身体の不調「手」に現れる!?…あなたの「手」大丈夫?しびれ・痛み・腫れ“手の違和感”の原因
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、日本手外科学会 専門医 指導医 医学博士 田中利和先生です。
今回のテーマは「〜あなたの手は大丈夫!?〜見逃せない身体からの警告」
近年、しびれ・痛み・腫れなど手に違和感を抱えている人が増えているそうです。たいしたことないと思いがちですが、暮らしに支障をきたすことも多い手の不調。実は、身体の不調は手に現れることが多いのだとか。しかも、症状が手に出ても、原因はさまざまなところにあるため、きちんと特定して治療することが大切だそうです。そこで今回は、手の違和感の原因などを専門医に教えてもらいました。
手の悩みを抱えている人が増えている!?

近年パソコンやスマホを使う頻度も増えていて、日常生活で手を使うことが多くなっていることから、手の悩みを抱えている人が増えているのだとか。そのため、手・腕・ひじなどの専門病院も開設されているそうです。
手のしびれ・痛みの主な原因は「神経」
先生によると、しびれや痛みの主な原因は神経。神経は、頭から手に向かって走っています。症状は手に出ているものの、頭・首・胸に問題がある場合や、腕に問題があるケース、手そのものに問題が生じている場合など、原因となる箇所は様々考えられるそうです。
手の悩みの意外な原因「両手の小指側のしびれ」
<考えられる原因(1)首>
神経は、首から左右に分かれています。そのため、両手に症状が出ると、神経の分かれ道である首の問題が疑われます。しびれを起こす首の代表的な病気は、頚椎椎間板ヘルニア。頚椎椎間板ヘルニアは、首の酷使や加齢などにより、首の椎間板が変性し、神経や脊髄を圧迫する病気だそうです。
<考えられる原因(2)ひじ>
腕の内側にしびれがなく、手の小指側だけしびれる場合は、ひじに問題がある可能性が高いそうです。
<ひじ屈曲テスト>
ひじ関節を胸につけるように折り曲げ、手のひらを上に向けます。この時、ひじに問題があるとしびれが手に出やすくなるそうです。
<肘部管(ちゅうぶかん)症候群>
肘部管症候群は、ひじの内側の管を通る神経が日常的なひじへの負担や、加齢で圧迫される病気。小指や薬指のしびれなどを引き起こすそうです。
<原因は複数の場合も>
手のしびれや痛みなどの原因は1つだけでなく、首とひじなど、複数の要因が重なっている場合もあるそうです。
手の悩みの意外な原因「人差し指の腫れ」「小指のしびれ」
<関節や腱に問題がある場合も>
手のしびれや痛みは、神経の圧迫のほか、関節や腱に問題がある場合もあるといいます。例えば、「関節炎」は指の関節の変形などによって炎症が起きる病気。関節に水がたまり膨らむため、指の関節のシワがなくなるという特徴があります。「腱鞘炎(バネ指)」は、指の腱と腱鞘(腱が通るトンネル)が擦れて炎症が起こる病気。どちらも原因は、加齢や指の使いすぎだそうです。
<糖尿病が腱鞘炎のリスクに>
先生によると、糖尿病は腱鞘炎のリスクを上げる高リスク因子。高血糖状態が続くと、腱や周りの組織が硬く厚くなり、腱をスムーズに動かせず炎症しやすくなるそうです。
<腱鞘炎を改善する効果的な方法>
腱鞘炎を改善するのに効果的な方法は、腱鞘炎用の装具をつけること。装具をつけると腱と腱鞘が擦れなくなるので、腫れが引いて炎症も治まっていくのだとか。先生によると、装具は全国の手を専門とする整形外科であれば作業療法士がオーダーメイドで作ってくれるとのこと。病院によって値段は異なるそうですが、保険適用で1000円前後だということです。
手の悩みの意外な原因「親指の付け根の痛み」

<親指テスト(1)>
▼手のひらを開いて上に向け 親指を机につける
親指が机につかない場合は、親指の関節に不具合が起きている可能性があるそうです。
<親指テスト(2)>
▼親指と人差し指で丸を作る
丸ではなく三角おむすびのような形になってしまう場合は、親指の関節の動きが悪くなっている可能性があるそうです。
<母指CM関節症>
親指の付け根が痛む原因の1つが、母指CM関節症。母指CM関節症とは、親指の付け根にある関節の軟骨が、加齢や使いすぎですり減り、炎症・変形・痛みを引き起こす病気。家事やスマホ操作などの親指の酷使で発症することがあるそうです。
<母指CM関節症の治療法>
母指CM関節症の治療は、整形外科で取り扱う痛みを緩和する装具をつけるのがおすすめとのこと。保険適用で3000〜4000円程度だそうです。
手の悩みの意外な原因「腕のしびれ」
<考えられる原因「頸椎椎間板ヘルニア」>
腕のしびれの原因の1つは、頸椎椎間板ヘルニアなど、首に問題がある可能性が考えられるそうです。注意しなければならないのは、しびれている方の手で重い物をもたないこと。また、体重を減らすことで症状が改善する可能性もあるそうです。
<首の問題が疑われる症状>
手のしびれ以外に、首の痛みや肩こり、手先の細かい作業が難しくなった場合も首の問題が疑われるそうです。気になる症状がある場合は、整形外科で詳しく診てもらいましょう。
手のしびれの陰に潜む 心臓にも影響する要注意の病
<手根管(しゅこんかん)症候群>
手にしびれが現れる病気の1つが「手根管症候群」。手根管症候群とは、手首にある手根管という管の中で神経が圧迫され、しびれや痛みが起こる病気。工場やパソコン作業など手を多く使う仕事や、更年期の女性ホルモンの変化などが原因と考えられているそうです。
<手のしびれの陰に潜む要注意の病「アミロイドーシス」>
アミロイドーシスとは、アミロイドという異常なたんぱく質が全身の臓器や組織に沈着し、機能障害を引き起こす病気の総称。アミロイドが手首に溜まると「手根管症候群」になり、心臓に溜まると「心不全」を引き起こすこともあるので、注意が必要だそうです。
<専門医に相談しましょう>
手のしびれや痛みに加え、むくみ・息切れ・動悸・倦怠感などがある場合は、アミロイドーシスの可能性があるそうです。循環器の専門医に相談してみてください。
手の悩みは専門医に相談しましょう
手に違和感があったら、専門医に相談してみましょう。日本手外科学会所属の医師は約3400名おり、全国に約450の手の外科専門の病院もあるそうです。
(2025年12月14日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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