政治活動で「投げ銭」が新たな収入源に?

動画のライブ配信で今や定着した「投げ銭」文化。動画を観ているファンが配信者に対して応援の意味を込めてお金を送ることですが、高額の投げ銭が社会問題化しているという意見もあります。その投げ銭文化がさまざまな分野で広がりつつあるそうです。6月13日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、竹地祐治アナウンサーが「投げ銭」にまつわる2つのニュースを取り上げました。聞き手はパーソナリティの天野なな実です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く郡上おどりで投げ銭を導入
1つ目は10日の中日新聞の記事から、岐阜県郡上市の「郡上おどり」に関する「投げ銭」の話題。
「郡上おどり」は7月中旬から9月上旬にかけて30夜以上開催される盆踊りで、日本三大盆踊りのひとつに数えられているだけではなく、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
その運営費の8割近くは市の補助金によって賄われていますが、市の税収が増えているわけではないにもかかわらずお客さんはどんどん増えているという状況。
さらに日本ならではのイベントで、インバウンド客も増えています。
さらに物価高という状況で運営費がかさむ中、新たな資金源として考えられたのが「投げ銭」の導入。
会場の2か所に現金の募金箱を置き、1か所にクレジットカードや交通系電子マネーが利用できる電子決済端末を置いて、投げ銭をお願いするとのことです。
政治家が動画で投げ銭をもらう?
2つ目は7日付の毎日新聞の記事から、「投げ銭」がそのまま政治の世界にも導入されているという話題。記事には「『投げ銭』政治資金?所得?」という見出しが付けられています。
一部の党や議員は、すでにSNSを活用しています。
さらにライブ配信を行い、その中で投げ銭をもらえれば政治資金の獲得にもつながり一石二鳥ではないかという動きが広まっているそうです。
YouTubeなどのライブ配信で視聴者が配信者にお金を送ることができる「投げ銭」は、数百円から数万円まで自由に送金できます。
画面に表示されるのと、場合によっては配信者が画面を通じて名前を呼んでお礼を述べることで、ファンのモチベーションが高くなり、さらに他の視聴者にも「投げ銭」へ誘引する効果があります。
政治資金問題は解消されないまま
このしくみを政治家が活用すると政治資金が得られるというわけですが、竹地は怖い面もあると指摘します。
竹地「今はポピュリズムの政治じゃないですか。民主主義というよりも、どうしても誰か有名な政治家が何かひと言言うと、という時代になってきてしまってるから、案外こういうしくみと結びつきやすいんですよね」
現在、国民1人あたり250円を負担して政党交付金が配られていますが、これは本来、企業献金の廃止を目的として負担しているにもかかわらず、企業献金は廃止されないまま。
さらに以前問題になった政治資金集めのパーティも開催されています。
竹地は政治資金の獲得方法が整理されないまま、さらに投げ銭まで取り込んでいることに対し、「そういったことを積極的にやっている党に支持できるのかできないのかという意思表示も(参院選の投票で)できるのかなと。ワンイシュー、1つのテーマで投票するのはどうかと思うんですけど、よくよく考えてという部分はあるのかなと思います」とまとめました。
(岡本)
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