たかが餅つきで家が修羅場になった我が家
12月22日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、年末年始を感じさせる投稿が数多く紹介されました。クリスマスの思い出、年賀状の準備、年始の買い出しと忙しいこの時期。とりわけ目立ったのが餅つきに関する投稿。杵と臼で餅をつく家庭も少なくなりましたが、まだ活躍が見られるところもあるようです。つボイノリオと小高直子アナウンサーがリスナーのエピソードを紹介します。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く80代の餅つき
つきたてのお餅は感触といい、味といい、格別なものです。もうあまり食べられる機会もなくなりましたが、それでも餅つきを続けている場所もあります。
「昨日は会館のサロンで餅つきがありました。三臼つきました。全部ひとりで手返しをしたので、疲れが今頃出てしまいました。1年に一度だけなので慣れないですね。
杵を持ち上げる人も80前後の男性ばかりで、来年できるかどうかなどと、毎年言っておりますが、続いておりまして、来館のみなさんに喜んでいただければ、それで十分です。さて、来年はどうなるでしょうか」(Aさん)
つボイ「お餅つきは縁起物です。元気な人がエネルギーを注入した食べ物ですから、食べる人にもそのエネルギーが移っていくのではないでしょうか」
小高「杵と臼で餅をついている風景は、小さい子が見ると、大人になってもはっきり覚えていますね」
餅つきの思い出
昔は個人の家でも杵と臼で餅をついたりしていましたが、時代が移りその様相も変わりました。
「私が嫁いできた頃は、我が家では杵と臼でお餅をついておりました。ところが餅つきが始まると義父と義母が必ずケンカをするんです。やれコメの蒸し方がどうかとか、手返しがどうかとか、全然楽しくない餅つき」(Bさん)
つボイ「『お前の手返し、タイミング悪いやないか』。それでは全然楽しくない」
Bさん宅では餅つきとなると異常に熱が入るようです。
餅つきで修羅場
Bさんの投稿の続きです。時代は移り、餅つき機が登場します。
「数年経つと義父が餅つき機を買ってきました。説明通りにもち米を入れてスイッチを押すだけで餅がつける便利なものです。これでケンカはなくなると思っていたのもつかの間、またケンカが始まりました。
説明書と違うとか、餅の硬さがどうかとか。なんてことだと思っていました。そして、数年後、義父は病気になり亡くなりました。
義父にかわって、私と夫が餅をつくことになりました。もちろん義母も一緒です。さすがにケンカはなくなると思いきや、またまた義母が怒り出して、夫とケンカになりました。原因は餅の数。『お前は餅の数も数えれんのか』と。
これはいかんと私は嫁らしくしおらしく止めに入りました。『もうケンカはやめましょう。鏡餅は縁起ものですよ、怒って作ってもよくないですよ』。すると矛先はこっちにきて、『お前なんでそんなに丁寧なしゃべり方するんだ。他人行儀や』。
私は腹を立つのをおさえていつもの口調で話そうとしたのですが、人を叱るとき丁寧な口調になる癖があり、どうしても普通にしゃべれません。すると義母は『そのしゃべり方が腹立つ!』と怒り狂って修羅場になりました」(Bさん)
Bさんはとんだとばっちりです。
義母の執念
「それから数年、義母は餅つきのたびに怒ってましたので、毎年憂鬱でありました。
そんな心を見透かしてか、『お前らは餅を買ってきたいだろうが、私の目の黒いうちは餅つきはやめんぞ』という始末。その義母も病には勝てず15年前に亡くなりました。
今年も年末になり夫が、『もち米も高くなったしもう餅つきもやめようか』と言い出しました。でもせめて鏡餅だけはつこうよと話しております」(Bさん)
なんだかんだ言いながら、結局、まだ餅つきをしているBさん一家。当人は大変でしょうが、外から見るとほほえましい餅好きの家族のように思えます。
(みず)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。


