FLYING KIDS 浜崎貴司が語る。35年かけて辿り着いた場所とは?

今年メジャーデビュー35周年のファンクバンド、FLYING KIDSのボーカル・浜崎貴司さんが、7月6日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演。6月11日にリリースされたばかりのアルバム『希望のシッポ』のレコーディング秘話も語られました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く昔からファンクはあった
小堀「今年メジャーデビュー35周年。えらいもんですねえ」
浜崎「何となく、よく頑張って来たな感は35年ぐらい経つとありますね」
FLYING KIDSのデビューのきっかけになったのはテレビ番組『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系)。
様々なアマチュアバンドが出てきましたが、FLYING KIDSが演奏していたのは、当時としては珍しいファンクでした。
小堀「ファンクにそんなに馴染みがなかった時代からやってますよね」
浜崎「実は気がついてないだけで、昔からたくさんあったんですよ」
1973年にリリースされた井上陽水さんの「氷の世界」を例に挙げる浜崎さん。
FLYING KIDSのファンク
FLYING KIDSのファンクはもう少しジャズ寄りです。例えばマイルス・デイヴィスのエレクトリックバンドがやってる分数コードを交えた上で日本語の歌を作ろうとしたそうです。
ファンクは「パーティー盛り上がろうぜ的」な解釈が多かったそうですが、FLYING KIDSは独特。
浜崎「陽水さん的な、忌野清志郎さん的な内面を歌う言葉でファンクをやるというのが、僕たちのコンセプトだった気がしますね」
小堀「そうやってアルバム『希望のシッポ』を聞かせていただくと、歌に込められたメッセージ性にすごく納得がいきました」
美声と共演
先月発売されたFLYING KIDSのニューアルバム『希望のシッポ』の中から何曲か聞いていきました。
タイトル曲「希望のシッポ feat.スガ シカオ」。スガ シカオさんをフューチャーした曲。
小堀「これまたよくて、スガさんの声の圧と浜崎さんの圧がとても良く混ざってましたね」
浜崎「彼の声って本当に気持ちいいんですよね。これは金になるわ~ってぐらい美声ですよ」
浜崎さんはGACHIという弾き語りのコンサートでスガさんとよく共演するそうですが、モニターから帰ってくる隣で歌っているスガさんの声を聞くだけでうっとりしてしまうんだとか。
レコーディング大作戦
そんなスガさんとのレコーディング秘話。スガさんの声が入るだけで面白い曲になるだろうと、浜崎さんは安易に考えていたそうです。
しかしスガさんは、濃いタイプの浜崎さんの声とスガさん自身の薄いタイプの声をどう録るかを気にしていたそうです。
浜崎「いろいろ作戦を練らないといけないなあみたいなことは事前に言ってたんですね」
小堀「スガさんのキャラクターだと、ニコニコしながら、いいんじゃない?とか言いそうですが、音楽になるとこだわりますね」
スガさんがこだわったのはマイクでした。
やっぱりスガシカオ
普段はノイマンという高級マイクを使うところを、ライブで使われることが多いシュアーのSM58 、通称「ゴッパー」といわれるマイクを使ったそうです。
ゴッパーには癖があり、レコーディングでは良い音で録れない可能性があるとか。そのため5本ほどマイクを用意して、その中で一番良い物を使うことにしたそうです。
すると一番良い音で録れたのが、スガさんの選んだゴッパー。
浜崎「彼は浜崎に対抗するためにライブで使ってるゴッパーでパンチを加えたいっていう思いだったんですね。それが見事にハマったんでびっくりしました」
小堀「やっぱり手練れは違いますねえ」
SFなPV
「BUZZER BEATER feat.トータス松本」はトータスさんの出演したサイバーパンク風のPVもあります。
浜崎さんは、クインシー・ジョーンズが手掛けた70年代の刑事ドラマ『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲をイメージでして曲を作ったそうです。
そこで、昭和の刑事ドラマみたいなものを提案すると、監督が乗り気になり、殺陣師も入れたアクションありの未来的なビデオになったとか。
浜崎「松本さんは朝ドラにも出てますからね。素晴らしかった。僕は適当な感じでしたけど(笑)」
ライブで感動
『希望のシッポ』最後の曲は「ハナフブキ~宴もたけなわ~ feat.PES」。
PESさんはヒップホップグループ・RIP SLYMEのMCのひとり。
小堀「ライブの終盤にこれがかかると、みなさんがもっとやってくれよ的なことで盛り上がりそうな曲ですね」
FLYING KIDS・メジャーデビュー35周年ツアーの名古屋公演では、この曲が始まると観客が一斉にピンク色のサイリウムを振りだしたそうです。
浜崎「会場中が花吹雪になった。あれは感動しましたね」
「ハナフブキ~宴もたけなわ~ feat.PES」はゆったりとした大人のビートが心地いい曲。
浜崎「遅いテンポでグルーブしていくところにFLYING KIDSが辿り着けた。そこは35周年のいいとこです」
小堀「日本のファンクの大御所と言わせていただきましょう」
浜崎「ありがとうございます。大御所になっちゃいました。まだ中御所です」
(尾関)
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