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「箕面温泉スパーガーデン」に残るケーブルカーの“幻の遺構”とは?静岡の廃隧道の痕跡も 後日調査で新情報が判明!

「箕面温泉スパーガーデン」に残るケーブルカーの“幻の遺構”とは?静岡の廃隧道の痕跡も 後日調査で新情報が判明!
CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、道マニアが番組ロケ中に追求できなかった道を単独で再調査し、判明した新情報を教えてくれました。一体どんな発見があったのか…?

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人気レジャー施設「箕面温泉スパーガーデン」に残る“幻の遺構”

CBCテレビ『道との遭遇』

まずは、道マニア歴27年の鹿取茂雄さんからの新情報。

2024年8月に番組でロケを敢行した、大阪府にある人気レジャー施設「箕面(みのお)温泉スパーガーデン」について…

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「丸一日かけても回り切れないほど広かったので、個人的にもう一度調査に行ってきた」

広大な敷地に温泉やプール、ホテルも併設される場所ですが、かつては他にも遊園地やスケート場などもあった巨大総合レジャー施設でした。

敷地面積は5万坪、甲子園球場4.2個分の広さを誇り、繁盛しましたが、現在は営業範囲を縮小。そのため、使われていない敷地があり、そこには道マニア界で噂の魅力的な廃道があるとのことで、ロケでは探索しながら様々な道を巡りました。

CBCテレビ『道との遭遇』

立ち入り禁止エリアには、プールへ行くために造られた専用の橋や、たった100mしかない日本一短い鉄道と当時話題だったケーブルカーの痕跡が残っており、「今でも忘れられないくらい思い出に残る場所」と鹿取さん。

しかし、あまりの広さに探索しきれなかった場所があったため、後日特別に許可を得て独自で再調査。「山2つ分を一日かけて自由に見させてもらった」そうで、ロケでは見つけられなかった道をたくさん発見したとのこと。

CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「かつてのスケート場に繋がる廃歩道など、今は使われていなくても保存状態がいい道もあった。中でも、個人的に大発見だったのは“ケーブルカーの跡”」

エレベーターができたことで廃止になった、山の上と山の下を結ぶケーブルカー。ロケでは下から眺めただけでしたが、今回は全線を探すために上を歩いたそう。

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(道マニア・鹿取茂雄さん)
「山上駅があった所に、今は高原プールができている。ホームは取り壊されて現存しないとネット上では言われていたが、ホームの遺構がプールの下にあった。ホームを一部壊して支柱を立てて、それ以外の場所は残した状態で真上にプールができていたのでびっくりした」

ケーブルカーの駅特有の階段が、ホームの痕跡として残されていたとのことで、これには鹿取さんも驚いたとのこと。さらに、他にも新たな発見があったそうで…

CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「ロケの時に気になっていた建物が、明治時代に造られた政財界の有力者の社交場『松風閣(しょうふうかく)』だということも分かった。2019年まで食堂の一部として使われていたそう」

さらに、「松風閣がレジャー施設内に存在する理由は、もともとここに動物園があったことから始まっている」と鹿取さんは続けます。

CBCテレビ『道との遭遇』

スパーガーデンができる前は、当時日本で3番目に造られた「箕面動物園」がありました。「阪急電鉄」の前身、「箕面有馬電気軌道」によって明治43年開業。池田市の石橋から箕面市を繋ぐ路線の開通に合わせて、沿線に動物園が造られましたが、この手法が当時、画期的だったと言います。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「通常は人口密集地に鉄道を敷くところ、人がいない田園地帯に鉄道を敷き、沿線に住宅や観光施設を造って一体的に収益を上げるという手法を最初に始めたのが箕面動物園」

しかし、経営はうまくいかなかったようで…

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「日本で生息しない動物を管理したり、猛獣を飼育したりするのが非常に大変で、コストがかかってしまった。あと、箕面は昔から紅葉が有名な景勝地。そこに、動物園を造ることに周囲の反発もあった。最終的には、わずか5年で閉園。当時主導していた阪急東宝グループの創業者・小林一三(こばやしいちぞう)氏ものちに箕面動物園のことを振り返って『あれは失敗だった』と語ったと言われている」

小林一三は政財界とのパイプを築くのに積極的だったため、動物園の敷地内に松風閣を造り、その拠点にしていたそう。

CBCテレビ『道との遭遇』

そして、動物園閉業から35年後の昭和26年。跡地には大阪観光株式会社によって温泉施設が造られ、その14年後に「箕面温泉スパーガーデン」が誕生しました。

地形図に載る“名もなき道”を再探索

CBCテレビ『道との遭遇』

続いては、道マニア歴20年の石井あつこさんからの新情報。

再調査したのは、静岡県掛川市にある廃道。番組では2025年3月、現在の地形図には載っていない昭和31年の地形図に載る道が現存しているのか調査に行きました。

しかし、一帯を入念に探索するも痕跡すら見つからず。地元の方いわく、隧道は65年前には崩れていたそうですが、隧道と道の痕跡が全く見つかりませんでした。そこで、ロケ終了後に再度地形図を見直したところ…

(道マニア・石井あつこさん)
「昭和14年、昭和31年、最新の地形図を見比べて、昭和14年の道を歩きたいと思い、ロケの翌日に一人再探索に行ってきた」

CBCテレビ『道との遭遇』

昭和14年と31年の地形図を見比べ、隧道の位置は同じでも、そこへ繋がる道の線形が違うことを発見した石井さん。今度は、昭和14年の地形図をもとに再調査したとのこと。

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(道マニア・石井あつこさん)
「県道251号のバイパスの橋の袂から探索を開始することにした。階段がついていたので下りてみると小さな沢があり、沢の上流に進んでいったら、推測通り路盤を見つけた」

道の痕跡を示す、当時の路盤を発見した石井さん。昭和14年の地形図に載っていた道だと確信を抱きながら進むと…

(道マニア・石井あつこさん)
「つづら折りを登ったところに、お椀型に窪むような形があって、ここに隧道があったと分かった」

CBCテレビ『道との遭遇』

目的の道を見つけ、さらに地形の特徴から隧道があったとされる場所も特定。

(道マニア・石井あつこさん)
「昭和31年の地形図に描かれていた道の一部は、そもそも存在していなかった。地形図のミステイクだったというのが結論」

昭和31年にはすでに隧道は崩落し、その頃には新しい道と隧道が造られていたと、住民の方から確認していた石井さん。

CBCテレビ『道との遭遇』

しかし、何かの手違いで本来は新しい隧道へ繋げるべき道が、崩落した隧道に接続するように描かれてしまったため、現場に道は存在しなかったと考察します。

人工の水路「山谷堀」に眠る橋跡の正体とは?

CBCテレビ『道との遭遇』

最後は、川が流れていた場所の上にできた“暗渠道(あんきょみち)”をこよなく愛する道マニア歴15年の髙山英男さんからの新情報。

2024年11月、吉原遊廓にまつわる暗渠道のロケをした際、地元の方が持って来てくれた昔の写真を見て、さらに深掘りしたくなり再調査したとのこと。

CBCテレビ『道との遭遇』

その昔、吉原への水上路として使われた人工の水路「山谷堀(さんやぼり)」。現在、川は埋められ公園になっていますが、かつては9つの橋が架けられており、そのうちの8つは痕跡が綺麗に残されています。

しかし、一番北側にある橋だけ雑な状態で残り、橋の銘板もありません。公園の看板から、「日本堤橋(にほんづつみばし)」という名ではないかと髙山さんは考察しますが、明確に場所が記されていないため、はっきりさせたいとのこと。

CBCテレビ『道との遭遇』

古くから営んでいるお店の方に取材したところ、「山谷堀」の他に「音無川(おとなしがわ)」という川があったことが判明。2本の堤があったことから「二本堤(にほんづつみ)」と地名がつき、現在は表記が「二本」から「日本」に変わり、「日本堤」という名で残っているそう。

CBCテレビ『道との遭遇』

さらに、髙山さんが「日本堤橋」と考察していた橋も、正真正銘「日本堤橋」であることが分かりました。

暗渠になる前はトタンで蓋がされていたそうで、お店の方によると、「臭くて遊べる場所ではなかったが、それ以前は泳いだりしていたらしい。戦後に下水道の排水路になった」とのことです。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年9月16日(火)午後11時56分放送より

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