礼儀正しい?奈良のシカはなぜお辞儀するの?
11月5日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』、この日のテーマは「えぇ~!」。奈良を訪れたリスナーAさんから、鹿とのエピソードが寄せられました。奈良公園ではないのに、歩道にも道路にもそこらじゅうに鹿が。話しかけるたびに、何度もぺこりとお辞儀をする姿に感動したというAさんでしたが、鹿のお辞儀には別の目的が隠されていたようです。
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Aさんは先週金曜日、奈良国立博物館の正倉院展を見に出かけました。高速バスで近鉄奈良駅に到着し、雨の中を博物館に向かって歩き始めたところ、驚きの光景が広がっていたといいます。
「歩道のあちこちに鹿がいる。えっ?鹿って奈良公園の中にいるもんじゃないの。でも鹿は歩道の木の根元にも座ってる。道路も普通に渡ろうとしてる。はしゃぐ外国人とツーショットにも収まってる。とにかく鹿、鹿、鹿」(Aさん)
糞もあちこちに散らばっており、踏まないように歩くのに苦労したそうです。博物館を見終えて、東大寺へ着いても状況は変わらず。
「こんなにたくさんの鹿がどうやって暮らしてんの?奈良は盆地で底冷えもするだろうし、餌の取り合いや縄張り争い、派閥はないのかと心配になりました」(Aさん)
売店の鹿せんべいは売り切れだったそうです。
ぺこぺこお辞儀の真相
東大寺近くの和菓子屋さんに寄って店を出ると、軒下にいた鹿と目が合いました。
「雨足が強かったので雨宿りをしていたんでしょうね。私が『雨宿りしてんの?』と話しかけたところ、鹿は静かにぺこりとうなずきました」(Aさん)
「寒くない?」と言うと、またぺこり。「目の前は通りだから気を付けてね」と言うと、またぺこり。
「行儀のいい鹿さんだなと思いました」(Aさん)
しかし後で聞いたところ、これは鹿せんべいをもらうための「鹿の芸」。うなずいているように見えるのは、実は鹿せんべいを欲しがっているサインだと教えられたといいます。
「そうか、何も渡せないおばちゃんに話しかけられてごめんね」(Aさん)
環境を理解する鹿たち
北野「鹿からしたら、頭下げ損やがな。『いつくれるんだ?頭下げてんのに、気ぃ利かんやっちゃな。素人ちゃうか、こいつ奈良の』と思われたと思いますよ。鹿に」
松岡「(笑)奈良素人」
北野「頭下げてくる鹿には、ちゃんとエサをあげなあかんのですよ」
鹿は実際に増えており、元々野生動物なのでいろいろなところにいるのは当然だと説明する北野。
北野「だから普通にそこらじゅうにおりますよ。お出かけもします。近鉄奈良駅降りて階段上がったとこら辺の歩道のとこにもボケーっと寝そべってます」
奈良では鹿は神の使いとされており、人間を警戒しないそうです。
神の使いの賢さ
松岡「でも、そんなにいると思わなかったから、ちょっとびっくりしました」
北野「そこらじゅうにおるよ」
北野によると、普通の野生の鹿に比べて奈良の鹿は自分たちの環境をよく理解しており、頭がいいのだといいます。攻撃してくる人もいないし、鹿せんべいをくれる観光客がたくさんいることを知っているから、住みやすくて増えているのだと説明しました。
神の使いとして守られ、観光客からエサをもらえる環境を理解している奈良の鹿たち。その賢さとしたたかさは、まさに長年この地で生きてきた証なのかもしれません。
(minto)
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