人力で掘り抜いた四角形のトンネル!?九州の政治経済を支えた道「日田往還」の廃道を巡る旅

2024年2月27日(火)放送
人力で掘り抜いた四角形のトンネル!?九州の政治経済を支えた道「日田往還」の廃道を巡る旅

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴19年の石井あつこさんが、大分県にある“九州の政治経済を支えた「日田往還(ひたおうかん)」の廃道”を巡ります。

合掌式の石造り!?現存する日本唯一の「川原隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんと一緒に旅をするのは、大分県のローカルタレント・カボスひろしさん。2人が最初に訪れたのは、日田市(ひたし)豆田。

(道マニア・石井あつこさん)
「日田市はかつて江戸初期からの幕府の天領地で、九州の政治・経済・文化の中心地として繁栄していた。『日田往還』という重要な道があり、その道筋に残る非常に変わった廃道を紹介したい」

日田市と九州各地を繋ぐ道は「日田往還」と呼ばれ、人や物資の往来が盛んに行われる重要な街道でした。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

2人はまず、日田市と大分市を繋ぐ日田往還に残る廃道へ。国道210号の旧道から廃道に入り、歩くこと30分。現れたのは、文政年間(1818年~1830年)に造られたと言われる「川原(かわばる)隧道」。

(道マニア・石井あつこさん)
「日本で現存する唯一の石合掌構造の隧道」

上部が三角になった合掌式の石造りは非常に珍しいそう。初めは素掘りで造られていましたが、江戸時代後期(1854年)に合掌式の石造り隧道に改修されたそう。

(道マニア・石井あつこさん)
「重機のない時代に石を上手く合わせるという、想像できない技術」

隧道内は大きな石が山型に組まれ、人力のすごさを物語っています。数年前に崩落が起き、今は立ち入り禁止になっていますが、隧道の両サイドに敷かれた石畳も含め、非常に歴史的価値があるということで今も保存されています。

廃道の先にある異形の隧道「キリズシトンネル」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いて訪れたのは、大分県中津市。石井さんとっておきの廃道へ向かいます。

(道マニア・石井あつこさん)
「途切れず続く山域を攻略するためのルートが、かつて計画され実行された」

江戸時代 中津市と宇佐市を行き来するには、境にある峠を越えるしか手段がありませんでした。明治時代に入って隧道が掘られ、新たな道が完成したことで容易に行き来することが可能になりました。しかしその後、さらに幅の広い道が造られたことで、かつての隧道は昭和20年代に廃道になったと言います。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

廃道を歩くこと30分。現れたのは、四角い形状をした明治3年竣工(1870年)の「キリズシトンネル」。今も通り抜けることができます。

(道マニア・石井あつこさん)
「現代では決して造られることがない、異形の形状の隧道」

山を部分的に切り開いて造った道「切り通し」がなまって、「キリズシ」になったのが名前の由来とされています。

(道マニア・石井あつこさん)
「真円が一番安定する形と周知された今、矩形(くけい)断面の隧道というのは決して造られることはない。安定性がないはずの矩形断面なのに、現在も崩落することなく通れるのは奇跡」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

内部はノミで削られた跡が残っており、人力で掘り抜いたことがうかがえます。途中の壁面にある等間隔に掘られた窪みは、明かりを灯すロウソクなどの設置に使われたのではないかとのこと。

また、中間部分がカーブしているのは、両サイドから掘り進めたところ軌道がずれてしまい、修正して接続されたためのようです。

2月27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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