建築費用350億!万博終了後の大屋根リングの未来は?

共同通信のアンケートによると、大阪・関西万博の会場のシンボル「大屋根リング」について、閉幕後にどう扱うべきかの質問に対し、およそ80%が「保存するべきだ」と回答したことがわかりました。さまざまな騒動を乗り越え、開幕から約2ヶ月、閉幕後の事についてもやや揉めそうな気配があるようです。6月11日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この話題について、つボイノリオと小高直子アナウンサーがリスナーの投稿を交えて解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く保存派が多数
アンケートは先月下旬に会場で実施し、557人から回答を得たとのこと。
保存の形態については、現在のようにリングに登れる形を求める声が目立ちました。そして保存するべきだと答えた人のうち、「登れる形でリングの一部を残す」が42%、「全体を残す」が41%を占めたようです。
また、「モニュメントのような形で一部だけ保存」は11%、「解体して木材をベンチのようなものにして保存」は5%。一方で保存に否定的で、「解体して処分するべき」と答えたのは10%でした。
つボイ「万博へ行った人達は、保存すべきではないかという意見ですね」
費用面の懸念
しかし「じゃあ残しましょう」と簡単にはいかない理由があるようです。
「大屋根リングは保存に適さない集成材でできていて、仮設建築扱いの設計になっているそうなので、長期間の耐久・耐震を保つためには補強が必要になるようです」(Aさん)
つボイ「あれはこの半年のためのものですから。残すのであればさらに手を加えないといけません」
小高「素晴らしい建築物を見て、残したいとか登れるまで保存して欲しいと感じる気持ちはわかる。でも一方で実際にそれをやっていくとなると、保存するにも費用が掛かるし。ましてや木造なので、登れる形で維持となるとかなりお金がかかりますよね」
ただでさえ圧迫されている財政面を一体どうやってクリアしていくのか。保存の道を選ぶのならば、綿密な議論を重ねていく必要があります。
建築にかかった費用
すでに何度か万博へ足を運んでいるつボイも、実際に大屋根リングを見て感動したそう。
つボイ「『これを半年で壊してしまうのか』と思うくらい立派です」
しかし立派な建造物であるのはそれもそのはず。建設にかかっている費用が莫大なのです。
つボイ「あれで350億かかっているんですよ。さっきのリスナーさんの投稿にもあったけど、そう長持ちする建材使ってるわけじゃないのに」
大屋根リングに使用されている集成材とは、木材同士を接着剤で貼り合わせて作られた材料です。接着剤の寿命が直接木材の寿命に影響を与えるため、耐用年数が短い傾向にあります。
「世界最大の木造建築物」として世界的にも話題になり、万博のシンボルにふさわしい出で立ちではありますが、その分コストもかかっているというわけです。
半年で消える350億
つボイ「『350億のものを半年で壊すか?』と、眺めながらそういう気持ちになってくるんですよ」
小高「でも保存するともっとお金がかかるという問題もあるし、解体するにしてもお金はかかるし」
一方で万博協会ではこんな動きも。
「大屋根リングに使われた木材の引き取り先を公募するそうです。無垢材ならともかく集成材には接着剤が使われているので、ガスが出ないか心配です。ベルリンの壁みたいにバラバラにして記念品にしたら、大阪花博みたいに持ち帰る人がいるかもしれません」(Bさん)
保存するのか解体するのか。そしてどんな形で保存し、どの程度解体するのか。詳細はまだ決まっていません。
つボイ「何にしても税金が使われているわけですから。350億を半年のために使ったんか、という話ですよ」
「こういうお金の使い方ってええんかな」と疑問を呈するつボイ。全員が納得できるような解決方法は、まだなかなか出てこなさそうです。
(吉村)
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