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江戸時代の塩田文化を今に伝える!西尾市「吉良饗庭塩の里」で伝統の塩作り体験

江戸時代の塩田文化を今に伝える!西尾市「吉良饗庭塩の里」で伝統の塩作り体験

CBCラジオ『北野誠のズバリ』の「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナー。5月14日の放送では、江戸時代から栄えた塩づくり文化を今に伝える、愛知県西尾市の塩田体験館「吉良饗庭(あいば)塩の里」を松岡が紹介しました。この施設では昔ながらの塩田での作業や、興味深い塩の豆知識を学ぶこともできます。かつて愛知県の醸造業を支えた良質な「饗庭塩」の歴史と技術に触れられる貴重なスポットです。

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江戸時代から続いた饗庭塩の歴史

饗庭エリアは、江戸時代から三河湾の塩づくりの中心地でした。にがりが少なく良質な塩が取れるということで、「饗庭塩」と名前がつくほどおいしい塩が作られていたのです。

この良質な塩は岡崎の味噌作りや知多のたまり製造に使われ、愛知の醸造業の発展に非常に大きな貢献をしたといわれています。

昭和28年の台風によって塩田が壊滅的な被害を受けてからは、個人での塩田による塩づくりはやめ、製塩工場での生産に移行。昭和46年には国の政策で工場自体も閉鎖することになりました。

塩づくりを見てきた人が少なくなってきたことから、「吉良饗庭塩の里」では歴史と文化を後世に伝えるため、さまざまな体験プログラムを提供しています。

「塩爺」に教わる塩づくり

松岡は、地域のこどもたちから「塩爺」の愛称で親しまれている加藤さんから話を伺いました。

この施設の一番の目玉は、昔ながらの塩づくり体験ができること。田んぼの半分ほどの砂地に海水をかけ、太陽の力で乾かして結晶を取り出し、それを海水で煮詰めるという伝統的な塩づくりの全工程を半日かけて体験できます。

この体験は月に数回の開催で、いつもあっという間に予約が埋まってしまうそうです。

松岡は今回、塩分の濃い海水を土鍋で煮詰めて塩を取る「塩焼き体験」のみを行ないました。これは塩田体験の最終工程です。

10分程度の煮詰め時間中、塩爺こと加藤さんが興味深い塩の豆知識を次々と教えてくれたそうです。

知って得する!塩の豆知識

松岡が驚いたのは「塩は焦げない」ということ。強火で沸騰させる工程で、塩は無機質のため焦げないので混ぜる必要がないそうです。

「吉良」と「塩」から「忠臣蔵」を連想する人もいるでしょう。加藤さんによると、吉良と赤穂はともに塩の産地でしたが、赤穂の方が規模が大きく、互いの販売エリアは重なっていなかったそうです。

また、吉良の塩田は忠臣蔵の事件より7年も前に既になかった可能性を示す資料もあるとのこと。「赤穂が技術を隠していたため吉良が怒った」という説もありますが、実際には赤穂は塩づくりの技術を全国に広めていたため、この説はおそらく誤りだそうです。

伝統を未来へつなぐ体験施設

かつては塩は専売制度の対象で、国の許可なく製造すれば「密造」として、無断で販売すれば「密売」として逮捕されるほど厳しく規制されていました。

こうした塩づくりの歴史や文化について知らない人がほとんどとなった今、加藤さんは実際に塩田体験や塩づくりを通じて学んでもらいたいという思いで活動しているそうです。

体験には大人同士の来館が多く、さらに塩作りに夢中になって何度も訪れるこどもたちや、自ら作った塩で料理をしたいという料理人の姿も見られるそうです。

「吉良饗庭塩の里」は月曜休館で、開館時間は9時から17時までで入場無料。本格的な塩田体験は9時半から14時半までで、事前予約制。参加費は大人500円、こども300円です。

松岡が体験した「塩焼き体験」は予約不要で営業時間内ならいつでも体験可能。所要時間約10分、料金は1人200円です。

どの体験もワンコイン以内で気軽に楽しめ、塩づくりの歴史や文化を学びながら、自分で作った塩を記念のお土産として持ち帰ることができます。

江戸時代から続く伝統の味と技術に触れられる「吉良饗庭塩の里」は、こどもから大人まで幅広い世代が楽しめる西尾市の魅力スポットです。
(minto)
 

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