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「ささくれは親不孝の証」その迷信の正体は、親の愛だった?

「ささくれは親不孝の証」その迷信の正体は、親の愛だった?

この時期は特に身近な存在となるささくれですが、深掘りしてみると意外と奥が深いようです。11月29日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛が、リスナーからの投稿を交えながら、思わず人に喋りたくなるささくれの雑学について話します。

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爪の横のアレ

話のきっかけは、加藤の身に起こったとある出来事。

加藤「乾燥しているからか、さっき紙で指を切っちゃって」

この時期特有の、空気の乾燥のせいだと思い、慌ててハンドクリームを塗ったという加藤。

石塚「乾燥していると、爪の横がめくれてくるんですよね。『ささくれ』とか『さかむけ』とか言いますけど、地方や世代によって言い方が違って、正式名称がよくわからないんだよね」

加藤「私は『ささくれ』って言いますね」

石塚「『さかむけ』とか『ささむけ』とかいろいろ言うんだよね。『爪の横の…』って言ったら通じるんだけど」

 

何が正しい?

爪の周りの皮が荒れて捲れる現象について、地域によって呼び方に差があるようです。

東日本では「ささくれ」、西日本では「さかむけ」と呼ぶことが多いとか。
「ささむけ」はそれらが混じっているので、もしかしたらその間の中部地方特有の呼び方なのかもしれません。
さらには「さかもげ」や「ささむくれ」、「そげ」「さか爪」などと呼ぶ地域もあるそうです。

ちなみに辞書で「ささくれ」と引くと、「さかむけ」と同義だとの記述があるため、日本語としては「ささくれ」もしくは「さかむけ」が正しいようです。

ささくれの取り方

石塚「ささくれってなぜなるのかわからないけど、急になるんだよね。なると痛いし。でも取ろうとすると元気なところまで捲れちゃって、余計痛いんだよな」

リスナーからはこんな投稿が寄せられました。

「僕は『さかむけ』と言います。皮を取る時に新しい皮も取れて痛いことが多々あります。歯で噛むか、家だったらハサミで切っています」(Aさん)

石塚「手で引っ張ったりすると剥け過ぎちゃうので、僕も爪切りやハサミで切ります」

加藤「私は爪でビリッ!ってやっちゃいます(笑)」

ささくれの取り方にも意外と性格が表れるようです。

小さい頃に聞いた迷信

そんなささくれは爪の横に出来るものと爪の下に出来るものと2種類ありますが、小さく見えても侮ってはいけません。
指の先には末梢神経が多数通っているため見た目以上に痛みが伴う上に、水やアルコールが沁みて痛さ倍増です。

ところで「ささくれは親不孝の証」という話を耳にしたことはありませんか?古くから伝えられている迷信ですが、そんな「沁みる痛さ」が迷信に通じているという説もあるようです。

「私の周りでは『親不孝をするとさかむけが剥けてきて、沁みることで親に対して反省する』と聞いていました」(Bさん)

ただでさえ痛いささくれが沁みてさらに痛くなり、その痛みが親不幸を改めさせるというのです。

迷信の正体

しかし、一体なぜささくれが親不孝に繋がるのでしょうか?
この答えは意外なところから判明しました。リスナーから寄せられた投稿です。

「私がこどもの頃、『親不孝をするとささくれができる』と聞いたことがあります。日々の不摂生や夜更かしになる体調不良からささくれができることを表現した言葉だと言われているらしいです」(Cさん)

石塚「なるほどね。それを『親不孝』という言葉で象徴したんですね」

ささくれの主な原因は乾燥ですが、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを始めとした栄養不足も大きく関わってきます。必要な栄養素が不足することで皮膚が弱くなり、ささくれができやすくなるのです。

つまり「ささくれができるような生活は親が悲しむから、改めるべきである」という教訓が「ささくれは親不孝の証」として伝わっているのでしょう。迷信の背後には、いつの時代もこどもの身体を心配する親の愛情が隠されていたのでした。
(吉村)
 

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