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ドラゴンズファン怒りと希望のシーズンが終わった~強竜復活の道は何処に?~

ドラゴンズファン怒りと希望のシーズンが終わった~強竜復活の道は何処に?~

中日ドラゴンズの2018年シーズンが終わった。かろうじて最下位はまぬがれたもののシーズン負け越しは高木守道監督の2年目2013年から6年連続、Bクラスも6年連続で球団ワースト記録を今年もまた更新してしまった。
半世紀以上の長きにわたってドラゴンズファンをしているが、応援していてこれほど疲れたシーズンはなかった。それは決してチームが負け続けたからでなく、連勝も度々あってファンとしても明らかに前年よりも手応えを感じていたからである。「いけるぞ!」「やっぱりダメだ」のくり返し、期待と失望が激しく交錯した2018シーズンだった。

打者たちは頑張った!

明るい話題から始めれば、打撃陣の充実であろう。既定打席に達した打撃30傑の中に、リーグ最多の7人が名を連ねている。首位打者のダヤン・ビシエドを筆頭に、平田良介、ソイロ・アルモンテの3人は堂々のベスト10入り、さらに大島洋平、福田永将、高橋周平そして京田陽太を加え、ドラゴンズから打撃30傑に7選手が入ったのは、2008年に森野将彦、和田一浩、井端弘和、タイロン・ウッズ、中村紀洋、李炳圭(イ・ビョンギュ)そして荒木雅博の7選手が名を連ねて以来11年ぶりの快挙だった。それだけ打撃オーダーは固定されて、落ち着いて戦える態勢が整ったと言える。

もう懲り懲りの逆転負け

その一方で、投手陣は先発、中継ぎ、そして抑え、いずれも低迷した。防御率は12球団最低、逆転負けは38試合にも及んだ。中でもファンとして悔しく、かつ切歯扼腕したのは、ゲーム終盤での信じられない逆転負けが多かったことだ。
6月28日、神宮球場での東京ヤクルトスワローズ戦で9回に5点を奪われサヨナラ負けを喫したことは、シーズンに一度くらいはあるゲームだとあきらめていた。
しかし8月19日の東京ドーム、讀賣ジャイアンツ戦で9回に4点リードを守れず今季6度目のサヨナラ負けをした時は、相手がジャイアンツだけに腹が立った。
そのショックも癒えない9月4日、舞台は再び神宮球場、9回に6点のリードを追いつかれ、延長戦でサヨナラ負け。正直、もう一生勝てないような絶望感を味わった。
いずれも抑えの投手たちが打たれた結果だった。それまでに打撃陣がもっと点を取っておけばいいとは言えまい。最終回での6点リードは一般的には“セーフティリード”だ。投手そしてそれを指導し起用するベンチの責任だ。

ファン叫ぶ「もう来ない!」

暑く長い夏からようやく秋風が吹き始めた9月25日のナゴヤドームでのスワローズ戦は、今季のチームを象徴するゲームだった。
初回に平田選手が先制ホームラン、3回にはビシエド選手も追撃弾。先発の藤嶋健人投手も踏ん張り、2点リードで9回にはシーズン最終盤で抑え役を担っていた佐藤優投手。さすがにこのゲームはすんなりと終わるだろうと思っていたが同点に追いつかれ、延長10回に3点で逆転。「打撃陣は打つけれど投手陣が守れない、そして逆転負け」という今季のパターンだった。
遠征先と違って本拠地だけに、スタンドのファンの失望と怒りは激しいものがあった。球場出口から地下鉄の駅に向かう通路でユニホームを着た女性ファンが叫んだ。
「来シーズンは二度と来ないからね!」

松坂神話でも波に乗れず

連勝と連敗のくり返しだった。ドラゴンズファンは幾度も「今年はいけるぞ!」と思い、しかし裏切られた。乱高下だった。本当の意味での実力がついていなかったためであろう。長いシーズンには度々波が来る。波に乗るチャンスは度々あった。松坂大輔投手の登板直後のゲームは勝てると話題になったが、それ以外に2つ挙げたい。
まず藤嶋投手である。6月17日メットライフドームでの埼玉西武ライオンズ戦。コンディションを崩した松坂投手に代わって急きょ先発した藤嶋投手は見事にプロ初勝利をあげる。しかし、その後しばらく藤嶋投手の先発は回ってこなかった。
次に石垣雅海内野手。7月12日のフレッシュオールスターゲームでのフルスイングでのホームランは全国のファンと度肝を抜き、この一振りで石垣選手はMVPを獲得した。後半戦にドラゴンズの起爆剤になるかとファンは期待したが、石垣選手は2軍のまま。ベンチにはベンチの分析や方針があることは百も承知だが、若い選手はチームに思わぬ勢いをつける。かつてそれを実にうまく使ったのが故・星野仙一監督だった。星野さんが亡くなった年だけにその采配が懐かしく思い出された。

1軍も2軍も低迷

最もきびしい現実が目の前にある。
1軍の低迷についてふり返ってきたが、実はドラゴンズは今季2軍がウエスタンリーグ最下位なのである。それも1位の阪神タイガースに26.5ゲーム差という気の遠くなるような差をつけられて。そのタイガースといい、2位に11.5ゲーム差でイースタン1位のジャイアンツといい、この2チームは1軍で優勝争いができなかったが近い将来への希望はある。
しかし、ウエスタンでのドラゴンズ2軍の成績は衝撃である。過去6年間で4度も最下位になっている。1軍と2軍“兄弟”そろっての低迷をファンとしてどう受け止めたらいいのだろうか。

今季ナゴヤドームの観客動員数は「松坂効果」やレギュラー定着の期待感もあって躍進した。しかし課題は山積している。総括と分析を行って来季へ歩みだす秋、長期的な視野での徹底的な出直しを覚悟しないと強竜復活への道はあまりに遠い。
頼むぞドラゴンズ!そして与田剛新監督!

【東西南北論説風(64) by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

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