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「にやける」の本来の意味は?時代とともに変わる言葉の不思議

「にやける」の本来の意味は?時代とともに変わる言葉の不思議

文化庁が毎年行なっている「国語に関する世論調査」の結果が公表され、話題を呼んでいます。この調査は文化庁が、社会変化に伴う言葉の使われ方の変化などを調べるために、全国の16歳以上を対象に3,498人から回答を得たものです。歴史を紐解いても、言葉は変わりゆくもの。そうはいっても「何その言葉?」というものも多く散見される今日この頃。CBC論説室の石塚元章特別解説委員が加藤愛とともに、変わりゆく日本語について掘り下げています。

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SNSの影響

今回の調査で初めてSNSの影響について尋ねたところ、およそ9割の人が「SNSの普及が言葉の使い方に影響している」と回答したとのこと。

「SNSが文字や語句にどのような影響を与えると思うか」という問いに関しては「略語が増える」が80.1%、「言葉の新しい使い方が増える」という回答が76.9%、次いで「仲間内だけで通じる言葉が増える」という回答も多かったようです。

リスナーからはこんな意見が届きました。

「SNSの普及によって略語や新語、短い言葉でのやり取りが増えると予想されていますが、『了解』を『り』、『とりあえず』を『とりま』?全くついていけません。誤解を生みやすい言葉は使わない方がいいと思います」(Aさん)

60代のAさんは、若者を中心に多用されている略語について懸念を抱いているようです。

使う?使わない?

石塚「愛ちゃんは使いますか?」

加藤「いま聞いていて、使ったこともあるし、使われたこともあるなと」

今年30歳の加藤は、職場や不特定多数に向けて発信するときは正しい日本語を使うよう心掛けているようですが、家族など気心の知れた間柄同士でのやり取りでは略語を使うこともあるそう。

加藤「はじめは『り』ってなんだよと思いましたが、それが『了解』という意味だと理解したら、便利だなと思っちゃいましたね。それで通じるから」

石塚「お互いに了解事項だってことだね」

若者言葉や新語に関しては「使われてどう思うか」という観点もよく話題に上りますが、TPOをわきまえた上でお互いに心地よく使ってコミュニケーションができるのであれば、有用なツールなのではないでしょうか。

本当の意味は

石塚「他にも、昔から使われている言葉だけど、意味を勘違いして使っている言葉で『にやける』というものがありました」

本来は「なよなよしている」という意味が正しいのですが、「薄ら笑いを浮かべている」という意味で使っている人が82%にものぼりました。

加藤「なんとなく、ニヤッとするっていうイメージがありますよね」

そもそも、「なよなよしている」とは具体的にどんな意味なのでしょうか?
石塚が辞書を引いたところ、「しなやかなさま、たおやかなさま」と記載があったのだとか。

石塚「わかりやすく言うと弱弱しい、というニュアンスでしょうか。ただ言葉って変わっていくのでね」

加藤「大半がそう思っているということは、今後数年で変わっていく可能性もありますよね」

言葉は社会変化に伴い、使われ方も変わっていくもの。辞書にも本来の意味に加えて新しい意味が増えることもしばしばあります。

新しい言葉、どう思う?

また、SNSを中心に使われるようになった新しい言葉についても興味深い結果が出ました。

石塚「『ポチる』や『エモい』を使いますか?という問いに対して『使うことがない』という人はそれぞれ66%と80%でした」

同時に「使われると気になる」という人も3割から4割に上りました。

石塚「使いますか?」

加藤「意味はわかりますが、使う機会はないですね」

一方で「写真を写す時に綺麗でおしゃれに見える」という意味での「映える」や、「インターネットの有料サービスを利用する」という意味での「課金する」に関しては、それぞれ半数近くが使うことがあると回答しており、こちらはだんだん世間に浸透してきている様子がうかがえました。

厳密な正解があるように思えて、時代と共にゆるやかに変わっていくのが言葉の面白いところです。
(吉村)
 

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