CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

全日本体操種目別選手権女子決勝|岸里奈が2冠達成!世界女王の圧巻演技と感動のドラマ

全日本体操種目別選手権女子決勝|岸里奈が2冠達成!世界女王の圧巻演技と感動のドラマ
CBCテレビ

体操ニッポンの未来は明るい!そう確信させる熱戦が、群馬県の高崎アリーナで繰り広げられた。2025年11月13日から16日にかけて開催された「第79回全日本体操種目別選手権」。この大会は、各種目のスペシャリスト日本一を決める、年に一度の真剣勝負の舞台である。
今年は特に豪華な顔ぶれが揃った。パリオリンピック金メダリストの岡慎之助、世界体操金メダリストの橋本大輝、南一輝、角皆友晴、そして女子からも岸里奈や岡村真など、日本の体操界を牽引するトップアスリートたちが集結。まさにオールスター戦ともいえるこの大会で、女子決勝は数々のドラマを生んだ。

関連リンク

【ハイライト動画】女子・ゆか優勝!岸里奈選手の演技をがこちら【第79回全日本体操種目別選手権】

跳馬 - 宮田笙子、王者の跳躍で頂点へ

CBCテレビ

まず火花が散ったのは跳馬。この種目を制したのは、順天堂大学の宮田笙子であった。1本目にDスコア5.000の技を繰り出すと、Eスコア8.966という高い評価を獲得。2本目も安定した演技を見せ、決定点13.999をマークし、見事優勝を果たした。日本を代表する選手として、その実力を遺憾なく発揮した形だ。
2位には鶴見ジュニア体操クラブの阿部由依が13.783で、3位にはバディ塚原体操クラブ/大智学園の馬場紗里が13.683で続いた。上位陣のスコアは僅差であり、決勝がいかにハイレベルな戦いであったかを物語っている。宮田の安定感と勝負強さが、この激戦を制する決め手となった。

段違い平行棒 - 逆境を乗り越えた中島楓琳、執念の初優勝

CBCテレビ

今大会で最もドラマチックな優勝を飾ったのが、段違い平行棒の中島楓琳(日本体育大学)だろう。実は中島、前日の団体戦で器具に顔をぶつけ負傷するというアクシデントに見舞われていた。万全とは程遠いコンディションの中、彼女は驚異的な精神力を見せる。
決勝の舞台で中島が選択したのは、Dスコア6.000という高難度の構成。リスクを恐れない攻めの姿勢が、見る者の心を揺さぶった。大きなミスなく演技をまとめ上げ、Eスコア8.066を叩き出す。合計14.066というスコアは、他の追随を許さなかった。怪我という逆境を乗り越えて掴んだ栄冠は、彼女のキャリアにおいて大きな意味を持つに違いない。
2位には鯖江高等学校の江口遙が13.966で入り、3位にはなんば体操クラブ-ngc/相愛学園の南埜佑芽が13.666で続いた。前回この種目の覇者であった中村遥香は、落下した影響もあり12.600で7位という結果に終わった。新女王の誕生は、女子段違い平行棒の勢力図に新たな動きをもたらすかもしれない。

平均台 - 世界の舞台で培った貫禄、岸里奈が圧巻の演技

「静寂の女王」を決める平均台。幅わずか10cmの上で繰り広げられる究極の戦いを制したのは、やはりこの人だった。10月の世界体操個人総合で6位となった岸里奈(戸田市スポーツセンター/クラーク記念国際高校)が、その貫禄をまざまざと見せつけた。
Dスコア6.200という世界トップクラスの構成を、揺るぎない安定感で実施。Eスコアも8.300という高評価を受け、合計14.500という圧巻のスコアで優勝を決めた。その卓越した技術と精神力は、日本の至宝と呼ぶにふさわしい。
そしてこの種目では、もう一つの感動的な物語があった。3位に入ったのは、日本体育大学の芦川うらら。今年限りでの引退を表明している彼女にとって、これが最後の全日本選手権であった。Dスコア6.000の構成をまとめ上げ、14.133をマーク。有終の美を飾る見事な演技で、そのキャリアに一つの区切りをつけた。彼女の美しい演技は、ファンの記憶に永く刻まれることだろう。

ゆか - 岸里奈が2冠達成!表現力で魅了

CBCテレビ

最終種目のゆかでも、主役は岸里奈だった。平均台での圧巻の演技の勢いそのままに、ゆかでも躍動。Dスコア5.900の演技を高い芸術性とともに披露し、Eスコア8.266を獲得。合計14.166で、見事今大会2冠を達成した。技術的な強さに加え、観客を惹きつける表現力は彼女の大きな武器だ。
2位にはケガから復帰した米田功体操クラブ/星槎国際横浜の山口幸空が13.566で、3位には同じく米田功体操クラブ/星槎中学校の小川莉昊が13.466で入り、若手の台頭を印象付けた。一方、跳馬を制した宮田笙子は13.200で5位、前回大会の段違い平行棒覇者・中村遥香は13.100で6位と、実力者たちが上位にひしめく厳しい戦いとなった。
岸里奈の圧巻の2冠、中島楓琳のアクシデントを乗り越えての劇的な優勝、そして現役最後の演技で表彰台に上がった芦川うららの勇姿。それぞれの選手の物語が交錯した高崎アリーナは、体操というスポーツの厳しさと美しさ、そして何よりもその魅力を我々に教えてくれた。彼女たちの戦いは、これからも日本の体操界を熱く、そして明るく照らしてくれるに違いない。

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP