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「先発はリリーフに対応できる?」井端弘和監督の質問に川上憲伸が明かした本音

「先発はリリーフに対応できる?」井端弘和監督の質問に川上憲伸が明かした本音

CBCラジオ『ドラ魂キング』、「川上憲伸、挑戦のキセキ」は、野球解説者の川上憲伸さんが、自身のプロ野球人生を「挑戦」という視点から振り返るコーナーです。11月19日の放送では、1997年のドラフト同期入団で、現在侍ジャパン監督を務める井端弘和さんについて語りました。夜の電話で先発投手のリリーフ対応について相談を受けた川上さんが、その技術的な難しさを明かします。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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「僕なら無理」監督の重圧

同い歳でドラフト同期入団の井端監督について尋ねられた川上さんは、開口一番「もう僕なら無理。このプレッシャーは無理。絶対無理ですね」と繰り返しました。

宮部が「無理ではないけど」と促しても、「いやいやいや、無理ですよ」と強く否定します。

「『監督っていいじゃない』とか、『日本をまとめられるんだよ』とか、そういう問題じゃないですからね。すごいプレッシャーだと思います」

日本代表の監督という立場について川上さんは、こう語ります。

「僕らは『いよいよだ』とか、『日本の全てを出し切ってほしい』とか、『良さを出してほしい』とか、『井端監督に託した』とか、こんな軽々言ってるんですけど」

しかし井端監督にとっては、WBCが近づいてきたからではなく、ずっとその気持ちが毎日続いているのだと川上さんは指摘します。

前回WBCで栗山英樹監督が素晴らしい成績を残していたこと、そして井端監督自身が監督として経験したことのない世界大会であることも、さらなる重圧となっています。

夜の電話相談

川上さんによると、井端監督は選手個人個人の性格を意識して、どういう対応をしていったらいいかを最も考えているそうです。

実際、1年ほど前には夜に電話がかかってくることもありました。「あのピッチャーって、ケンどう思う?」「俺ちょっとパ・リーグわかんないんだよね」といった相談が寄せられたといいます。

川上さんは、先発投手のリリーフ起用についても相談を受けました。

「ケンちゃん先発じゃん。例えばリリーフに回った時って、その状況に普通に対応できるもんなの?」という井端監督の質問に、川上さんは「それはできないよ、普通は」と答えたといいます。

「でもどうだろうな。『1イニングだけ頑張れよ』と言われると難しくなるけど、『なんとか繋いでくれ、次まで』っていう感じで言ってもらえたら、ちょっと気持ちが楽になったりするよねとか」

このように、先発投手目線からのアドバイスを送ることもあったそうです。

見せ球が使えない難しさ

川上さんは自身の経験として、台湾でのオリンピック予選の話を持ち出しました。当時リリーフで登板し、「むちゃくちゃきつくて、自分じゃないなっていう感じで投げてた」と振り返ります。

しかし実際の北京オリンピックでは、1イニングで終わらないという意識で繋いでいくことに専念し、先発投手ならではの終盤のパワーを活かすことができたといいます。

先発投手は通常4種類の変化球を持っており、1巡目は2種類ぐらいで賄いたいと考えます。それ以外では様子を伺う見せ球を使うため、決め球が生きてきます。

しかし、1イニングだけの登板となると、自分の中で一番最高級の変化球をチョイスして連発しなければならないといいます。全ての球をフィニッシュ球にしなければならず、見せ球を使う余裕もない。普段やっていないことをしなければならない難しさがあると語りました。

実はこの電話の途中で川上さんは寝てしまい、井端監督から「今寝とったでしょ。じゃあ切るわ」と言われてしまったといいます。

気軽に相談できる関係でありながら、お互いをリスペクトし合う。そんなふたりの特別な絆が感じられるエピソードでした。
(minto)
 

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