廃道化した「半過洞門」&「宮澤隧道」 長野県の千曲川の水害と闘ってきた道の歴史とは

2024年4月16日(火)放送
廃道化した「半過洞門」&「宮澤隧道」 長野県の千曲川の水害と闘ってきた道の歴史とは

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、長野県にある千曲川の水害と闘ってきた“廃道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)※許可を得て撮影しています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。

悲願の末に完成した崖下の「半過洞門」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

長野県を流れる「千曲川」は、新潟県では「信濃川」と呼ばれる、全長367kmの日本一長い川。長野県は地形が複雑急峻(きゅうしゅん)のため、洪水や土砂災害の影響を受けやすく、昔から住民たちは「千曲川」の水害に悩まされていました。

そんな「千曲川」の左岸には、県の天然記念物に指定されている断崖「半過岩鼻(はんがいわばな)」が存在。そのすぐ脇には、かつて使われていた「半過洞門」があります。

千曲川の氾濫に悩まされながらも、住民にとって悲願だった道を険しい「半過岩鼻」の下に開通させました。「半過洞門」の近くには、道の完成を祝う記念の石碑が建てられています。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

「半過洞門」の近くには、さらに古い時代に使われていた廃道が存在。昭和8年まで使われていた、明治42年竣工の「影通(かげどおり)隧道」が山中に眠っています。近くの集落に電気が通る前、村落で唯一電気がつく場所だったこの隧道で、夜な夜な人が集まって話をしたり演奏したりしていたと道マニアは言います。

落盤で分割された「宮澤第3隧道」 千曲川の浸食で廃道化に

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

小諸市(こもろし)を走る県道142号には、昔造られた「宮沢第1隧道」と「宮沢第2隧道」が今も使われており、その先の「宮沢トンネル」の近くには「宮澤第3隧道」が眠っています。

中央部分で2つに分かれ、明かり区間がある奇妙な構造をしており、南北どちら側の坑口も立派な造りで、まったく同じ姿をしています。

近くにある宮沢集落の方によると、「宮澤第3隧道」完成後に落盤が起き、その後補修をして崩落部分に坑口をつけたとのこと。しかし、すぐ側を流れていた千曲川の浸食が進み危険だったため、廃道になったそうです。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

道マニアが調査したところ、「宮澤第3隧道」は明治45年にはすでに存在していたことが判明。しかし、その後崩落してしまいます。「昭和8年12月竣工」と書かれた扁額が残されていることから、昭和8年に復旧工事を行い、その年を竣工年として扁額に記したのではないか、と道マニアは考察します。

「宮澤第3隧道」の近くには、「宮澤第3隧道」よりも前に使われていた隧道も存在。土砂崩れで崩落したため隧道の形跡はありませんが、初代宮澤隧道の跡地は切通しのような姿をしています。

4月16日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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