『競争する感覚がない』から『全てを野球に懸ける』の変化、石川昂弥7年目の決心
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
キッカケはファームの試合中、バッティングフォーム変化の裏側

ドラゴンズ再生を語る上で、外すことのできない存在の石川昂弥選手は、今シーズン43試合、打率.312、6本塁打、25打点と今までにない好成績を残している。今回のサンドラの特集では、その好調の要因に迫る。
石川選手「開幕してすぐ二軍へ行って、1ヶ月ちょっと過ごして、今一軍にいるんですけど、すごくいい状態をキープしながら自分の打撃フォームが試合でもできている」
アナウンサー「バッティングで今年変えた点は?」
石川選手「大きくガラッと変えたというところはないんですけど、去年の途中からすり足でやっていて、キャンプもずっとすり足でやっていたんですけど、二軍にいるタイミングでもう一回足を上げてみようかなと思ったので、そっからは足を上げる打ち方にして」
好調の要因は、打撃フォームの変更にあった。すり足から、足を上げるフォームに変更してから好調は続いている。そのきっかけはなんだったのだろうか?
石川選手「ファームでのハヤテ戦で、4打席目か5打席目で最後の打席だったんですけど、本当に打てなかったんで『もういいや、足上げよう』って足を上げて打ったらツーベース。それからです」
アナウンサー「誰かからアドバイスをもらったわけではなく?」
石川選手「その時、福田(永将)コーチには『足を上げます』と言ってからやりました」
福田コーチ「練習で、足を上げてやった方がいいんじゃないかっていうのを練習で試しながらやってたので、元々のいい動きをしっかり出せるようにやってました」
石川選手「すり足だとストレートにさされることも多くて、動きが小さくどんどん小さくなっていって打ちにいくときもグッと入っていけないし、構えているときの動きも少なくなっていたので、足を上げることで身体全体を使って、打てるようになったというかそういう感覚が出た」
ストレートの打率急上昇の背景にあったものとは?

実際にストレートの打率は、2020〜2025年通算で打率.230(405打数、93安打)だったのが、今シーズンは打率.348(69打数、24安打)に上昇している。一体なぜそこまで上がったのだろうか?コーチの証言と共に探っていく。
石川選手「自分の中でも、調子がいい時はやっぱりストレートを打てている。(今までは)その波が激しかった。今年はその波を少なくというか、常にストレートを打てている状態なので、すごくいいのかなと思ってます」
松中(信彦)コーチ「今年は迷いというか、打撃フォームも自分で考えながらやってきて、一軍上がってきたときには、どこかをいじるとかではなくこれで行く!という決意がすごく伝わって、ブレずにやっていたので打席の中で余裕が出てきたのがプラスになっている」
石川選手「プロに入ってから、色んなコーチに教えていただいたんですけど、その時は理解できなかったものが、自分の知識とかも増えていって、年数を重ねるにつれてこういうことだったのかというのも増えてきて、今年というのは新しい自分を踏まえた上で、自分でしっかり考えてやれているので、今までにない自分のバッティングの形というのでやれていると思います」
福田コーチ「ピッチャーとようやく勝負し始めたというか、やっぱりバッターは自分との勝負に向きやすいんですけど、結局試合では自分と勝負しても数字には残らない」
松中コーチ「去年と全く違うのは、初球から振れるようになった。彼の自信、結果も出ているので、昨シーズン、今年のオープン戦なかなか初球から振る姿はなかった。見てしまって後手後手になる。最近は調子いいのもあって初球から振れるところが好調の原因じゃないかと思ってます。将来的にはクリーンナップというか、中心で打っていかないといけないくらいのポテンシャルあると思うんですけど、少しずつ結果を出して、自信をつけて、自分はこのフォームでいくんだということをしっかり確立することが、中心選手として引っ張っていくことになる。そこは期待したいと思います」
『全てを野球に懸ける』石川昂弥7年目の決心

高校時代からエースで4番という立場で、ドラフト1位指名を受け競争とは無縁だった石川選手。現状のレギュラーを争う状況に何を思うのか?
石川選手「去年のシーズンが終わった時は、焦りというのはあったんですけど、今まで小さい頃から野球をやってきて競争するっていう感覚がなかった。最初は本当に気持ちの持ち方がわからなかったんですけど、プロ野球で年々やってきて、競争するって立場になったとき、今年は全てを野球に懸けようじゃないですけど、私生活から何から、全部野球のこと考えてやろうと」
アナウンサー「去年までとは違う?」
石川選手「ちがいます」
アナウンサー「春季キャンプも9キロ減量して」
石川選手「まずそこからはいろうかなという」
アナウンサー「悔しそうな表情や喜び、気持ちが表情に出ている」
石川選手「自分の中でため込まないようにしてます。毎日プレーしなきゃいけないし、打てなくても三振しても次の打席が来るので、そこを引きずらないためにパッと切り替えていけたらいいなというふうに思いましたし、実際に切り替えられる」
中田翔氏曰くシーズン中にバッティングフォームを変えるのは勇気がいるとのこと。そういう意味でも決意を感じさせる挑戦もあり、コーチからの下支えも強く感じられた。今までになかった、競争の中でそういった意識が芽生えて、経験したものが開花しつつあると感じさせる。『全てを野球に懸ける』との意気込み通りこの芽吹きを確実なものにして、堂々と中心を引っ張るような選手になってもらいたい。
澤村桃










