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いざ交流戦へ!本拠地ドーム5階席で検証した井上ドラゴンズの“現在地”

いざ交流戦へ!本拠地ドーム5階席で検証した井上ドラゴンズの“現在地”
「バンテリンドーム」:筆者撮影

バンテリンドームの最上段は61列目である。グラウンド全体を俯瞰できるから、好みの席でもある。2025年(令和7年)5月31日土曜日、ちょうどシーズン50試合目となった讀賣ジャイアンツ戦を観戦しながら、ドラゴンズの“今”を俯瞰してみた。(敬称略)

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宏斗なかなか勝てないなあ

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

先発マウンドに上がったのは高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)。今季ここまで2勝5敗である。最優秀防御率のタイトルも取り、初の開幕投手も務めた22歳の勢いからすれば、勝敗の数字が逆でもいいはずなのだが、なかなか勝ち星に結びついていない。相手チームも攻略法を徹底的に研究してきているのだろう。やはりプロは甘くない。この日も、球はやや高めになりがちだったが、キレも伸びもあった。7イニング117球を投げて、ジャイアンツ打線を2点に抑えたが、勝利投手にはなれなかった。宏斗、なかなか勝てないなあ。来春のWBCに出場するためにも、これからどんどん勝ってほしい。

井上竜のスタメンが見たい

石川昂弥選手(C)CBCテレビ

日替わりオーダーは続く。1軍に戻って来た“開幕4番”石川昂弥が、いきなり「6番・サード」のスタメンだった。残念ながら4打数ノーヒット。井上ドラゴンズの打線が固まらない。開幕前からも開幕後も、福永裕基や細川成也らケガ人が多く、ベンチも頭を悩ませてのやり繰りなのだろう。立浪和義前監督の3年間は、結局スタメンが固定できなかった。当コラムでも書き続けているが「スタンダードあっての柔軟性」なのである。そろそろ、ある程度、オーダーを固定してほしい。「これが井上竜のスタメン!」を見てみたい。

“新たな正捕手”登場への期待

石伊雄太選手(C)CBCテレビ

木下拓哉が左脚を傷めて戦線を離脱した。開幕以来、中心となってマスクをかぶってきただけに、またも痛いケガ人である。しかし同時に、そろそろ捕手も世代交代する時期でもある。実は、井上監督は自らの新チームにとって“新たな正捕手”を育成すると期待していた。キャリア十分の木下がスタメンを続けてきたが、これを機に舵を切ってもいい。2軍からドラフト4位ルーキーの石伊雄太も合流した。目の前のゲームでは、ベテラン加藤匠馬が出場しているが、“井上竜の正捕手”をそろそろ登場させてほしい。

戦力補強の第2幕はいつ?

岩嵜翔投手(C)CBCテレビ

岩嵜翔投手のオリックス・バファローズへの金銭トレードには驚いた。2021年(令和3年)にFAで移籍した又吉克樹の人的補償でドラゴンズに加わったものの、右ひじのトミー・ジョン手術などで、3年間ほとんど活躍できなかった。ようやく今季の本拠地開幕戦で勝利投手となり、涙のお立ち台でファンを感動させたばかりだった。代わりの選手が来ない金銭トレード、現在5位のドラゴンズにそんな余裕はあるの?おそらく支配下登録選手の枠に余裕を持たせるなどの狙いがあるはずだ。ならば次なる動きもあるのか。とにかく打者がほしい。戦力補強の第2幕はいつ?

では「井上野球」とは何?

井上一樹監督(C)CBCテレビ

昨季までの立浪前監督時代、ファンにとっては、監督がめざす野球が見えにくかった。「立浪野球とは?」これに対する答えは最後まで出なかった。では「井上野球」とは何?村松開人の3ベースを受けて、直後の8番・加藤がスクイズで先制点を取った。代打の高橋周平と板山祐太郎が、期待に応えてタイムリーを打った。現時点で言うならば「1点をもぎ取る全員野球」なのだろう。その泥臭さは、井上一樹という野球人に似合っている。スローガンに「どらポジ」を掲げるならば、負けてもベンチは元気で、勝ったらますます元気、相手チームが呆れるような、そんな底抜けに明るいポジティブなチームになってほしい。

目の前のゲームは鮮やかな勝利で、クローザーの松山晋也が雄叫びと共に締めくくった。さあ、井上竜にとって初めてのセ・パ交流戦が始まる。ドーム5階席から友人たちとの祝杯会場に向かいながらしみじみと思った。今や敵の抑え投手となったライデル・マルティネス、その姿を見ることなくて本当に良かった。                                                          
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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