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代役されど大役 守護神抜擢の中日・清水達也 心に秘める“ゼロへのこだわり”

代役されど大役 守護神抜擢の中日・清水達也 心に秘める“ゼロへのこだわり”
「サンデードラゴンズ」より清水達也投手(C)CBCテレビ

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

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救いとなった?オールスターブレイク

一喜二憂。そんな言葉はこの世に存在しないが、ドラファンにとってこの三連休、さぞかし天国から地獄、なんとも悶々とした気持ちで過ごしたのではないだろうか。

7月19日、横浜DeNAベイスターズとのカード初戦を見事に勝ち、5年ぶりの7連勝を飾ったドラゴンズ。ここ数年見慣れ過ぎて飽き飽きしていた敗戦シーンから二週間もご無沙汰となり、ノーストレスな日々にウキウキしていたのも束の間、連勝しては同じ数だけ連敗するという、ここ数年来見慣れたドラゴンズの悪しきパターンが忍び寄る。もう一歩のところで8連勝を逃した二戦目。そして勝ち星から見放され8度目の正直となったスーパールーキー金丸夢斗投手の好投も報われず、結果ベイスターズに連敗を喫し借金6で前半戦終了。このまま戦っていれば、ズルズルと負けが込んでいたかもしれないだけにオールスターブレイクに救われた気分だ。首脳陣、選手たちにとっても良い気分転換になったわけで、この期間中に投打ともにしっかり立て直しを図り、後半戦を迎えてもらいたいものである。

さて今週のサンドラは清水達也投手の特集!新守護神・松山晋也投手が戦線離脱後、クローザーの大役を任された清水投手の胸中に迫った!

転がり込んだ守護神の座

「サンデードラゴンズ」より清水達也投手(C)CBCテレビ

絶対的守護神ライデル・マルティネス投手が事もあろうかライバル球団読売ジャイアンツにFA移籍し、空席となった守護神の座。その大きな穴を埋めるべく、春季キャンプで争った中で抜擢することを決めていた井上監督が最終的に指名したのが松山晋也投手だった。この時点で清水投手は8回を任されるセットアッパーの役割を担うことに。同点、若しくは勝っているケースでの登板が多い8回1イニングが彼の出番となる。

清水投手「(7回と比べて)強いて言えば、8回は相手の打順が良い。分厚い場面で抑えるとか緊張感とか、しんどさはちょっとありますが、気合いです」

抑え同様、心身に堪える重たい役割。それにも関わらず淡々と答える清水投手。心臓の強さは並外れたものに違いない。

6月終了時点、防御率はなんと0.91。セーブ王争いのトップを走る松山晋也投手に勝利のバトンをつないでいた。そんな中で、松山投手が右ひじ疲労骨折で戦線離脱。再び空席となった抑えのポジション。抜擢されたのは清水投手だった。

7月4日、バンテリンドームでの東京ヤクルトスワローズ戦、9回1アウトから緊急登板指令が下る。大野雄大投手の後を受け、わずか2球で試合を締めくくり、今季初セーブをマーク。そして同月8日、山形で行われたジャイアンツ戦。先発は6戦して3敗。好投を続ける中、なかなか援護に恵まれず、未だプロ入り初勝利を手に入れることができない金丸夢斗投手。この日は7回2失点の力投を見せると、8回表に上林誠知選手の一発が飛び出し、金丸投手に勝ち投手の権利が転がり込み、代役守護神にバトンが託された。誰もが勝利を待ち望んでいた9回。しかしまさかの逆転サヨナラ負け。金丸投手が掴みかけていた白星は一瞬にして砕け散った。

清水投手「先発投手含め、点を取ってくれた野手陣とか、つないできた中継ぎ陣とか、ずっと勝ちを期待して応援してくれていたファンの皆さんを一気に裏切ってしまうような結果だったので、本当に申し訳ないという気持ちが一番ですね」

荒んだ心をやわらげた魔法の言葉

「サンデードラゴンズ」より清水達也投手(C)CBCテレビ

重なる黒星、膨らむ借金。金丸投手の初勝利を消しての悪夢的敗戦。そんな代役守護神の折れかけた心を支えた人物がいる。浅尾拓也一軍投手コーチだ。

清水投手「すごく寄り添ってくれて、“すぐやり返したいな”“絶対達也ならやり返せるよ”みたいな前向きな発言、言葉、声掛けをすごくしてくれましたね」

まさに荒んだ心をやわらげた魔法の言葉。一体浅尾コーチはどんな言葉を伝えたのか。

浅尾コーチ「その時思っていたことを伝えただけですけどね。達也に関してはいろんな場面で投げてもらっているのが多いので、それでも文句も言わず、“自分の登板はしっかり投げます”と言ってくれているので頼りにしています」

伝説のクローザー・岩瀬仁紀さんへつなぐ絶対的セットアッパーとして活躍した浅尾コーチ。酸いも甘いも知り尽くしたセットアップ業。清水投手を誰よりも理解し、アドバイスできるのは浅尾コーチただ一人。彼の右に出る者は存在しないだろう。

ゼロにこだわる

「サンデードラゴンズ」より浅尾拓也一軍投手コーチ(C)CBCテレビ

失意のマウンドの翌日。チームの主砲・細川成也選手がライデル・マルティネス投手を打ち砕く値千金の逆転3ランを放ち、一夜にしてリベンジの機会が訪れた。この日も2死満塁と一打逆転サヨナラのピンチを作ったものの、つながれたバトンを死守。悶々とした気持ちから解放された。

清水投手「さすがにあそこで2夜連続サヨナラくらっていたら、多分僕、球場来てなかったんじゃないですかね。笑えないですけど、ホントに。それぐらい命がけでした」

その後もチームの勝利に直結する抑えのポジションを全う。松山投手ほどの鋭い眼光もなければ、ド派手なパフォーマンスもない。それでも清水投手は責務を果たす。試合を締めくくる守護神という大役の代役を。そんな清水投手に向け、浅尾コーチは賛辞の言葉を送る。

浅尾コーチ「いなくなったら困る。困るのでしっかり次の登板に向けて1試合1試合準備して欲しいですね」

失敗は取り返せない。しかし失敗したことで学ぶことも多々あろう。これから先のマウンドで信頼を勝ち取るしかない。そして今度はしっかり金丸投手のプロ入り初勝利のボールを手渡す。

清水投手「どこを任されてもゼロで抑えれば勝てると思うので、ゼロにこだわって粘り強くやっていきたいです」

与えられた場所でしっかり結果を残し、“清水なら大丈夫”と信頼を得る。代役?大役?そんなことどうでもいい。与えられたイニングをゼロで抑えきるだけ。痛すぎる経験も今となっては血となり肉となった。無表情でマウンドに上がり、淡々と投げ続ける清水投手の活躍なくしてドラゴンズのAクラス入り、いや優勝はない。残る全試合も万全なる準備を施しチームの勝利に向け、尽力してもらいたい。

がんばれ清水!
がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

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