柳史上最高の投球フォームに到達した道のりと竜投手陣再建に自らが果たすべき役割、そして悩める後輩・高橋宏斗へのエール― ドラゴンズ柳裕也が語り尽くしたサンドラ独占インタビュー
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい!との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
6月21日の放送回は、ベテラン柳裕也投手の独占インタビュー企画。ここまで12試合に登板して4勝2敗、防御率2.13。開幕前の不調が嘘のように最も頼れるローテーションの柱として活躍を続ける柳投手が短期間で変貌を遂げられた真相を激白。チームが浮上するために自身が果たすべき役割やドラゴンズファンへの思い、そして悩める若きエース高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)への思いについても語られた。まずはオープン戦の大乱調からの再生劇の全貌からお届け。
開幕前の絶不調、原因は投球フォームの変更

柳投手のオープン戦の成績は散々だった。3試合で計15失点の防御率9.69。開幕投手に指名されていたベテラン右腕が打ちこまれる姿はファンを不安にさせた。当時の心境を「ヤバいと思っていました。苦しかったですね」と正直に明かしたのだが、蓋を開けてみれば12試合中10試合でクオリティスタート(6回自責点3以内)をクリアする抜群の安定感。直近の3年間は5勝に届かないシーズンが続いていただけに手応えを口にする。
柳投手:よくやれているかなとは思います。毎週ローテーションで投げられていますし、(自分が)勝つに越したことはもちろんないんですけど、自分が投げてる試合でチームが勝ったり、試合をしっかり作ることができればいいのかなと思ってます。ここ2年ぐらい(シーズンの)途中で離脱したり、ローテーションをなかなか守れてないんで、本当に1年間しっかり投げ続けて試合を作っていくというのが、自分の仕事かなと思ってます
疑問が生まれるのはオープン戦のラスト登板から開幕までの短期間に何があったのか。
じつは不調の原因は明確であり柳投手自身もしっかりと自覚していた。キャンプインから取り組んだ投球フォームの変更が影響していた。
柳投手:キャンプの初日に投げ方を変えて、セットポジションで投げていたのをノーワインドアップに。(もっと)良くなりたいっていう、こうすれば良くなるのかなっていうのが(フォーム変更の理由)。ほんとに思いつきというか、前の推進力を生み出すようにという意図でやってみて良かったんで、もうちょっと続けてみようかなって変えてトライして。変えた直後は良かったんですけど、なかなかこう途中らへんから「なんか違うな」って自分で感じてたんですけど。そこでこうなんか違うからもうすぐ戻そうっていうのはちょっと浅いというか、深みが出ないかなと思ったので。良くないなと思いながらも、その投げ方で試行錯誤して投げてたんですけど・・・やばいなと思ってました。やばいなっていうか苦しかったですね
進化を求めたゆえにハマってしまった沼。開幕してから別人のように立ち直ることができたのは“戻る場所”を見失わなかったことによるものだった。
柳投手:フォームを変える時にいつでもその“戻る場所”はあるというか、戻せる自信はあったんで。オープン戦で全然ダメでやっぱり戻そうということで、オープン戦の最後の1試合で戻してっていう感じですね。今だからですけど、オープン戦でスイスイ行くよりはあの期間にこう悩んで試行錯誤してっていう時間になったんで、今思えば良かったのかなと。当時は思えてないですけど(苦笑)。内心はやっぱりあれだけ打たれて、ほんと監督に言いに行こうかなって思った時もあったんで。(開幕投手)辞退じゃないですけど、かっこつかないんで。あんな数字ではチームメイトでもそうですし、応援してくださるファンの人にもこうやっぱりかっこつかないなと思ったんで。でも任せてもらった監督の気持ちとか自分のやってきたこととか色々考えて、責任持ってそこに合わせて投げようと
試行錯誤する中で得た“柳裕也史上最高の投球フォーム”
腹を括って迎えた開幕戦、セットポジションからのピッチングでカープ打線を翻弄する柳投手の姿があった。単純に元の形に戻しただけなのか、それとも実を結ばない中でも得られた思わぬ副産物が存在していたのか―。その答えは過去の自分と向き合う中で辿り着いたものだった。
柳投手:戻したっていうよりは試行錯誤する経験があって、その期間に過去の映像とか自分の良かった時の感覚とか練習したり、思い出したり、映像を見たりして良かった時に できていた部分を組み合わせていってフォームを完成させた感じです
柳がつなぐ竜投手陣の“伝統”

変化を恐れず、もがき辿り着いた先にあったのは新たな境地だった。開幕から休むことなく腕を振り続ける柳投手の姿がチームに与える影響は大きい。プロ2年目の金丸夢斗投手は「いろんな変化球を使いながら、頭を使いながら抑えてますし。タフで頑張っている姿を見ると僕も刺激になります。でも自分たち若手が頑張らないといけないと思うので。そこは危機感を持ちながらやっていきたい」と口にした。“刺激”と“危機感”。実はこの2つを与える存在は柳投手にもいると言う。
柳投手:プロに入ってローテーションで投げ始めてから、もうずっと大野さんという存在がいて。ぼくは勝手に大野さんのことをずっと意識してここまでプロ10年目ですけども10年間投げてきたつもりですし。あの人がタイトルを獲ったり、沢村賞を獲ったりした時もずっとローテーションを一緒に投げてきたので。(大野さんが)どれだけすごい成績 を出しても「この人がこれぐらいだったら、俺はもっといいピッチングをしよう」と勝手に張り合ってここまで来たので。今年に関して言えば、また大野さんの数字を意識していいピッチングをされているんで、それよりいいピッチングをしようと張り合ってやっています。そういうふうに僕は育ってきたんで、大野さんだけじゃなくて吉見さんがいたり、山井さんがいたりとか、なんとかこの人たちより良い数字を出して自分がローテで一番になりたいとか、そういうギラギラしたものをずっと持ってやってきた。それが今だったら金丸とか中西、櫻井、高橋宏斗ももちろん。若いピッチャーがいるんで、そういうピッチャーたちも意識してもらえれば。意識できるだけのピッチングしないといけないですけど、そういうふうにピッチャーでこうドラゴンズって良くなってきたと思うんで。伝統じゃないですけど、ピッチャーのいいチームだと思うんで、そういうのは引き継いでいけたらいいのかなとは思います
悩める若きエース高橋宏斗にエール

シーズン前の不安を払拭し投手陣に受け継がれる伝統を守り続ける今シーズンの柳投手。では柳投手と同じように暗いトンネルから抜け出せずにいる高橋宏斗投手はどう映っているのか―。
柳投手:宏斗は初めてと言っていいくらいこんなにうまくいかなくなってると思うんですけど、全部いい経験だと思って。本人は思えないでしょうけど、誰にでもそういう時期ってあるんで。ここでどう乗り越えていくかが大事だと思います
ドラゴンズファンへの思い
インタビューの最後に語ったのはドラゴンズファンへの思い。希望を見い出せなくなりそうな状況でも全国各地で声援を送り続けることへ感謝を口にした。
柳投手:現状厳しい戦いですけど、ファンのみなさんの声援(の力)って半端じゃないほどあると思うんです。ビジターなんですけど、ホームにいるかのような声援を送ってくれますし。そういう人たちのために勝利を届けたい気持ちはすごいあります。言い方悪いですけど、こんだけ負けてるのにあれだけの声援を送ってもらえるのは当たり前じゃない。結果で喜ばせないといけないなっていうのもすごい思います。高橋宏斗もしっかりやりますのでよろしくお願いいたします。ぼくも頑張ります(笑)
川上憲伸氏「柳投手の執念をチーム一人ひとりが持って戦うことが必要」

この日のスタジオ解説はドラゴンズのレジェンドエース川上憲伸さん。柳投手が語った竜投手陣で受け継がれる“伝統”について共感されました。
川上氏:先発ローテーションの中でライバル、負けたくない選手がいるっていうのは僕らの時もそうでした。山本昌さんより自分の方が勝ちたいし、防御率もやっぱりいい方がいいっていうね。それは結果的にチーム全体の数字がよくなっていくのかなっていうのを思いましたね
―柳投手は進化を目指して投球フォームを変更する中で悩みながらも開幕に合わせてきた
川上氏:普段からどうすればもっといいピッチャーになれるかを考える習慣があったからこそ、キャンプの初日からフォームを変えてみた。オープン戦は失敗したっていうことがまたさらに彼にとっても良かったと思いますね。このオープン戦で油断しなかったっていうところが、今の成績に繋がってるのかなと思いますね
―柳投手の再生劇からチームが学ぶべき点は
川上氏:柳投手も言ってましたけどチーム全体のことも考えていますね。ファンの声援に応えようと勝ちへの執念をすごく持ってるっていうところに関しては、やっぱり全員、彼1人じゃなくてチーム一人一人が執念を持って戦っていければいいんじゃないかなと。柳投手もそういったことを伝えたいのかなと思います
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。今年の柳投手が過去一、頼もしい理由が分かる独占インタビューでした
今週のサンドラを観た感想・・・。筆者の勝手な感想ですが今シーズンの柳投手は過去一で頼もしく、絶対に崩れない安心感を与えてくれると見ていました。その理由が過去の良かった頃の自分と向き合い、辿り着いた柳投手史上最高のフォームを習得したことによるものだったことに納得。投球フォームは一度変更すると元に戻すことは簡単ではないと耳にしますが、柳投手にはその自信があり、さらに元に戻すだけでなくその上に到達した事実がトップレベルの証でしょう。大野投手と同様にチームに欠かせないベテランとしてこれからもドラゴンズ投手陣を引っ張っていってくれることを期待しています!
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)










