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「全力の全力でダルビッシュに挑む」川上憲伸が語る2006年日本シリーズ初戦

「全力の全力でダルビッシュに挑む」川上憲伸が語る2006年日本シリーズ初戦

CBCラジオ『ドラ魂キング』「川上憲伸、挑戦のキセキ」のコーナーでは川上憲伸さんのプロ野球人生を「挑戦」という切り口で掘り下げています。5月28日の放送で川上さんが振り返ったのは、北海道日本ハムファイターズとの2006年日本シリーズ第1戦。新庄剛志選手がラストイヤーで迎えた日本シリーズ初戦で、川上さんはエースとして、相手エース・ダルビッシュ有投手と投げ合いました。

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ナゴヤドーム初の日本S勝利投手

この試合で川上さんは、ナゴヤドームで行なわれた日本シリーズにおいて、中日ドラゴンズの先発投手として初の勝利投手となりました。

「素晴らしい発進になりました」と宮部和裕アナウンサーが振り返ると、川上さんは「そうですね。もう無我夢中ですよね」と当時を思い返します。

短期決戦の初戦は、ダルビッシュ有投手とのエース対決となりました。

川上「もう1点取られたらちょっと厳しいだろうっていうぐらいの相手投手ですから。もう“全力の全力”でずっと行ってたなっていう」

通常、先発投手はどこかでリラックスしていかなければならない部分もあるそうですが、この試合は違ったそうです。

川上「もうとにかく行けるとこまで行って。ダメだったら、もうバテてきたら後に任せるぐらいで、全力で行ってた記憶がありますね、この試合は」

エース対決の意味

短期決戦の初戦でエース対決に勝つことの意味について、川上さんはさらに続けます。

川上「圧倒的にダルビッシュは良かったですから。でも、もしダルビッシュにまともに行って勝てたら、チームとして1勝どころか2勝、3勝ぐらいの勢いがつく。いい意味で、自分に発破をかけていたというところがあると思います」

ダルビッシュ投手相手に、あえて正面から挑むことに意味があったのです。

普段は言葉数の少ない落合博満監督も、この勝利後に「あと6試合で3つ取ればいい」と珍しく発言しました。

川上「一個人としてはそこまでは考えられないんですが。でも、そういう風に思えるような試合展開が作れたっていうのは、自分のやってることが価値があったんだなっていう感じがしますよね」

さらに落合監督は「うちのエースですから」「途中から丁寧に投げられるようになり」「川上から直接、岩瀬(仁紀)。うちの一番いい形で勝てた」とコメントしています。

「普段通りの野球」ができた意味

川上「日本シリーズやクライマックスシリーズでいうのであれば、同じ一勝をするにしても、劇的な逆転勝利もそれはそれでいいんですけど」

しかし、リリーフ陣を使い込んで辛うじて勝つよりも、余裕を残しての勝利の方が次の試合への影響が違うといいます。

川上「2試合目、3試合目はチーム自身のパワーも残ってます。僕から直接岩瀬さんに行けたというのは、普段通りの野球が日本シリーズという舞台でもできたということ」

これは、川上さん自身にとってもチーム全体にとっても大きな意味があったようです。

全力と冷静さのバランス

コーナーの締めくくりに、宮部が安藤渚七に今回のインパクトフレーズを尋ねました。

安藤「ここでしょう!『全力の全力』。憲伸さんでさえも、あのエース・ダルビッシュ投手が相手だと、ひとつも気が抜けなかったんだなっていう」

宮部「憲伸さんは『全力だ、気合いだ、ガチンコだ』という風にももちろん見えますが。実は芯のところではいい意味でしたたかというか、冷静というか。緻密な算段のもとに『ガッツポーズのふり』をしている部分と、にじみ出る部分と両方なんだよね。そのバランスがさすがやなと思って」

安藤「どんな相手だろうと冷静な部分はしっかり忘れず、でも全力で向かって行く」

宮部「これをしっかり考えた上で、大役を任された日本シリーズでした」

新庄剛志選手のラストイヤー2006年の日本シリーズは、日本ハムが制覇しました。

次回は2007年、再び日本ハムとの日本シリーズについて川上さんに伺います。
(minto)
 

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