CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

ドラゴンズ温故知新!10「中堅手」編~“生涯竜”大島洋平がリードする優勝道

ドラゴンズ温故知新!10「中堅手」編~“生涯竜”大島洋平がリードする優勝道
ドラゴンズ温故知新!
論説室コラム

ドラゴンズ温故知新!10「中堅手」編~“生涯竜”大島洋平がリードする優勝道

 2020年1月4日(土) 10:11
北辻 利寿
北辻 利寿

新しい年2020年、中日ドラゴンズは球団創設84年目を迎えた。伝統あるその球団史は数多のスター選手に彩られ、熱き戦いの記録と記憶をファンの心に刻みつけてきた。筆者が独断で選んだ歴代ベストナインと現役選手を比較しながら、7年続くBクラスからの脱出に向けて、新たなシーズンへの期待と応援を届ける連載企画である。
第10回のテーマは「中堅手」。(敬称略)

歴代ベストナインは「田尾安志」

ドラゴンズ歴代ベストナインで「センター」というポジションを語ろうとする時、同時に必ず悲しみが過去からやって来る。わが歴代ベストナインは田尾安志で決まりである。しかし、田尾について語ることは、楽しさの反面、ファンにとって淋しさと向き合うことでもあるのだ。あのトレードさえなければ・・・と。
田尾は同志社大学で、投手としても野手としても活躍し、ドラフト1位でドラゴンズに入団した。甘いマスクに明るい笑顔、グラウンドでのはつらつとしたプレーで、一気に人気選手となった。ルーキーイヤーの1976年(昭和51年)、夏場にはレギュラーの座をつかみ、新人王にも選ばれた。

ベストナイン選考理由

田尾は1982年(昭和57年)、近藤貞雄監督の“野武士野球”では「1番打者」として大活躍。首位打者争いをしていたが、優勝がかかった最終戦、相手の横浜大洋ホエールズから全打席すべて敬遠された。わずかの差で打率が田尾を上回るライバル選手が相手ベンチにいたためだ。最後の5打席目、田尾は敬遠のボール球を2回空振りする。精一杯の抗議だった。結果は四球だったが、ドラゴンズファンはこの熱さに拍手喝采だった。そのシーズンから田尾は3年連続でリーグ最多安打を記録した。しかし、3年後の1985年、春季キャンプ直前に突然のトレードで西武ライオンズへ去る。ファンにとって悲しい別れだった。田尾があのままドラゴンズに残っていたら、きっとその後のチームリーダー、さらに指導者として、チームを引っ張ってくれたのにという残念な思いがついついほとばしってしまう。そんなあふれる愛情をこめて、歴代ベストナインの「中堅手」に選びたい。

一流選手目白押しのセンター

ドラゴンズの「中堅手」には職人的な一流選手が多い。高木守道との1,2番コンビでも知られる中利夫は攻守走すべて兼ね備えた名センターだった。盗塁王そして首位打者も獲得している。平野謙も忘れられないセンターだ。スイッチヒッターとして最多犠打の記録を続けた。1番打者として活躍した彦野利勝は思い切りの良さが売り物だった。外国人選手で忘れられないのはウィリー・デービス。1977年(昭和52年)わずか1年だけの在籍だったが、讀賣ジャイアンツ戦でのランニング満塁ホームランは今なおドラゴンズファンの語り草になっている。

“生涯竜”大島洋平への期待

この10年間、ドラゴンズのセンターには大島洋平が立っている。2011年にゴールデングラブ賞を初受賞して以来、2019年で7度目の受賞。ショートを守った井端弘和が持つ球団最多記録に並ぶ、素晴らしい勲章である。大島の凄さは、淡々と自分の役割を全うしていることだろう。攻守走いずれも秀でている。「守」では2年連続のゴールデングラブ賞を獲得、広い守備範囲は健在だ。「走」では盗塁王だった2012年以来の30盗塁を記録した。そして「打」である。安打174本を積み重ねて、ついに待望だった“打のタイトル”最多安打を獲得した。大島自身も首位打者と共に目標にしていたタイトルだけに、達成感もあることだろう。そんな背番号「8」は、海外FA権を行使することなくドラゴンズに残留を決めて、「生涯竜」宣言をした。「ドラゴンズで野球人生を終える覚悟」という言葉に、どれだけ沢山のドラゴンズファンが拍手を送ったことだろうか。ありがとう!大島洋平。

2020年シーズン展望

ほぼ確定している2020年のポジションがあるとするならば、「1塁・ビシエド」「3塁・高橋」と共に「中堅・大島」、この3つであろうか。FA権を行使せずにドラゴンズに残った大島洋平がめざすのは、通算2000安打。残り558本は34歳という年齢からも、十分に達成可能である。ファンもこれまでとは1ランク違った目で大島のプレーを負うことになろう。しかし、リーグで1、2を争う幅広い守備範囲の一方で、肩の陰りを指摘する声もある。強肩である根尾昂の外野コンバート構想も首脳陣の中にはある。大島には、後を追うものを蹴落としてでも「1番センター大島」として、2000安打を達成する気概を見せてほしい。これまで以上に“攻撃的”かつ“アクティブ”に。その先には大島が目標に掲げる「優勝」そして「日本一」がある。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

 前の記事

次の記事