧迫を続けましょう。
<AEDマップ>
「日本全国AEDマップ」は、AEDの設置場所を地図上で検索できるシステム。もしものために、自宅や職場などから一番近くのAEDの位置を確認しておきましょう。
(2026年8月9日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
番組紹介
ニッポンの皆様に健康生活を!この言葉をキーワードにすぐに役立つ健康情報をお伝えします。「人」「家族」の未来を創り出す、CBCテレビの健康情報番組。




