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井上ドラゴンズ“日替わり”打線と守備、そろそろやめにしませんか?

井上ドラゴンズ“日替わり”打線と守備、そろそろやめにしませんか?
井上一樹監督(C)CBCテレビ

「本職」という言葉がある。一義的には「本来の職業」「主たる職業」の意味なのだが、「その仕事を専門とする人」「くろうと」などの意味も含む。井上ドラゴンズの戦いを見ていると、なかなか「本職」の姿が見えないことが気になる。(敬称略)

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固定されない打順

細川成也選手(C)CBCテレビ

竜打線がなかなか固定されない。日替わりが続く。「3番・村松開人、4番・細川成也」はようやく落ち着いてきた印象だが、続く5番もジェイソン・ボスラーなのか石伊雄太なのか。毎試合のようにスタメンの顔ぶれも打順も変更されている。

かつて大島洋平が語った言葉を思い出す。

「打順にはそれぞれ役割がある。ある程度は固定してほしい」。

実は2019年(平成31年)からの与田剛監督の時代、1番打者と2番打者を行ったり来たりしていた頃のことだった。打順が日毎に変更される難しさを吐露していた。与田監督の後を受けた立浪和義監督も、よく打順を動かした。そして井上一樹監督になってもそれが続いている。もちろん他球団にも似た傾向のチームはあるが、ほぼ固定されたオーダーで試合に臨む阪神タイガースがうらやましい。

波に乗れない井上竜

球団創設90周年で迎えた2026年(令和8年)ペナントレース、ドラゴンズの苦闘が続く。連勝するけれど連敗する。いけるかと思うと負ける。村松開人の3安打5打点、先発の大野雄大も29イニング無失点と好投、東京ヤクルトスワローズに大勝したかと思うと、翌5月17日は高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)で完敗した。波に乗れない。そんな戦いの中で気になるのは、毎試合のように変わる打順だが、“日替わり”なのは打線だけではない。井上竜の場合、その守備位置も目まぐるしく動く。

複数ポジションの難しさ

石川昂弥選手(C)CBCテレビ

井上一樹監督は「ユーティリティープレーヤー」を重宝しているようだ。スポーツにおいて複数のポジションをこなすことができる選手のことである。このところドラゴンズには、こうした選手がとても多い。基本9イニングのゲームを進める上で、その存在が便利で重要なことは理解できる。

もともとはサードが本職だった石川昂弥が、脚の状態に不安があった時にファーストを守ったことがあった。高橋周平も同様、しかしそれは「内野手」内の範ちゅうである。ドラゴンズの場合は、内野手と外野手の“垣根を越える”選手も多い。

今日は内野手、明日は外野手

オルランド・カリステ選手(C)CBCテレビ

助っ人の外国人選手では、オルランド・カリステとジェイソン・ボスラー。カリステは立浪和義監督2年目の2023年(令和5年)に入団した。最初のシーズンはショートを守ることが多かったが、サードとセカンドの守備にもついた。翌シーズンはファーストも守った。3年目は外野手として60試合以上に出場した。

ボスラーは内野手が中心だが、米国でもユーティリティープレーヤーとして外野も守っていた。ただ、井上一樹監督1年目の昨季は100試合以上をファーストとして出場し、実績も残していた。今季はサードや外野も守る。

日本人選手では板山祐太郎が、内野を守ったり外野を守ったりしている。土田龍空もセカンドでスタメン出場した翌日、今度はセンターでスタメンだった。とにかく守備位置は目まぐるしく動く。

落合時代の「本職」たち

落合博満元監督(C)CBCテレビ

かつて広いナゴヤドーム(現・バンテリンドーム)を本拠地にして戦うため、星野仙一監督や落合博満監督は「守り勝つ野球」を掲げた。1点リードしたら、徹底的にそれを守った。特に落合時代には、外野手には英智、内野手には渡邉博幸という「本職」がいて、控え選手であったにもかかわらず、2004年(平成16年)には、2人そろってゴールデングラブ賞に選ばれている。それだけ“守備に秀でていた”のであり、まさに「本職」だった。

目立つ守備の綻び

今季のドラゴンズで目立つのは、守備の綻びである。エラーも23個とセ・リーグで最も一番多いが、記録に残らない“エラー”も散見される(成績は5月17日現在)。取れるはずのダブルプレーを逃したケースも多々あった。沖縄での春季キャンプ、限りある日程の中で複数のポジションを練習しようとすると、ひとつのポジションに費やす時間も少なくなる。ましてや連携プレーの練習になると、一体何通り必要なのだろうか。やはり固定された「本職」を大切にするべきである。

腹をくくった采配を待つ

今季のドラゴンズは、特にけが人が多い。ベンチのやり繰りが大変なことは理解できる。しかし、ベンチに入れたメンバーで、打順も守備も、監督が腹さえくくれば、ある程度は固定していくことは可能である。要するに、その采配が「何をめざすか」という先を見据えた明確な意図があるかないか。与田、立浪、そして井上と、監督が代わっても続く“日替わり打線と守備”の目の当たりにして、長年低迷するドラゴンズが逆襲する前に立ちはだかる、高いハードルを感じ取ってしまう。

納得できる用兵で負けるなら、悔しいけれど良し。逆に、腑に落ちない采配で負けると、それは大いなるストレスとなる。こんな竜党の切なる心情を受け止めて、セ・パ交流戦前の6連戦で「本職」の戦いを見せてもらいたい。

                     【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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