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新米の価格はどうなる?備蓄米の販売期間が延長へ

新米の価格はどうなる?備蓄米の販売期間が延長へ

農林水産省の発表によれば、8月末に販売期限が迫っていた随意契約による備蓄米について、9月以降も小売業者による販売が認められることになりました。また20日時点で10万トンが出荷できていなかったことが明らかになりました。どうして備蓄米の出荷は遅れているのでしょうか?30日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが備蓄米の流通問題について解説します。

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9月以降も備蓄米の販売が継続

大石「備蓄米が世の中に届くには時間がかかることが明らかになった、と農水大臣が言ったわけですね」

そもそも、随意契約米の受付が始まったのが、5月26日。
小泉進次郎農水大臣は就任早々、「随意契約米をとにかく早く届けるんだ」と号令を出していました。
まもなく6月上旬には随意契約米が店頭に並びます。

ただ、その様子を見ながら「本当に順調にお米が届いていくのかな?と疑念を抱いていた」と大石。
「打ち上げ花火のパフォーマンス」との厳しい見方をしていました。

というのも、大石が取材していた現場の方々は「随意契約米を早く出すのは無理」と確信していたからです。
案の定、契約済みの10万トンの引き渡しが済んでいないことが今回発覚しました。

出荷が遅れた原因は?

どうしてこんなに引き渡しが遅れているのでしょうか?

時間がかかっている理由のひとつは、検品・検査。
古米・古古米・古古古米などの随意契約米は「カビが生えていないか」といったメッシュチェックが必須です。
「この検査ができる業者は限られている」と大石。民間業者は行うことができず、国が指定した業者しかできません。

ふたつめの理由は、配送トラックの手配です。

大石「考えてみてください。いま世の中は働き方改革です」

すでに決まっている配送予定に、随意契約米の配送をねじ込むことは難しい、と指摘する大石。深刻なドライバー不足によって引き渡しが遅れていたのです。

それにより、待てど暮らせど、備蓄米は届かない状況に。
ある卸売業者のところでは、契約は6月末にもかかわらず、入荷したのは8月25日だったそうです。

大石「スピードがウリだったはずなのに、スピード感がまったくなかった」

販売期限が延長されると、今後どうなるのでしょうか?業者には「期限を延長してくれてよかった」との声もありますが…

大石「9月いっぱいでしょ?そうすると、1ヶ月ちょっとで売り切らなければならない。これ、なかなか難しいですよ」

店頭はカオス状態?

随意契約米について「競争力が弱い」と語る大石。

大石「大変なんですよ、9月になるとお米屋さんは。なぜなら新米が入ってくるから」

店頭に置かれているのは、令和7年産の新米、令和6年産の古米のほか、備蓄米、随意契約米、競争入札米、さらに外国産米です。

大石「お米のカオス状態になっている」

さらに9月になると、関税のない、政府の契約している義務的なお米であるSBS(売買同時契約による輸入米)も入ってくるそうです。

大石「お米、いっぱいあるんですよ。卸売業者や小売業者は頭を抱えている」

消費者にとっては選択肢が多いといえますが、事業者にとっては頭が痛い状況です。
また、上がっているのが新米の価格。指標となるJA概算金が上がっているからだそうです。

そして何より「今年のお米は出来が良いのか?」という根本的な課題が気がかりになる大石でした。
(nachtm)
 

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