お正月のしめ縄を年中飾っている地域が存在する
年末年始に向けての準備を、本腰入れてやり始めなければならない時期に差し掛かってきました。大掃除、おせちの準備、縁起を担ぐ正月飾りも欠かせません。もう準備はお済みでしょうか?12月23日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』も、慌ただしくも新年に向けての期待の高まりを感じるムードでした。そんな中、しめ縄飾りの話題に注目したつボイノリオと小高直子アナウンサー。リスナーからの投稿を交え、しめ縄の地域性についての興味深いトークが交わされました。
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きっかけとなったのは、三重県在住リスナーからのこんな投稿でした。
「今年も残すところ、あと10日ほどとなりました。そろそろしめ縄を買わないといけません。ギリギリにしめ縄を飾るのは『一夜飾り』と言われ、あまりよくないとされています。
同じく東海地方の愛知や岐阜ではわかりませんが、三重県には伊勢しめ縄、松坂しめ縄、桑名しめ縄があり、少しずつ違うのです。1年間しめ縄を飾るのも三重県の風習です」(Aさん)
つボイ「年中しめ縄を飾るのは伊勢だけだと思っていたけど、他の地域もそうなんですね」
小高「1年ごとに新しく替えるんですよね」
一般的には、しめ縄はお正月が終わったら片付けるものです。地域にもよりますが遅くとも1月15日ごろまでには下げ、その後神社やお寺へ持って行きお炊き上げをしてもらうのが普通ですが、なんと三重県では1年中飾りっぱなしなのだとか。
なぜしめ縄を飾るの?
つボイ「だって伊勢は神様の国ですから」
小高「お正月だけじゃなくて、いつも神様がいるからか!」
そもそもしめ縄とは、神様のいる神聖な場所と我々の世界とを隔てる「結界」を示すためのものです。つまり神様が宿る場所に飾ることで、不浄なものが入ることを防ぐ役割があるのです。
ことお正月のしめ縄飾りに関していえば、お正月に来る神様である歳神様を迎えるためのものであるとされています。しめ縄を飾ることで歳神様がそれを目印に家に寄ってくれるのです。
神話の時代にさかのぼり
三重県でしめ縄が年中飾られる理由には、とある神話の言い伝えが関係しているようです。
それはスサノオノミコトが伊勢を旅していた時のこと。スサノオノミコトは宿に困り、蘇民将来・巨旦将来という兄弟の元を尋ねます。裕福な巨旦は断りますが、貧しい蘇民は快く受け入れたそう。
このことを喜んだスサノオノミコトは、「蘇民将来の子孫だと書いて茅の輪とともに門口に飾っておけば、子孫代々病気を免れる」と言い残したというものです。
この「蘇民伝説」が由来となり、この辺りの地方では「神様を迎えるための飾り」というよりも「無病息災を願う飾り」としての意味合いが強く残っているため、年中飾っているようです。
また、一般的なしめ縄には「笑門」や「千客萬来」などと書かれた木札が付いていることが多いですが、この地方のしめ縄には「蘇民将来子孫家門」という文字が書かれていることも特徴的です。
片付け忘れても大丈夫!?
同じ日本と言えども、地域に基づく伝承や逸話によって神事も少しずつ違ってくるのが面白いところ。
つボイ「出雲では神無月のことを神在月って言うし、神様との距離感も色々あるよね」
小高「三重じゃなくても、ずっと飾っておいたらもしかしたら神様も間違えて来てくれるかもしれないね」
つボイ「『おっ、しめ縄あるやん。ちょっとここ寄って行こか』って?(笑)」
幸いしめ縄を片付け忘れても、縁起が悪かったり罰が当たるといったことはないようです。「片付けが億劫になっている家は、そういう言い訳をしたらいい」とポジティブな小高でした。
大切なのは、感謝の気持ちをもって丁寧に飾ること。ちなみにしめ縄を飾るタイミングは、末広がりである28日が良いとされているようですよ。
(吉村)
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