廃墟「玄岳ドライブイン」に特別潜入!静岡県の絶景ロード「伊豆スカイライン」の歴史と魅力に迫る

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、バイクで日本を2周したこともある道マニア歴29年の松村真人さんが、観光道路「伊豆スカイライン」の歴史と魅力に迫ります。
絶景が楽しめる観光道路「伊豆スカイライン」

松村さんと一緒に旅をするのは、タレント・モデルとして活動する榎本ゆいなさん。
(道マニア・松村真人さん)
「これから行くのは『伊豆スカイライン』。昭和30年代に道路がどんどん整備されて車が流行りだした頃に、観光道路として整備された。道路の途中にいろんな見所がある」

伊豆半島を南北に走る「伊豆スカイライン」は、熱海峠から天城高原(あまぎこうげん)までをつなぐ40.6kmの観光道路。山の尾根に沿って道が造られているため、カーブが多く曲がりくねっていますが、伊豆半島の景色や富士山を望みながら走行できる絶景ロードとして多くのドライバーやライダーに愛されています。

伊豆スカイラインの工事が着工したのは、昭和35年。標高500mから700mの高所に建設する上、関東ロームというぬかるみやすく崩れやすい土壌だったため、相当な苦労があったそう。

それでも、4年後の昭和39年10月。41.5kmの道路を完成させ、東京オリンピックの開催月に全線開通。(※道路改良により現在は40.6km)連日多くの観光客が訪れ、多い日には1万9000台以上の車が走るほど人気の観光地になりました。伊豆スカイラインの歌まで作られ、観光バスのバスガイドが歌って盛り上げるのが定番だったと言います。
松村さん曰く、伊豆スカイラインは南から北へ走った方が見所を楽しみやすいとのこと。今回は、天城高原ICから伊豆スカイラインに入り北上することに。道沿いに、ぜひ見てほしい場所があるそうで…
(道マニア・松村真人さん)
「その周辺に観光開発されたところがあるので、その名残を見に行きたい」

訪れたのは、伊豆スカイラインでも最も標高が高い玄岳(くろたけ)ICのすぐ近く。2人は、道の脇から荒れた道を下りて行きます。すると、車道の下をくぐるように造られた歩道が出現!その歩道を辿ると、火山の活動で生じた窪地に水がたまり、自然にできたという「氷ヶ池(こおりがいけ)」が姿を現します。
(道マニア・松村真人さん)
「自然を生かしたまま道路沿いに観光できるものを用意した。この歩道は今、ハイキングコースになっている」
氷ヶ池は伊豆スカイラインに囲まれるような位置にあったため、遊歩道を造り観光地にしたとのこと。かつてはゴムボートに乗ることができ、さらには観光用の牧場もあったそうです。
廃墟「玄岳ドライブイン」に特別潜入!

続いては、松村さんがかねてから行きたいと思っていたという、伊豆スカイラインを語る上で欠かせない施設へ。
(道マニア・松村真人さん)
「これから向かうのが、今日一番紹介したかった場所。昭和には当たり前にあったけど、今はどんどん減っている」

伊豆スカイラインから脇の道に入り、辿り着いたのは、奇抜な外観の「玄岳ドライブイン」の廃墟。伊豆スカイラインの開通後、周辺には様々な観光地が造られましたが、松村さん曰く、時代の流れによって衰退した場所も多く存在するとのこと。玄岳ドライブインも、それを象徴するような施設のひとつと言います。
(道マニア・松村真人さん)
「昔は運転していてご飯食べたり景色見たり休憩するところがなかったので、ドライブインがどんどん出来ていった」
玄岳ドライブインは、建物のデザインや充実した設備が話題を呼び、乗用車1000台、大型バス300台を停められる駐車場がいっぱいになることも多かったそう。昭和42年から平成17年まで営業していましたが、現在は姿形を残したままさびれた状態に。

そんな廃墟となった玄岳ドライブインを今回、所有者に特別な許可をいただき特別に入らせてもらいます。スロープを進んで2階から中に入ると、営業当時は300人を収容できるレストランが。荒れた施設内には、厨房や食器がそのまま残っています。
階段を降りた1階にはカフェの痕跡も。外の展望デッキに出ると、熱海の市街地が望める絶景が広がります。
そして松村さん曰く、玄岳ドライブインにはもう1つの顔があるそうで、それを確かめるべく3階へ向かいます。すると、巨大な滑車を発見!

(道マニア・松村真人さん)
「これは、ロープウェイの滑車。ここはドライブインでもあり、ステーションだった」
かつて玄岳ドライブインは、山の中腹にあった熱海サボテン公園と山頂をつなぐ熱海高原ロープウェイの発着駅でもありました。昭和42年に開業し、121人乗りのゴンドラは当時世界最大と言われました。
車がない人でも訪れやすい観光地を目指しましたが、設備に資金をつぎ込みすぎたことが災いし経営が悪化。3年後の昭和45年に閉業したとのことです。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年4月22日(火)午後11時56分放送より
番組紹介
