成田空港の滑走路新増設計画、強制収用を実施する可能性も
空港を運営する成田国際空港株式会社(NAA)が、土地収用法に基づく強制収用の手続きを本格化させると朝日新聞が報じました。滑走路の新増設に向けて必要な用地の取得に目処が立たないことが主な理由とのこと。建設用地の強制収用には地元の理解が不可欠ですが、果たして成田空港滑走路の新増設は今後どうなるのでしょうか?4月1日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が成田空港を巡る土地収用問題について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。
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国が進める事業で必要な土地がどうしても手に入らない場合、手順を踏んで土地を取得することができますが、今回、成田空港の滑走路を新増設するのにあたり必要な土地があるということです。
新増設計画の中身ですが、2,500mあるB滑走路を北へ1,000m延伸させ、南側に3本目となる長さ3,500mのC滑走路を新たに作るというもの。
これにより年間発着枠が34万回から50万回に増やすことができます。
強制収用ということで、名前に「強制」とついていますが、空港がいきなり強制的に土地を受け取るというわけではありません。
土地ごとに補償額と明け渡し期限を審理・採決しますが、明け渡し期限を過ぎても地権者が土地を明け渡さない場合は、代執行手続きを踏むというように段階を踏んで対応します。
強制収用で思い出される事件
今回これが大きなニュースとして取り上げられているのは、そもそも成田空港が最初にできる際、強制収用を巡って争いが行なわれた「成田闘争」を連想する方がいるため。
「成田闘争」では、地権者だけではなく反対派や活動家が加わり、機動隊と衝突したことで死者が出てしまいました。空港完成後は特に大きな闘争もなく、地元の理解もある程度得られるようになってきましたが、当時を思い出させる「強制収用」の単語が出てきたため、注目が集まっています。
新増設に必要な土地は9割弱ほど取得できてはいるものの、だからといって1割をそのままにして滑走路を作ることはできず、引き続き収用に向けて対応せざるを得ない点について、「空港の特殊性もある」と語る石塚委員。
滑走路の新増設が必要な理由
なぜ成田空港には滑走路の新増設が必要なのでしょうか?
今後は宇宙産業が活性化していくといわれますが、滑走路の新増設に限らず、成田空港周辺に企業を誘致しようという計画もあるためです。
また、羽田空港はすでに拡張に限界を迎えている中、アジアのハブ空港としての地位は現在、日本は韓国の仁川国際空港などに遅れをとっている状況。
地位を上げるには、成田空港の拡張が必要というわけです。
成田空港の新増設計画が実現すれば、羽田と合わせて年間発着枠が100万回となり、ロンドンやニューヨークと肩を並べられることになります。
新増設のスピードが求められる一方で、果たして地元の理解が得られる計画が立てられるのか、国は難しい舵取りを迫られているようです。
(岡本)
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