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甲子園をかけた試合で浴びた罵声。川上憲伸が明かす高校時代のトラウマ

甲子園をかけた試合で浴びた罵声。川上憲伸が明かす高校時代のトラウマ

CBCラジオ『ドラ魂キング』「川上憲伸、挑戦のキセキ」は、野球解説者の川上憲伸さんが、自身のプロ野球人生を「挑戦」という視点から振り返るコーナーです。12月17日の放送では、谷繁元信さんに頭部死球を与えてしまったエピソードから、話は高校時代にまで遡りました。選抜高校野球出場をかけた大事な試合でのトラウマとは。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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選抜をかけた四国大会で

もし谷繁さんから温かい対応がなかったら、ルーキー川上投手に影響はあったのか。そう問いかけると、話は意外にも四国の高校球児時代にまで遡りました。

県大会で準優勝し、四国大会で上位に入れば選抜高校野球への道が開けるという大事な試合でした。

1回戦の相手は高松商業。初回、相手の4番バッターの頭にデッドボールを与えてしまいます。高校2年生の夏の終わり頃にショートとの兼任からピッチャーを始めた川上さん、球は速かったものの、まだコントロールが荒れ気味でした。

敵地で浴びた「人殺し」のコール

四国大会の会場は香川県。高松商業の応援団が大勢いる完全アウェーの状況でした。

スタンドから「お前、当てやがって!」といった罵声や、「人殺し」というコールまでありました。

さらに、マウンドを降りる時、すれ違ったセンターの選手から「当てやがって」とぼそっと言われたことも、今でも忘れられないと言います。

川上「それから7失点ぐらいして、もうストライクが入らなくなって。気になりすぎて動揺して」

谷繁への死球でフラッシュバック

そして、谷繁さんに頭部死球を与えた瞬間、この時の記憶が蘇ったと川上さんは明かします。

川上「すごく違和感っていうか。ただ当てただけじゃなくて、高校の時のことまでフラッシュバックして」

高校時代に崩れたのは、あのコールや罵声がきっかけでした。だから、谷繁さんから「インコースもっと投げないかんし」と言われたことがとてもうれしかったといいます。もし谷繁さんから同じような反応が返ってきていたら、どうなっていたか。

川上「『インコースもう二度と投げられんだろ、こんなことしたら。どうすんだよ』って言われたら、多分高校の時のような感じになるから、僕の野球人生もズタズタになっていくというか精神的にね」

冗談を言い合える仲に

川上さんは谷繁さんと、今でもたまにこの話をするそうです。

「僕あんなに当てた選手に謝ったこと初めてです」と話すと、谷繁さんから意外な返しがあったといいます。

谷繁「お前でも、次の日球場で会った時に『あれって、本当は避けられました?』って言ったの覚えてるか?」

川上「えー!そんなん言ってないですよ」

谷繁「言ったね、お前。俺が全然インコース気にするなよって言った瞬間に」

そんなジョークをポンポン言い合えるほどの関係性が、その後築かれていったということです。
(minto)
 

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