見逃せないのは本堂の屋根!福井県・明通寺

毎週木曜日のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、仏像巡りが趣味の佐藤楠大アナウンサーが、脚を運んで現地で見た仏像についてレポートしています。10月15日の放送では、福井県内で唯一国宝の建造物が見られる明通寺(小浜市)を紹介しました。佐藤によればこのお寺を表す3つのキーワードは「海のある奈良」「坂上田村麻呂」「檜皮葺き」とのこと。
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明通寺のある小浜市の場所は、福井県を左横から見た像の頭に例えると鼻先ぐらいの位置。北は日本海の若狭湾。南は滋賀県と一部が接しています。
日本海に面した天然の港で古くから栄えていて、古代から朝鮮や中国大陸との交流があったので、先進的な大陸文化が受け入れられていたそうです。
佐藤「市内にはお寺や遺跡が多く残っていて、歴史があると言う意味で『海のある奈良』と言われているんです」
明通寺の場所はJR東小浜駅から4キロと、歩くにはちょっと遠いです。明通寺には駐車場があるので車がおすすめ。
人里離れた奥深く静かな谷の中に佇むお寺。8月に行った佐藤は、田園地帯を抜けて、緑が生い茂る山に入ると涼しいと感じたそうです。
鎮魂のためのお寺
佐藤「明通寺ができたきっかけに坂上田村麻呂が関わってくるわけですよ」
現在の北海道・東北地方である蝦夷を平定するために征夷大将軍として大きく貢献した人物が坂上田村麻呂です。
明通寺は、平安時代に坂上田村麻呂が創建したと言われているそうです。蝦夷討伐での敵味方の戦死者の鎮魂のために建立したとか。
佐藤「と考えると、静かな山間の中の少し小高いところにあるのも納得できます」
住職に感謝
入り口から山門に向かってはかなり急な階段を上ると、本堂が右手にあり、その奥に三重塔があります。
福井県内で、建造物で国宝に指定されているのは、この本堂と三重塔のみ。どちらも鎌倉時代に再建された木造の建築物で、密教建築を現代に伝える重要な建築物だとか。
佐藤「本堂では住職がいらっしゃって、5分ぐらいお寺の成り立ちとか仏像の説明をしてくれるんですよ。すごく親切で勉強にもなりました」
住職の説明で佐藤が興味を持ったのが本堂の屋根。
檜皮葺(ひわだぶき)といって桧の表面の皮で屋根を作っているそうです。これは神社仏閣に見られる屋根の作り方とのこと。
当時の技術では屋根瓦で滑らかな曲線を描くのが難しかったのですが、檜皮葺の特徴は、瓦では表現しきれない美しい屋根の反りが出せること。
皮を何重にも重ね合わせて耐久性もしっかりあるそうです。
また、天然の桧が持っているもともとの油分は雨をはじくだけでなく、湿気防止の効果もあるとか。この作り方は飛鳥時代から脈々と受け継がれてきているそうです。
100年、また10年
檜皮葺にはちょっとした弱点もあります。
佐藤「瓦だと一回作れば長く置けそうですが、檜皮葺って、30年に一度のペースで張り替えを行わなきゃいけないこと」
檜皮葺に使う皮は、樹齢100年以上の桧から取らないといけないとか。
佐藤「今から100年しないと取れない。我々が生きているうちに育つ桧では、表面の皮を取ることができないわけです」
しかも100年経ったから使い放題ではなく、8~10年ごとにしか取れない表の部分だけを使用。一度皮をむいたら約10年は待たなくてはいけません。
連綿と続く技術
また、桧の皮は、取ったらすぐ加工しないと天然の油分が取れてしまうので、事前に採取して保存しておくことができないそうです。
厚さ数ミリの薄い皮を、多いところで四十層以上にして屋根の形を作っているとのこと。本堂屋根は、鎌倉時代から今までその技術が受け継がれて保たれています。
佐藤「屋根ってなかなか注目しないと思いますが、住職のお話を聞いて改めて見ると、美しい滑らかな曲線だと思いましたの。ぜひ、皆さんに見て欲しいと思います」
明通寺に足を運んだ際は屋根に注目してください。
(尾関)
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