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ドラゴンズ残り23試合の戦いは?立浪監督“腹のくくり方”にファンは注目

ドラゴンズ残り23試合の戦いは?立浪監督“腹のくくり方”にファンは注目
「サンデードラゴンズ」より立浪和義監督(C)CBCテレビ

日本列島に上陸した台風10号の影響で、夏休み最後のバンテリンドーム3連戦が中止になった。中日ドラゴンズにとっては、ペナントレースも残り23試合。球団史上初の2年連続最下位という屈辱から、3年目での逆襲を狙った立浪和義監督だが、自力でのAクラスは途絶え、4位の座すら厳しくなっている。これからの戦いは、竜の明日にとっても極めて重要だ。(敬称略)

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開幕後4月は単独首位

2024年、オープン戦首位の勢いと共にシーズンに突入し、単独首位にもなった4月は「3年目の覚醒か?」と注目を集めた時期だった。立浪監督自身も手応えを感じていたようで「今年は違うと言っただろう」と明るく語っていた。しかし、それは短い春だった。

投手陣こそ踏ん張っていたものの、打線は“あと1本が出ない”相変わらずの拙攻から抜け出せずに、次第に負けを重ねるようになった。連勝しても、その同じ数だけ、いやそれ以上の連敗があった。ここまで120試合を戦って、50勝62敗8分の借金12でリーグ5位。立浪監督3年目もチーム成績は低迷している。(成績は9月2日現在)

目先の勝利?将来への布石?

苦戦の分析はシーズン終了後にするとして、これからの残り23試合をどう戦っていくか。ここにこそ現在と将来の両方をにらむ、リーダーの志と手腕が表れる。あくまでも目先の1勝を求めるのか、来季以降に目を向けて若い戦力を試しながらどんどん機会を与えるか。

2020年(令和2年)の与田剛・前監督は前者だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、クライマックスシリーズ(CS)が中止になったのにもかかわらず、Aクラス入りをめざした。翌年に向けて若い選手を積極的に起用して経験を積ませたチームもある中、既存戦力中心で残り試合に臨んだ。結果は3位、歴史上の記録的にそれも価値のあることだったが、若手への切り替えは足踏みした。今季の立浪監督はどう戦うのだろうか?

監督自らチーム強化へ

「サンデードラゴンズ」より中田翔選手(C)CBCテレビ

2年連続最下位からの監督3年目を前に、立浪監督自らがオフにさらなる選手補強に動いた。4番を期待した中田翔を筆頭に、この他にも代打の切り札としての中島裕之、他球団を戦力外になった上林誠知、山本泰寛、そして板山祐太郎ら、ベテランや中堅選手を集めた。

シーズン中も彼らを積極的にスタメン起用し、一方で生え抜きの若手選手の出場機会は相対的に減った。せっかく1軍に呼ばれながらも、打席を与えられることもなく2軍に戻った若手もいた。残り試合、この戦い方を切り替えるのか否か。3位までの差が大きく開いた今季は、Aクラスをめざした2020年とは、明らかに状況が違う。

“切り札”立浪監督の思い

立浪監督1年目は「低迷し続けるチームを変える」として、積極的な若手起用が目立った。まだまだ粗削りだったが、多くの楽しみな“芽”がチームに芽吹いた。

「過去の監督には、基本2年や3年という契約の中で勝たないといけないプレッシャーがあり、思い切って若い選手を使っていくことができていなかった。そんな姿を見ていて、自分がそれをやらないといけないと思っていた」

こう語っていた立浪監督だったが、3年目シーズン最終盤の今、その言葉を覚えていてくれることを、心から願う。

宏斗筆頭に個人タイトルを!

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

楽しみなのは個人タイトル争いである。投手では、開幕こそ間に合わなかったものの、現在も「投げては勝つ」無双の活躍を続ける高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)。0点台という防御率の他、勝利数、奪三振数、勝率など可能性のあるタイトルは多い。その先にある「沢村賞」も楽しみだ。

「サンデードラゴンズ」よりライデル・マルティネス投手(C)CBCテレビ

セーブではライデル・マルティネス、ホールドポイントでは松山晋也と清水達也がいる。打者では、細川成也が打率、そして安打数などでトップ争いに参画する。これだけタイトルに関わる投打の中心選手がいながら、チームが下位に低迷していることが不思議なのだが、取れる個人タイトルは、とにかく取ってもらいたい。そのためにはベンチのバックアップも必要だろう。

竜党はいつも夢を見たい

ファンとして、残りゲームで見たいもの、それは“夢”、明日のドラゴンズの姿を見せてもらう戦いである。任期のある監督やコーチ、もっと言えば球団フロントと違って、ファンは“期間限定”ではない。竜党の応援に期限はない、一生ものでもある。

戦いの中で、常に夢のある未来をファンに見せることは、プロ野球の球団の義務でもある。「自分は3年で終わるかもしれないけれど、その後のドラゴンズを考えて戦う」これも立浪監督1年目の言葉である。

手元には、ドラチケで購入したバンテリンドームのチケットが、まだ4試合分ある。苦しい戦いであることは承知、だが、そこに差す“光”に出合うために、残り少ない今シーズンも球場へ通い続ける。                          
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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