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つボイノリオが語る60年代ポップスの思い出

つボイノリオが語る60年代ポップスの思い出

11月3日はレコードの日。この日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』ではつボイノリオがお気に入りのレコードについて語りました。「金太の大冒険」を始めとした数々の楽曲を世に出してきたつボイノリオに影響を与えた青春のポップスを、当時の思い出と共に振り返ります。

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お小遣いで買っていたレコード

自身もシンガーソングライターとして活動するつボイは、物心つく頃から音楽に親しんでいたそう。

小高「レコードもたくさん持っていたんですよね」

つボイ「たくさんじゃないんです。小遣い少なかったから」

当時のEPレコードは1枚300円程。中学生だったつボイのお小遣いは月に500円。レコードを買ったら月のお小遣いの半分以上がなくなってしまいます。

つボイ「小遣いは結構レコードに使っていたんですが、それでもあまり買えはしませんでした。私の血と涙の結晶ですよ」

これに対し「わかるわ!」と共感する小高。

小高「私も月500円やった。『りぼん』買うか、それとも『なかよし』買うかでいつも悩んでた」

お小遣いをどうやりくりして好きな物を買うか悩むのは、いつの時代も同じのようです。

英語も身につく

そんなつボイが少ないお金を工面して買っていたという思い出の曲を紹介します。まずはアメリカのボーカル・グループ、フォー・シーズンズの「シェリー」。
1962年の楽曲で、翌年には日本でもダニー飯田とパラダイス・キングが九重佑三子さんをボーカルに立てて日本語でカバーし大ヒットしました。

お小遣いだけではあれもこれも買えないため、厳選して本当によさそうなレコードだけを選んで買っていたというつボイ。「シェリー」は絶対に人気になるぞと思って買ったら、本当に大ヒットした曲だとか。

つボイ「親には『そんな曲ばっかり聞いていないで勉強しろ!』と怒られたんですが、結構勉強になるんですよ」

英語の詩を通して「日本語英語ではなく実用的な英語が身につく」と続けるつボイ。
今と違ってネットで検索やAIで翻訳ができるわけではないので、好きな曲を知るためには自分で調べなくてはなりません。

小高「洋楽を聞きながら辞書を片手に一生懸命翻訳するのは、みなさんそれぞれの世代で結構経験があるんじゃないかな」

ありがたいシングル

続いて紹介した思い出の曲はビートルズの「レディ・マドンナ」。
日本では1968年4月21日に発売されました。ジャケットには「ビートルズ、68年初のシングル」と書かれており、価格は370円だったそう。

つボイ「ビートルズはアルバムもたくさん出してましたけどね、お金のある人はアルバムを買えたでしょうけど、僕らはシングルが出ないかなとずっと思ってたんです」

待望のシングルレコードということで、思い入れが深いようです。

つボイ「普通はまず聴いてみて、いいなと思ったら買うじゃないですか。でも高校の頃、裕福な友達がいて。彼はビートルズの大ファンだったので、レコードが出たらまず買うんですよ」

「いいな」と思ったら買うのではなく、買ってから好き嫌いを判断していたというつボイの友人。そんな彼がとても羨ましかったようです。

小高「つボイさんはなけなしのお金で買うから、究極の一枚を選んで買わないといけなかったもんね(笑)」

戦後の洋楽文化

しかし、そんな友人にも苦労があったのだとか。ビートルズなどの洋楽を聞いていると、父親に怒鳴られていたそう。

つボイ「父親が戦時中に建てたばかりの家がアメリカ軍の空襲で燃えてしまったので、英米というものが大嫌いだったんです」

小高「時代やね(笑)」

「こんなもの聴いてて何が面白いんだ!」と目くじらを立てる父親から隠れてこっそり洋楽を楽しんでいたという友人。戦後すぐのころは敵国のものと倦厭されていた洋楽でしたが、しだいに異国文化への憧憬が強まっていったこともあり、若者を中心に馴染みのあるものになっていったようです。

洋楽という変化が加わり音楽市場が一段と活気づいていった1960年代は、シンガーソングライターつボイノリオの礎を作った、まさに青春と言える時代だったのでしょう。
(吉村)
 

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