朽ちた廃道に眠る3連続の「洞門」 現存する静岡県の近代土木遺産&旧旧道も

2023年6月6日(火)放送
朽ちた廃道に眠る3連続の「洞門」 現存する静岡県の近代土木遺産&旧旧道も

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴18年の石井あつこさんが、静岡県にある“廃道”を巡ります。

当時は最先端!コンクリートブロック製の廃隧道

新宇佐美トンネル
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんと一緒に旅をするのは、不動産業を営む一般男性。

(道マニア・石井あつこさん)
「これから訪ねる場所は、ビジュアル・歴史性・冒険性がギュッと凝縮された廃道」

伊東市と熱海市をつなぐ国道沿いに、今も残る廃道を目指します。2人がたどり着いたのは、伊豆半島の東沿岸部にある国道135号の「新宇佐美トンネル」。そのすぐ脇にある旧道を進むと、隧道が姿を現しました。

宇佐美隧道
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・石井あつこさん)
「新宇佐美トンネルが造られる前に使われていた宇佐美隧道」

大正14年竣工の宇佐美隧道は70年近く使われ、平成5年に新宇佐美トンネルができたことで廃止。現在は通行できないようになっています。特別な許可を得て、2人は宇佐美隧道の中へ。

(道マニア・石井あつこさん)
「コンクリートでできた隧道は、当時は最新のものだった」

隧道の内部はコンクリートブロックが積まれた造りになっていて、コンクリートに混ぜられた石が随所に見られます。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

当時はこの隧道の開通に歓喜し、多くの関係者が集まった開通式の写真が残っています。

デザインが美しすぎる!「洞門」が眠る廃道

洞門
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

続いて訪れたのは、新宇佐美トンネルのすぐ北側にある「御石ケ沢(おいしがさわ)トンネル」。石井さんがどうしても見せたいというイチオシのスポットを目指します。

(道マニア・石井あつこさん)
「御石ケ沢トンネルが昭和49年に完成したことで、旧道は廃道になっている」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

御石ケ沢トンネルのすぐ脇にある廃道を進むと、落石や雪崩を防ぐための立派な「洞門(どうもん)」が出現!コンクリート製の洞門の片側には明かり取りの窓があり、美しい洋風デザインが特徴。2人が最初に出合ったのは、「片(かた)1号」と呼ばれる洞門。その先には「片2号」と「片3号」も残っています。

曽我浦片隧道
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

さらに少し離れた場所には「曽我浦片隧道(4号・5号)」の2つがあり、いまだ現役で使われているとのこと。「近代土木遺産」にも指定されていて、通ることはもちろん、隣の道から気軽にその姿を楽しむことができます。

旧道と旧旧道!?3世代の道が集結するスポット

網代隧道
画像:CBCテレビ『道との遭遇』

最後に向かうのは、冒険性を味わえるという熱海市の廃道。

(道マニア・石井あつこさん)
「次の目的地は旧道と旧旧道、現役の道も含めて3世代の道が楽しめる」

到着したのは「立岩トンネル」。現役のこのトンネルのすぐ近くには、昭和に使われていた旧道、大正時代に使われていた旧旧道があり、3世代の道が1か所に集結しています。

まずは、昭和に使われていた旧道へ。昭和5年に起きた北伊豆地震で海岸沿いの道が崩落したため、それに代わる道として昭和7年に「網代(あじろ)隧道」が建設されました。しかし、幅が5mほどしかなく大型車同士のすれ違いができないため、新たに立岩トンネルを建設することに。網代隧道は、平成17年に役目を終えて旧道化しました。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

そして、海側にあるのが、大正時代に使われていた旧旧道。南側は、かつて建っていた灯台の管理保守のため踏み跡がありますが、北側は往来がなく荒れた道になっています。

地震によって甚大な被害を受けながらも、再び立ち上がって進化し続ける道。当時の技術や人々の強い想いをかみしめたところで、廃道巡りの旅は終了です。

6月6日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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