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日本人女性は痩せすぎ!健康被害への影響も

日本人女性は痩せすぎ!健康被害への影響も

現代の日本人女性は低体重が目立っていると読売新聞が報じています。若い女性の痩せがかなり深刻化していて、日本肥満学会は4月、痩せ過ぎが招く健康障害に対し、「女性の低体重・低栄養症候群(FUS)」という新たな病気に位置づける方針を発表しています。7月19日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、日本人女性のやせすぎの現状と健康への弊害について解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。

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痩せている女性が突出して多い日本

2023年の国民健康・栄養調査では、BMI(体格指数)が18.5未満の「低体重(痩せ)」の女性は20代で24.4%、30%で17.9%。

日本人の20代女性の1日あたり摂取カロリーは2023年が1,630kcalで、なんと終戦直後の日本人平均である1,903kcalを下回っているという状況です。

痩せている人の割合が先進国の中でも日本は突出して高く、OECD加盟国では5%以下が一般的といわれている中で、日本はかなり高い割合。

2位の韓国でも19歳から29歳の女性が16.8%ですので、日本が飛び抜けて高いことがわかります。

どんな病気にかかりやすい?

ただし、痩せているだけですぐに病気であるという意味ではありません。

吉田先生は「若い女性が抱える健康問題について、痩せているという観点から捉え直して治療と予防につなげて行くというのが狙い」と解説しました。

とはいえ、痩せ過ぎが病気につながっていくこともあるそうです。

若い女性の痩せ過ぎによって女性ホルモンが分泌されにくくなって月経が来なくなったり、卵巣が排卵をしなくなり妊娠しなくなることも。

また、甲状腺ホルモンが出にくくなることで低T3症候群という寒気や疲労感、むくみといった症状や、血糖値のコントロールができなくなって空腹の際に震えたり汗が出たり、重いと意識障害を起こすこともあるそうです。

骨折のリスクも高まる

そして、脂肪の代謝も正常に行えないことで、痩せているにもかかわらず中性脂肪が増加するということもあるそうです。

さらに自律神経がうまく働かないことで起立性低血圧や不整脈、自律神経失調症だけではなく、不安やパニック、うつ、不眠症といったメンタル面での影響を受けることもあるそうです。

また、若い時に痩せ過ぎの状態が続くと、歳をとってからも影響があることがわかっているそうです。

痩せ過ぎると骨密度が低下することは知られていますが、カナダのマギル大学の研究によれば、20代でしっかり骨密度を上げておかないと中高年になって骨粗鬆症で骨折しやすくなるというデータが出ているそうです。

痩せ過ぎの人が多い理由

では、日本人女性に突出して痩せ過ぎの人が多いのはなぜなのでしょうか?

吉田先生はその理由の1つに思春期の心理形成を挙げました。

思春期には女性ホルモンのエストロゲンの作用として皮下脂肪が増加し、いわゆる女性らしい体型に変化します。
これは医学的には必要な変化にもかかわらず太ったと誤認しやすく、自分の体型のイメージの歪みにつながるそうです。

また、発達心理学の観点では思春期は他人の目を強く意識しがちですが、日本では「痩せた外見=自分の価値」と偏った自己評価が形成されやすく、そのまま20代を迎えてしまうそうです。

その傾向にさらに追い討ちをかけているのがSNSやアイドル文化、ファッション誌で、モデルなどが基準になってしまうことが痩せ過ぎに拍車をかけているようです。

この状況を防ぐためには、吉田先生はまず「痩せ過ぎは危険」と周知されることで社会全体の価値観を変えること、そして「痩せている女性に対してほめるのも注意しなければならない」と語りました。
(岡本)

 

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