京都市は最大1万円。全国に広がる「宿泊税」とは
ゴールデンウィークに各地へ旅行に出かけ、ホテルや旅館で宿泊した際、「宿泊税」を支払った人もいるかもしれません。5月7日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、近年全国で導入が加速する宿泊税の仕組みについて、ジャーナリストの北辻利寿さんに話を伺いました。
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宿泊税は、ホテルや旅館に宿泊した際に課せられる税金で、地方自治体が条例で独自に導入できる「法定外目的税」のひとつです。宿泊客はホテルや旅館の宿泊料金と一緒に支払い、施設側がそれを自治体に納めます。
使い道は観光のためと決まっており、PR活動や受け入れ施設の拡充、インフラ整備などに、それぞれの自治体の裁量で使うことができます。
宿泊税を最も早く導入したのは2002年の東京都、続いて2017年に大阪府でした。その後、コロナ禍で一時止まっていましたが、ここへ来て再び全国に広がりつつあります。
この春までに、すでに19の自治体が宿泊税を導入済みです。4月からは岐阜市や三重県鳥羽市など、20の自治体が新たに加わりました。
さらに今年度中に、16の自治体が宿泊税を始める見込みで、ここから先も拡大は続きそうです。
自治体側のメリット
宿泊税には、自治体にとって大きなメリットがあります。
まず、税を負担するのが地元住民ではなく外から訪れる観光客だという点です。地元の負担にならず集めやすい上、宿泊料金と一緒に徴収できるので、施設側も払う側も手間がかかりません。
もうひとつは、使い道が観光のためとはっきりしている点です。目的が明確で地方交付税の算定対象にならず、税収が増えても国からの配分が減らない仕組みです。
さらに、自治体ごとに条例で定められるので、観光客で賑わう時期だけ税額を上げるなど、柔軟な運用も可能です。
近年問題となっているオーバーツーリズム対策にも、宿泊税は有効です。コロナ禍で冷え込んだ訪日客が一気に回復してきたことから、その費用としても役立てることができます。
実際、海外からの客も多い静岡県の熱海市や岐阜県の高山市など、観光都市はすでに昨年までに宿泊税を導入済みです。
観光客以外への影響
メリットが多い一方、宿泊税にはデメリットもあります。
宿泊するのは観光客だけではありません。出張者、受験生、病気療養や通院で訪れる人など、あらゆる宿泊に一律で課税されてしまう点が問題です。
物価高の中で新たな負担が増えることに加え、温泉地の場合は入湯税との二重徴収にもなります。
北辻「私もこの春、下呂温泉に1泊したんですけど、入湯税が150円、宿泊税が200円ということで、合わせて350円払いました」
なお、修学旅行については宿泊税を免除する自治体も出てきています。
定額制から定率制へ
これまでの宿泊税は「定額制」が主流でした。しかし新たな動きとして、高級な宿泊施設に泊まる人には税額を高くする「定率制」を採用する自治体が増えてきています。
例えば京都市は今年3月から、課税額の上限を1,000円から一気に1万円まで引き上げました。これにより、京都市の税収は、昨年度の60億円から今年度は130億円に達する見込みです。
北辻「さすがに1万円の宿泊税になると、利用客の納得が得られるかどうかっていうのはね」
宮部「旅行代の中でかなりの割合になります。ただ京都の町の道路は使います、ゴミ箱のこともあります。いろんなところで地元はお金がかかってるわけですよね」
このように、宿泊税は原則というものがないのが特徴です。
ダブル課税の問題も
宿泊税は自治体に入る税金ですが、都道府県と市町村のどちらに入るのか、まだ整理が必要な部分もあります。それが「ダブル宿泊税」です。
都道府県が宿泊税を導入し、その中の市町村も独自に課税するケースで、例えば北海道は4月から制度を始めましたが、札幌市や函館市もすでに導入済みです。結果として、宿泊客は二重で課税されてしまうことになります。
こうした徴収にはさすがに批判もあるため、自治体によっては税額を調整するなどの対応も行なわれていますが、まだまだ運用は複雑なところがあるといいます。
納得できる使い方を
物価高で旅行のハードルが高くなっている状況だからこそ、その使い道は重要になります。
宮部は、ゴールデンウィークに宿泊した滋賀県の琵琶湖を例に挙げました。湖の周辺には、県のカラーである水色で安全のためのラインが綺麗に敷かれたサイクリングロードがあり、マナーも良いそうです。
こうしたラインの維持費は、地元への還元のひとつの形といえます。
北辻「目に見える形、あるいは旅行客が納得できる形という風に使っていってほしいですね」
(minto)
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