妻名義で実際には夫が個人年金の保険料を払っている家庭は少なくないと思われます。実は思わぬ落とし穴があるようです。4月27日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャル・プランナー、徳山誠也さんが個人年金を代わりに払った場合、贈与税がかかるのかどうかなどについて解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と大橋麻美子です。贈与税がかかってしまう今回、番組で紹介した相談の内容は次のとおりです。「30年掛けてきた妻の個人年金がもうすぐ満期となります。契約者、被保険者、受取人はすべて妻ですが、結婚後は妻が専業主婦のため、実際は夫である私の口座から支払っていました。ただ、受け取り時期が近づいてきたので、3年前に妻の口座へ変更しました。しかし、変更しても贈与税がかかるというのがわかり、大変悩んでいます。受け取り額は1,200万円で、実際の支払は妻の会社員時代の支払分65万円と、私の負担分450万円ほどなので、お宝保険(比較的利率が高い保険)といえますが、贈与税が心配でうれしさ半減です。この状況で3つ質問があるので、教えていただけないでしょうか?1.贈与税を支払うとして、それはいつ、いくら支払うのでしょうか?2.払うとしても妻名義の大きな資金はないので、私の預金から支払うことになりますが、これも問題があるのでしょうか?3.この個人年金を年金形式で受け取った場合、源泉徴収後の年間受取額が約115万円となりますが、110万円の基礎控除を超えた分だけ確定申告で贈与税を払うという節税方法は可能でしょうか?質問が多くてすみませんが、よろしくお願いいたします」(Aさん)いつ、どれぐらい払う必要がある?贈与税は文字通り、誰かから多額の財産をもらった際にかかる税金のこと。名義は妻で支払いは夫というAさんのケースでは、税務上は夫から妻へプレゼントしているという扱いになり、「名義保険」といって実質は夫名義と同じとみなされます。ここでひとつ目の質問である「どれぐらいの贈与税がかかるのか」という件ですが、徳山さんがざっくり計算したところによれば、まず、夫が負担した割合によって課税対象になります。夫が450万円、妻が65万円で、合計515万円のうち夫の負担割合は約87%なので、満期で返ってくる1,200万円の87%となる約1,044万円が贈与対象とみなされ、贈与税はだいたい250万円ぐらいかかるとのことです。税金を取られても十分黒字ではありますが、かなり取られた感じはしますね。なお、納付の期限は年金を受け取った年の翌年の2~3月、確定申告の時期になります。これは一括受取でも年金受取でも申告は必要とのことです。節税の方法はある?2つ目の質問の、代わりに夫が贈与税を払うのは良いのかという件について。これも贈与にあたるそうで、徳山さんは「利益を得た人が税金を払うと考えるとわかりやすい」とまとめました。そのため、夫婦間で借用書を交わして妻が夫から借りるか、一括でもらって払った方が良いとのことですが、どちらが良いのかは、年金形式だとどれぐらい受け取り額が増えるのかによって異なります。そして最後の質問ですが、Aさんが提示された節税方法は使えないとのこと。年間5万円ずつもらったという扱いにはできないのは、受け取りを開始した年度に、将来受け取る年金全体の権利に対して贈与税がかかってしまうためです。では、他に節税の方法はないのでしょうか?徳山さんは現実的な対策として、受け取りの前に保険の契約者を夫にすることによって、贈与税ではなく、一時所得として所得税がかかることになるものの、税額はかなり少なくなるとのことです。(岡本)