長崎市でケーキといえば「シースクリーム」。いったいどんなものか食べてみた!
長崎には地元ではメジャー、他の地域ではほとんど知られていないご当地スイーツがあります。そのひとつが名菓「シースクリーム」です。12月2日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーが、この「シースクリーム」について、長崎市内で130年もの歴史を誇る洋菓子店、梅月堂の本田時夫社長に尋ねます。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く発祥のころ
日本で生クリームの製造が開始されたのは、1923年(大正12年)のこと。一般に普及したのは第二次世界大戦後だそうです。
保存環境や原価の問題でバタークリームやカスタードクリームが主流だった中、1955年(昭和30年)に初めて生クリームを使って作られた長崎だけのオリジナルケーキがあります。それが「シースクリーム」です。
同じ九州の福岡出身の光山も聞いたことがないそうですが、長崎ではいちごのショートケーキより定番となっているとのこと。
楽しい実食タイム
本田社長「このお菓子は普通のショートケーキですが、スポンジの間にカスタードクリームをサンドして、四角に切って、その上に生クリームを絞って、黄桃とパイナップルが飾ってあります。非常にシンプルなお菓子です」
そして光山、山本衿奈、弁護士の正木裕美先生の3人でスタジオで実食しました。
山本「これは間違いないおいしさです!この甘さが沁みますし、上のフルーツの酸味がいいアクセントになっています」
正木「カスタードが入っているのでまろやかですし、すっごくスポンジがしっとりしていておいしいです」
光山「見た目が直方体、スポンジの二層になっていて、間にカスタードがはさまっている。その上に生クリームがあり、その上に黄桃とパイナップルがあります。間違いないおいしさです」
3人とも絶賛です。
シースの意外な意味
「シースクリーム」という商品名の由来を尋ねる光山。
本田社長「最初に作ったときには細長く小判型に絞ったブッセ生地に、カスタードクリームをはさんで、ホットドックのように切り口が上になるように置いていました。
絞ったクリームが細長い豆のさやに入った豆みたいにみえたので、私の父が“さや”って英語で何というのだろうとある方に聞いたら、刀の“鞘”と間違えて教えていただいて『シース』となりました。ずっと間違ったことに気付かず、十数年前にわかったのですが、もう変えられないので」
現在の形は最初に作ったものとは異なっているそうです。
本田社長「最初の形からは4回変わっています。どんどん売れるようになったので、たくさん作れるように工夫して、最初は1個ずつ小判型に絞って焼いていたのを、間に合わないので、シート状に焼いてカットして、量産できるように工夫して、今のような形になりました」
長崎市限定?
山本「どうしてパイナップルと桃なんですか?」
本田社長「私の父が最初に考えたときに、まず簡単に使えるフルーツはみんな缶詰でした。生のフルーツはなかなか使えないし、長く置いておけない。そこで缶詰のフルーツを使ったんです」
光山「長崎にしかないんですか?」
本田社長「うちが最初に始めて非常に人気が高くなったので、他のお菓子屋さんも作るようになって、長崎市内では割とみなさんお作りになっています。長崎県内といっても長崎市だけと言っていいような、非常に限定的なお菓子です」
ケーキといえば
長崎市民の方にとって、「シースクリーム」はどんなスイーツなんでしょうか?
本田社長「長崎市内では小さいときから食べていたから、ショートケーキといえばシースクリームと思っている方が断トツ多いです。いちごのショートより、ケーキといえばシースクリームという印象の方が多いです」
光山「全国に広めようという野望はないですか?」
本田社長「いま工場から冷凍でお送りできるようにはしていますが、ぜひ長崎に来て、食べてください」
ぜひ長崎へ行って、その風景の中で食べてみたいものです。
(みず)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。


