入管難民法改正案を閣議決定。安全面への懸念生じる
政府が3月10日に閣議決定した入管難民法改正案では、日本版電子渡航認証制度「JESTA」の導入や顔認証ゲートによる入国手続きの簡素化が盛り込まれています。インバウンド拡大を背景にしたこの制度変更。3月13日の『CBCラジオ #プラス!』で、竹地祐治アナウンサーが日本の入国審査の在り方について懸念を示しました。聞き手は石坂美咲です。
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入国審査の考え方が大きく変わったきっかけは2001年のアメリカ同時多発テロ、と竹地。
25年前の2001年、アメリカ同時多発テロが発生しました。
アルカイダがニューヨークの世界貿易センタービルに旅客機を突っ込ませるなどしたテロ攻撃の恐ろしさを世界中に植え付けました。
この事件以降、アメリカでは「危険な人物を国内に入れない」という考え方が強まり、入国審査が大幅に厳格化。
一方で出国審査は簡略化され、その差が際立つようになったといいます。
竹地「入国は本当に大変だけど、出国はあっという間というぐらい差ができました」
危険人物を入れないことが最優先となり、「早く出ていく人を細かく審査する必要はない」という発想に変わったというのです。
対面での入国審査では、審査官がパスポートを受け取り、しばらく顔を見つめる場面もあります。
石坂は「あれ、ドキドキしましたね」と当時の印象を語りました。
インバウンドで変わる日本の入管制度
日本でも入国管理制度の見直しが進んでいます。
背景にあるのは、外国人観光客の増加です。
日本を訪れる外国人は近年急増しており、2025年には年間4000万人に達しました。政府は2030年までに6000万人を目標としており、今後5年間でさらに2000万人増える計算になります。
観光客の増加は経済効果を生む一方で、各地で問題も。
いわゆるオーバーツーリズムや住民への影響など、すでにトラブルが顕在化している状況です。
こうした中、政府は入管難民法の改正を進め、3月10日に改正案を閣議決定し国会に提出しました。
改正案の柱の一つが、日本版電子渡航認証制度「JESTA(ジェスタ)」の導入です。
これはアメリカのESTA制度を参考にしたもので、渡航前にオンラインで審査を受ける仕組み。2028年度の導入が予定されています。
また、短期観光客の入国手続きについては、顔認証などを使った「ウォークスルー型ゲート」の導入も検討されています。
事前審査が済んでいる場合、ゲートを通過するだけで入国できる仕組みになるといいます。
竹地は、こうした制度によって入国手続きが大きく簡略化される可能性を指摘しました。
簡略化による安全面への懸念
一方で竹地は、効率化が進むことで本来の目的が薄れてしまうのではないかと懸念を示します。
入国審査の本質は、審査官が対面で確認することにあるといいます。
竹地「書類が整っていても、人が人を見ると、挙動が不自然だとか、そわそわしているとか、目が泳いでいるとか、そういうのがわかることがあります」
石坂「写真ではわからない部分ですよね」
竹地は、こうした人の感覚によるチェックが安全確保の最後の砦になっていた可能性があると指摘します。
顔認証などの機械だけで十分なのかという疑問を投げかけました。
さらに、インバウンド拡大による影響は観光地だけでなく、宿泊施設や民泊の問題、さらには米価格の高騰など、さまざまな分野に広がっています。
その上で竹地は、インバウンド政策全体を統括する組織の必要性にも言及。
現在は観光庁が所管していますが、入口の観光政策だけでなく、地域への影響やトラブル対応まで含めて総合的に管理する仕組みが必要ではないかと指摘します。
竹地「責任の所在を明確にした方が物事はうまくいくのではないか」
効率化だけが先行する制度改正にならないよう議論が必要だとしました。
竹地「2028年、2030年にひどいことになっていなければいいなと危惧します」
(ランチョンマット先輩)
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