歯茎や骨が溶ける「歯周病」...“4つのステージ”とは?糖尿病・認知症にも関連!?「歯周病」を徹底調査!

2023年11月5日(日)放送 【第579回】
歯茎や骨が溶ける「歯周病」...“4つのステージ”とは?糖尿病・認知症にも関連!?「歯周病」を徹底調査!

サマリーSummary

ゲスト:榊原郁恵
ドクター:大和駅前歯科 口腔外科専門医 歯学博士 中川洋一
40歳以上の約70%が患っているといわれる「歯周病」。その症状は、口臭や口のネバネバだけにとどまらず、大切な歯が抜け落ちてしまう事もあるそうです。さらに、近年さまざまな研究によって歯周病と全身の病の関係が分かってきたのだとか。そこで今回は全身の病につながる歯周病について徹底調査! 歯周病を改善する正しい歯の磨き方なども専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは大和駅前歯科 口腔外科専門医 歯学博士 中川洋一先生です。

今回のテーマは「〜脳梗塞・認知症にも関連〜忍び寄る恐怖!歯周病」

40歳以上の約70%が患っているといわれる「歯周病」。その症状は、口臭や口のネバネバだけにとどまらず、大切な歯が抜け落ちてしまう事もあるそうです。さらに、近年さまざまな研究によって歯周病と全身の病の関係が分かってきたのだとか。そこで今回は全身の病につながる歯周病について徹底調査!歯周病を改善する正しい歯の磨き方なども専門医に教えてもらいました。

歯周病の基礎知識

<歯周病とは?>
歯周病とは、歯周病菌が原因でなる炎症性の疾患で歯を支えている歯茎や骨が溶けてくる病気だそうです。恐ろしいのは、痛みなどの自覚症状がほとんど無い事。そのため、「サイレントディジーズ(静かなる病)」とも呼ばれ、知らないうちに歯を蝕んでいる可能性があるそうです。

<歯周病菌について>
歯周病菌は誰もが持っているものだそうです。問題は、それがプラークとなって歯の表面に溜まる事。プラークとは、歯に溜まった細菌の塊。しっかりと歯を磨いていても、歯の隙間などに磨き残しがあると、その場所で歯周病菌が増殖。約8時間でプラーク化してしまうそうです。

<虫歯と歯周病は無関係!?>
先生曰く、虫歯と歯周病は全く別の病気。そのため、虫歯がないからといって安心はできないそうです。

進行具合で症状が変わる「歯周病4つのステージ」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

歯周病の進行度合いは、4つのステージに分けられるそうです。(※歯周炎のステージ分類とは異なります)

<ステージ(1)歯茎からの出血>
歯茎には毛細血管が多く通っているため、歯周病になり歯茎が炎症を起こすとちょっとした刺激でも出血しやすくなります。そのため、歯を磨いている時に出血がある場合は、すでに歯周病にかかっている可能性があるそうです。

<ステージ(2)歯周ポケットの深さ>
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にある溝の事。この溝の深さをプローブという特殊な器具を使って測ります。3mm以下であれば健康、4mm以上で歯周病、1cm以上あれば重度の歯周病と診断されるのだとか。痛みや腫れなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行している事も多いそうです。

<ステージ(3)歯茎が下がる>
老化や唾液の分泌量低下が原因の場合もありますが、歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなるだけでなく、歯茎を溶かし始めるそうです。

<ステージ(4)歯が揺れる>
歯周病がさらに進行すると、身体が歯周病菌を死滅させるために「サイトカイン」という物質を作り出します。ところが、サイトカインはとても攻撃力が強く、歯周病菌だけでなく歯を支えている「歯槽骨」という骨まで溶かしてしまうのだとか。すると、歯槽骨は歯を支えられなくなり、歯が抜け落ちてしまうそうです。

歯周病が全身に及ぼす影響とは!?

<歯周病と関連がある病気(1)「糖尿病」>
サイトカインは、血糖値を下げるために必要な「インスリン」というホルモンの働きを妨げます。そのため、血糖値を調節しにくくなり糖尿病を発症する恐れがあるそうです。また、すでに糖尿病にかかっている場合は、糖尿病を悪化させるケースもあるのだとか。一方、糖尿病の人が歯周病の治療をしっかり行うと数値が改善する事もあるそうです。

<歯周病と関連がある病気(2)「脳梗塞」「心筋梗塞」>
先生によると、歯周病菌が原因で「動脈硬化」を悪化させる事が分かっているそうです。動脈硬化とは、血管が硬くなって弾力性が失われた状態。歯周病菌が歯茎などから血管内に入ると、毒素を放出し動脈硬化を進行させるのだとか。動脈硬化が進行すると、血の塊である「血栓」ができやすくなり、これが血管に詰まる事で脳梗塞や心筋梗塞を発症してしまうそうです。

<歯周病と関連がある病気(3)「認知症」>
認知症の1つ「アルツハイマー型認知症」は、脳の中に「アミロイド-β」が溜まる病気。アミロイド-βとは脳内で作られる異常なタンパク質で、通常はゴミとして短期間で処理されるそうです。しかし、歯周病菌はアミロイド-βの生成や蓄積のスピードを上げるといわれており、脳内での処理が追いつかなくなります。そのため、歯周病の人は認知症のリスクが高いとされているそうです。

歯周病の改善につながる正しいブラッシング法の極意

先生によると「正しい歯磨き」を続けていれば3週間ほどで歯周病が改善してくるそうです。そこで先生直伝の「正しいブラッシング法」の極意をご紹介していきます。

<正しいブラッシング法(1)角度>
先生オススメの角度は、斜め45度。歯周ポケットにブラシが入るように意識して、小刻みに20〜30回往復させましょう。こうする事で歯周ポケットに潜むプラークを取り除きやすくなるそうです。

<正しいブラッシング法(2)順番>
歯を順番に磨くと磨き残しがなくなります。バラバラに磨かないように気をつけましょう(※歯周病予防・改善のための磨き方です)。上記の角度と順番を意識して、食後3回約3分かけて磨くのがポイントだそうです。

<正しいブラッシング法(3)歯ブラシ選び>
歯ブラシの選び方も大事。自分の持ちやすい物を選ぶのが大切ですが、できればブラシが細長く柔らかい物がオススメ。歯周ポケットにブラシが届きやすく、歯茎を傷つける心配もないため歯周病予防にはうってつけだそうです。

<正しいブラッシング法(4)歯間ブラシ>
歯間ブラシは、歯の間に入る物で一番太いサイズを選ぶ事で、歯の側面にきちんとブラシがあたり、磨き残しを減らせるそうです(※歯に隙間の空いていない人は不要です)。そして、強く動かすと歯茎を傷つける恐れがあるので、ゆっくり動かす事が大切。毎日の歯磨きの際に歯間ブラシも一緒に行いましょう。タイミングは、歯ブラシの前でも後でもどちらでも良いそうです。

〜継続する事が大切〜
先生曰く、歯周病の改善のためには正しいブラッシング法を続ける事が大事。また、歯周病にかかっているのかどうか、磨き残しはないかなど、自分では分からない事もあるので、歯医者さんでチェックしてもらう事も大切だそうです。

(2023年11月5日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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