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開幕どん底の井上ドラゴンズ、いつ“ボタンの掛け違い”は解消されるのか?

開幕どん底の井上ドラゴンズ、いつ“ボタンの掛け違い”は解消されるのか?
井上一樹監督(C)CBCテレビ

私たちの日常生活でもボタンを掛け違えることがある。往年のCBCスポーツアナウンサーの先輩が、プロ野球の実況中継の中で、よく使った“名文句”を思い出した。

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「一度掛け違えたボタンは、なかなか元に戻らない」

各球団との対戦を終えた中日ドラゴンズは3勝11敗、借金は8になった。開幕前の評価が高かっただけに、そのショックは大きい。(敬称略)

開幕ゲームの“落とし穴”

ボタンの掛け違いは、何と言っても広島での開幕ゲームである。開幕投手の柳裕也が好投し、打線もそれに応えて17安打の猛攻、5対1のリードで9回裏を迎えた。しかし、脇腹痛で開幕に間に合わなかった松山晋也に代わって、抑えを任されたアルベルト・アブレウが打ち込まれ同点になり、最後は延長サヨナラ負け。OBで野球解説者の川上憲伸さんも「勝ったと思って風呂に入っていた」とメディアで明らかにしていたが、誰もが勝ちを信じたゲームだった。それを落としたことが、最初のボタンの掛け違いだった。

大野と柳が歯止めをかけた

大野雄大投手(C)CBCテレビ

チームはそこから開幕5連敗。しかし、そんなボタンの掛け違いを修正しようという気概を見せたのが、大野雄大だった。讀賣ジャイアンツ相手に、あわや完封かという気迫の投球で完投勝ちした。その翌日には、開幕ゲームで勝利投手になれなかった柳裕也が、リリーフの誰にも頼ることなく、完封劇によって2連勝。大野と柳、この2人のベテラン投手によって、開幕からのボタンの掛け違いは、どうやら解消されたはずだった。しかし・・・。

1イニング7失点の「まさか」

悪夢の大逆転負けは、4月5日の日曜日、神宮球場での東京ヤクルトスワローズ戦だった。先発の高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)は自らもタイムリーを打つなど、5点のリードを背負って、快調に投げていた。しかし、7回裏にペースを乱す。交代したリリーフ陣が打ち込まれて、この回だけで何と7失点。広島での開幕ゲームに続いて、再びボタンの掛け違いが起きてしまった。開幕ゲームと同じように、継投がうまくいかなかった。

根尾のプロ初勝利に沸く

根尾昂投手(C)CBCテレビ

この敗戦は尾を引くと思われた。続く横浜スタジアムでの横浜DeNAベイスターズ戦も、先発の金丸夢斗が好調な立ち上がりを見せながらも突然打ち込まれて、単独の最下位になってしまった。翌4月8日のゲームも終盤に4対2とリードしながら、セットアッパーのウンベルト・メヒアが同点を許す。しかし、暗雲立ち込める中、延長で登板した根尾昂が好投し、打線も奮起して、延長11回の末、6対4で勝った。根尾は8年目にして、プロ初勝利を挙げて、翌朝にかけて全国のスポーツニュースも大いに沸いた。これで、ボタンの掛け違いは修正されるかと信じた。しかし・・・。

松山が打たれて途中降板

松山晋也投手(C)CBCテレビ

本拠地バンテリンドームに、昨季のリーグ覇者である阪神タイガースを迎えての3連戦。その初戦に、またしても悪夢が待っていた。3対1の2点リードで、9回のマウンドに立った松山を、スタンドからの万雷の拍手が迎えた。しかし、そのストレートにいつもの力強さがない。強力な振りをしてくる猛虎打線につかまり、4連打で逆転されて、イニング途中の降板となった。ライトの守備に付いていた外野手が、打球をファンブルした致命的なミスも痛かったが、まさかの敗戦。ボタンの掛け違いは、少なくとも3度目となった。

本拠地で虎に3連敗

3度目のボタンの掛け違いは、解消されていない。翌4月11日は大野、そして、12日の日曜日は高橋宏斗、ドラゴンズが誇る先発陣が打たれて、結局、本拠地でタイガースに3連敗した。ペナントレースが開幕して3週間、ドラゴンズは週末に1度も勝っていない。ドラゴンズファンのため息が溢れている。この3連戦も初戦で勝っていれば、また違った結果になったかもしれない。ボタンの掛け違いは深刻だ。

キャンプからの落とし穴

アグレスタジアム北谷:筆者撮影

けが人や体調不良の選手はたしかに多い。しかし、選手のコンディションも含めてのベンチ采配なのである。言い訳はできない。例えば、抑え投手である。春季キャンプ途中から松山はコンディション不良だった。その代わりに期待したアブレウも、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場していた。ならば、二重にも三重にも、リリーフ陣の整備に知恵と力を注がなければならなかった。「豊富な先発投手陣」の陰に大きな落とし穴があった。

井上監督のめざす野球とは?

井上一樹監督(C)CBCテレビ

ボタンの掛け違いを解消するにはどうしたらいいのか。緊急トレードや、ベンチ体制の強化もあるようだが、ここは采配を落ち着かせることだろう。浮足立っているように見えてしまう。昨季のペナントレースが終わってから、高知などでの秋季キャンプ、沖縄での春季キャンプ、そしてオープン戦と、井上一樹監督がめざした野球を、あらためて見つめ直して実行することだ。

もっとも、2年目を迎えた井上野球が、一体どんな野球をしたいのか、正直、まだ竜党としては見せてもらっていない気もする。それが現状における最大の課題なのかもしれない。新しいホームランウイングだけがすべてではない。

大学時代の先輩は、今年初めてバンテリンドームのシーズンシートを購入し、毎試合スタンドに通っている。筆者も公式ファンクラブを通して、すでに複数の試合チケットを購入した。竜党の全力応援は続く。それに応える責任はドラゴンズ球団全体にある。フロントも監督もコーチも、何より選手たちも、心して戦ってほしい。球団創設90周年の記念イヤーなのだから。                                                        
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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