「MIKAWA de かき氷総選挙」蒲郡と西尾の冷たくて熱い対決

7月9日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、アシスタントの松岡亜矢子が、愛知県蒲郡市と西尾市で開催中の「MIKAWA de かき氷総選挙」を取り上げました。かき氷の名所として知られる西尾市に、蒲郡市が挑戦状を叩きつけた形となったこのイベント。観光活性化をかけた両市の熱い思いを、それぞれの観光協会担当者に伺いました。
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7月1日から9月30日まで開催されている「MIKAWA de かき氷総選挙」は、蒲郡市と西尾市内の計55店舗が参加する大規模なかき氷イベントです。
全国的に「西尾のかき氷」といえば、ゴーラー(かき氷愛好家)が集まることで知られています。一方で、蒲郡市も昨年からかき氷イベントを開催しており、今回は両市が手を組んでの総選挙となりました。
投票は9月30日まで。55店舗を食べ比べて決めるも良し、最初から推しの1店舗に絞るも良し、楽しみ方は自由です。
運営側はインスタグラムで途中経過を発表するなど、参加者が楽しみながら推し活できる仕組みを整えています。
「読めない地名」からの挑戦
今回の総選挙を提案したのは、実は蒲郡市側でした。蒲郡市観光協会の高井知明さんによると、蒲郡市では昨年から地名の「郡」を「氷」に書き換えた「がま氷博覧会」というイベントを展開しています。
高井さんは蒲郡市の課題についてこう語ります。
高井さん「蒲郡はテレビなどで読み方クイズの題材になることも多く、県内では認知度がある程度ありますが、名古屋より西の地域では読めない方も多いんです」
そこで、ダジャレを交えながらも、かき氷を通じて蒲郡の知名度を上げようという戦略を立てました。
高井さん「西尾かき氷は正統派として長年の実績があります。その先輩に挑戦することで、勝敗は別として、蒲郡も認知してもらえたらと考えました」
名前を覚えてもらうためのツールとして、かき氷を使ったということです。
蒲郡市では、一般的なかき氷のスタイルだけでは参加店舗数が限られるため、「氷博覧会」という幅広いくくりにして、アイスキャンディーやパフェ状のものまで20種類をエントリー。チャレンジャーとして、工夫を凝らした品揃えで勝負に挑んでいます。
「西尾かき氷」の歩みと課題
西尾市のかき氷イベントは2018年に「西尾のかき氷」として始まりました。当初は「地元食材を使うこと」「独創的な提供法」「写真映えする見た目」という3つのルールを設けていました。
現在は「西尾かき氷」としてリニューアルし、3つのうち1つでもクリアすればOKと、参加のハードルを下げて間口を広げました。その結果、現在は35店舗が参加する一大イベントに成長しています。
盤石に見えるイベントですが、西尾市観光協会の山本博樹さんによると新たな課題が浮上していたそうです。
山本さん「8年目ということで、お店の方は頑張っていますが、来場者が固定化してきています。リピーターが多くなったので、東三河や浜松、豊川など、より広い地域から来ていただきたいということもあって、『一緒にやろう!』と始めました」
抹茶だけじゃない西尾の魅力
西尾市のかき氷は抹茶だけではありません。いちご、饗庭(あいば)塩、ブルーベリー、夏みかん、ほうじ茶といった多彩な地産品を活用し、バリエーション豊かなメニューを展開しています。
山本さんは「何度も来てくれるとうれしいです」と期待を込めます。
長年続けてきたイベントだからこそ、新規開拓という新たな流れが必要でした。そこに勢いのある蒲郡市から対決の提案があり、両市にとってメリットのあるコラボレーションが実現。
正統派VSチャレンジャーという、ユニークな構図が生まれました。
推しのかき氷に投票しよう
かき氷の種類は各観光協会のホームページに一覧が掲載されています。
投票方法は、各店舗に貼られているQRコードを読み取り、投票フォームにアクセス。推しのかき氷を選択した後、「おいしさ」と「映え度」をそれぞれ5点満点で評価する仕組みです。
最終的には、蒲郡市・西尾市それぞれのエリアで一番選ばれたお店のほか、「おいしさ」が高かったお店、「映え度」が高かったお店という3つのジャンルに分けて発表されるとのこと。
投票者にはプレゼント企画も。かき氷を楽しむだけでなく、推し活や両市の対決を楽しめる参加型イベントです。食べて、投票して、楽しむ。蒲郡と西尾の夏を彩る総選挙が開催中です。
(minto)
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