おばさんがイケメンに寄ってきた?山の中で起きた怪談話

10月13日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では祝日特別企画として、『山怪 山人が語る不思議な話』(山と渓谷社)シリーズの著者で写真家の田中康弘さんが登場。この本では怪談師ではない田中さんが、山にまつわる仕事をしているうちにいろいろと見聞きした話をまとめています。最近は山で起こる不思議な出来事を伝える人が高齢になられたり、亡くなられたりすることで山の怪談、山怪を語ることができる人が減っているそうです。ここでは北野が気に入っている「越後・魚沼のおばさんの逆襲」という話を中心に取り上げます。
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この話はもともと、『山怪 青 山人が語る不思議な話』(山と渓谷社)に収録されていて、山の不思議な話にはよく「なぜ山の中のこんなところにこんな人が?」と思わせるものが結構あるそうです。
田中さんが最も好きなのは、信州で聞いた話だそう。
山菜採りに行った夫婦が農道を走っている時、妻が「お父さん、あれあれ!」と叫ぶので夫が目を向けると、そこには農道の法面(農道の周りに作られた斜面)を赤い三輪車に乗った男の子が走っていたというもの。
ただこの話は短すぎるため書籍に載せにくいものの、でも山怪らしい話と思ったという田中さん。
おばさんの逆襲
「なぜこんなところにこんな人が?」という話は他にもあり、それが「おばさんの逆襲」という話。
これは、とある市会議員がツアーでスキー場へ来た時に遭遇した話です。
バックカントリーをするために来ていたその議員は、人気のない場所でスキーをしていました。
バックカントリーは危険を伴うため、何人か連れて行き、前と真ん中と後ろにスタッフを置いて、それぞれ地点を決めて滑っている状況を確認していたそうです。
そこで滑った人たちを確認し、「これで滑ってきた人は終わりだな」と思っていたところ、上から誰かが滑ってきました。
議員が「人数は合っているはずなのに」と思っていると、目の前を滑ってきたのは、見覚えのないおばさんでした。
イマドキ見ない格好
議員が驚いたのは、その女性の格好。
それは80年代後半に公開された映画『私をスキーに連れてって』のようなスキーウェアだったのです。
さすがにその当時ですら、そんなウェアを着ている人は誰もいないという状況。
しかし、その時に目撃した姿はまさにそ80年代、いやもっと古い時代の格好かもしれなかったそうです。
さらにその女性は滑りがたいして上手くはなく、難易度の高い場所では不似合いでした。
「おばさんが」という謎の言葉
おばさんと遭遇した後、彼女がいろいろと悪さをしているという噂が広まったそうです。
田中さんが話を聞いたところ、とあるグループが小屋で酒盛りをした際、若い男性がトイレに行くと言って外を出たまま1時間経っても帰ってこなくなりました。
同行者が探しに行ったところ、木の横でうずくまっている男性を発見。ところがその男性は「絶対戻らない!」と言って聞かなかったそう。
酔っ払っているのかと思ったところが、不思議なことにこの男性は「あのおばさんが!」と言い出しました。もちろん周りには誰もいません。
なんとか小屋に連れ戻しても、その男性は「おばさんが!」と叫んで外へ出ようとしたので、リーダー格の人が引っぱたいてなんとか収まりました。
雪崩で大変なことに
後日、このグループが天気の良い日に山行をして斜面で1列に並んで休んでいた時、斜面をゆっくりと小さな雪崩が起こっているのを見かけました。
すると、その雪崩はあの若い男性に向かって進み、木があるところで止まりました。
そこまでスピードのある雪崩ではなく命に別状はなかったものの、男性は大腿骨骨折という大ケガを負ってしまったそうです。
その若い男性はイケメンのため「おばさんが狙っていたのかもしれない」と語る田中さんでした。
おばさんの正体はいったい…
(岡本)
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