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高橋宏斗がWBCで大谷翔平やダルビッシュ有ら4人の侍から得た成長のヒント

高橋宏斗がWBCで大谷翔平やダルビッシュ有ら4人の侍から得た成長のヒント
「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

待ちに待ったペナント開幕も、打撃不振により苦境に立たされているドラゴンズ。現在最下位ながらも、一つの希望として投手陣の充実が挙げられる。今回のサンドラでは、その投手陣の中でも一段と未来が楽しみな高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)の単独インタビューをお届けします。それでは早速振り返る。

高橋宏斗WBC決勝戦での心境を語る

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

WBC日本代表に、高橋宏斗投手が史上最年少で選出された。ドラゴンズから唯一の選出だったこともあり、ドラゴンズファンも固唾を呑んで登板を見守っていただろう。そんな緊張感をよそに、高橋投手は決勝の大舞台でMLB現役最高の打者の一人であるマイク・トラウトを三振に切って取り、14年ぶりの世界一奪還に貢献した。高橋投手はその時の心境についてこう語った。

高橋宏「マウンドに上がるまでは足が震えてピッチングでもあまりストライクが入らなくて、とりあえず強い球を投げておこうと思って、最後の辺はヤケクソと言いますかこれで無理だったら終わりだと思ってやっていましたね。本当に(ドラゴンズの)みんなはおめでとう!と言葉をまず最初にかけてくださってすごく嬉しかったですし、柳(裕也)さんからは『お前はもうジャパンじゃねーぞ』『勘違いすんなよ笑』と言われました。大野(雄大)さんとかは、大野さんがオリンピック優勝したあとに『次はお前が行ってこい!』と言われていたのを僕も覚えていたので、『ほんとに行くと思ってなかった』って言ってたんですけど、大野さんも喜んでくれていたのが印象的です」

大谷翔平投手の意識、投打の心理状況

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

高橋宏「これが世界でトップの選手なんだなと思うような行動をしていますね。一番わかりやすい例で言うと、ウエイトトレーニングは間近で見たんですけどちょっとレベルが違うと言いますか、試合に途中までバッターとして出てそのままウエイトトレーニングに入っていく形だったので、バーベルに重りがつけきれないくらいでウエイトトレーニングやっていましたね。僕が会話をしたときは食事会の席が近かったので、大谷さんのピッチャーとしての心理状況やバッターとしての心理状況をいろいろ聞かせてもらって。投打両方やっている分、自分がされて嫌な攻めをピッチャーとしてどうやれるかを常に考えていると言っていたので、完全に意識の違いを見せつけられましたね」

ダルビッシュ有投手から変化球のアドバイス

高橋宏「自分の持っている球種がすべてが速い球になっているので、ストレートも、スプリットもカットボールも。そこで一つ、カーブを有効的に使えたらもっと投球の幅が広がるんじゃないかと、ダルビッシュさんだったり、自分から聞いてアドバイスをもらったりしていました。球数を減らした状態で、完投・完封を目指せる投手になりたいとダルビッシュさんに話したときに、一球で打ち取れるツーシームを投げていないなら、投げたらすごく有効的になるんじゃないかと教えてもらいました。打ってから相手バッターが『うわ、ツーシームだったなぁ』というボールがいいと思うので、まだ途中ですけど投げられるようになりたいです」

Q握りやリリースの感覚は?

高橋宏「全部ダルビッシュさんに聞いてその通りやっています」

村上宗隆選手の不調の抜け出し方

高橋宏「(村上)宗さんがあんなに苦しんでいる姿を自分は間近で見ることは今後ないと思いますし、絶対打ってくれるだろうなと自分の中で確信していましたし、色々なアドバイスをもらって、色々なことを試しながらやっている姿を見てきていたので、そこはチームメイトとしてすごく感動しました。僕の部屋が宗さんの前だったので、ずっと打てないときは部屋の前に何十本とバットが並んでいて、絶対部屋の中でスイングしているんだと思いました。本当に高い意識でやっているなと思いましたし、上手い選手ほど練習しているとすごく感じましたね」

山本由伸から受けた投球の評価

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

高橋宏「11月の終わりの自主トレからずっと一緒にやっていたので、その中で褒めてくださったりアドバイスもらったりしていました。一番会話をしたかなと思います。由伸さんは実際僕の生の投球を見たことがないので、侍ジャパンで投げたときしか(機会が)なくて、なんか意外といいね、みたいな感じで言われました(笑)」

ドラゴンズでの今シーズンの目標について

Q今シーズンの目標は?

高橋宏「今シーズンの目標でずっと掲げているのは、山本由伸さんの3年目の成績(20試合登板・8勝6敗・防1.95)を超えること。中6日でいく準備は当然できている」

Q開幕戦の先輩の姿(小笠原慎之介投手145球の大熱投)はどう響きましたか?

高橋宏「あの投球で、チーム全員が心を動かされたと思う。慎之介さんから『俺とお前が引っ張っていかないとチームは強くならないぞ』と言われたので、いつまでも大野(雄大)さん、柳さん、涌井さんに引っ張られているようでは良くないと思うので、自分が注目されているとは思うんですけど、力に変えてドラゴンズの優勝のために必死に投げたいと思います!」 

筆者の感想まとめ

高橋投手はWBCに参加して4人の選手から、トレーニング、マウンドでの思考、変化球、不調に対する姿勢、自らの現在地など様々な側面で必要となる情報を受け取り、ピッチャーとしてさらなる高みを目指すためのヒントを得た状態だ。

1年目の2021年シーズンは、二軍で防御率を厭わずストレート縛りでピッチングするという修行でシーズンを終えた。2022年の一軍プロ初登板時、筆者も現地で観戦したが、登板で球場が盛り上がるようなそのポテンシャルこそ感じたものの、途中から崩れて5回被安打5の4失点で敗戦投手となった。

しかし、沢山のものを吸収した高橋投手の今季公式戦の初登板の結果は、6回1失点で被安打1、奪三振8の勝利投手だった。WBC明けの疲労もあるなかで、初回のホームランを除いてヒットを許さない安定したピッチングを見せた。筆者はこの試合も現地で観戦したが、球場の雰囲気も高橋投手の投球に安心し切っている様子で一年前との大きな違いを感じた。

ポテンシャルだけでなく、それに伴ったトレーニングや投球術など総合的な成長を感じられるものだった。そこにはもちろんWBCから持ち帰ったものもあるだろう。だが、それは更に緊張感の増した場面で大いに発揮されることだろう。そんなステージで戦えるよう、今の苦しみを乗り越えてドラゴンズを優勝に導いて欲しい!

澤村桃

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