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井上竜はシーズンをどう締めるのか?本拠地ラスト5連戦への叱咤激励

井上竜はシーズンをどう締めるのか?本拠地ラスト5連戦への叱咤激励
バンテリンドーム:筆者撮影

3年ぶりに新監督を迎えて戦ってきた中日ドラゴンズの2025年(令和7年)ペナントレースも、残すところ11試合となった。クライマックスシリーズ出場が極めて難しくなった中、いよいよ本拠地バンテリンドームとしてはシーズン最後の5連戦を迎える。(敬称略)

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遠ざかる13年ぶりのCS出場

誠に残念な結果に終わった。神宮球場、マツダスタジアム、そして甲子園球場と、敵地で続いた7連戦は、13年ぶりのクライマックスシリーズ出場へ“ラストチャンス”だった。ファンとしては“当然”7連勝を夢見たが、終わってみれば2勝5敗という厳しい現実が待っていた。それが“必然”であったのか。投手交代の遅れや攻撃の拙さが目につく、実にもったいない敗戦もあった。圧倒的に打ち負けた惨敗もあった。

負け越し14という現実

井上一樹監督率いる新生ドラゴンズ、ここまで132試合を戦って、58勝72敗2分で、借金は14である(成績は9月15日現在)。シーズンを通してふり返ると、相次ぐケガ人の中「よく頑張った」という印象もあるのだが、ちょうど1年前の立浪和義監督3年目、同じ試合数を終えた時の借金は16だった。ほぼ同じ負け越し状態である。最終的には3年連続の最下位になってしまった2024年(令和6年)だが、さすがに同じ轍を踏むわけにはいかない。9月17日からは、本拠地バンテリンドームで今季ラストの5連戦がある。井上竜はそこでどんな戦いを見せてくれるのか。

金丸の3勝目を観たい!

金丸夢斗投手(C)CBCテレビ

投手で期待したいのは、まず金丸夢斗だ。先発マウンドに立つだろう。4球団競合のドラフト1位ルーキーは、好投すれど勝ち星に恵まれない中、9月10日に神宮球場で、ほぼ1か月ぶりの2勝目を挙げた。5月のデビュー以来、ほぼきちんとローテーションを守って来た金丸。その3勝目を観たい。来季は先発投手陣の中心になってもらわなくては困る存在だけに、きっちりと本拠地で勝利を刻んでほしい。

宏斗にはエースの投球を!

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

先発では、もうひとり高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)に意地を見せてほしい。エース道を歩み始めるシーズンと期待したが、ここまでまさかの6勝10敗と4つの負け越し。まだまだ「エース」の称号は早いのかもしれない。開幕投手をつとめたものの、調子の波に乗り切れない状態が続いている。金丸と共に“左右の両輪”として来季へ向かうためにも、「これが次期エースだ」という圧巻の投球を披露してほしい。

松山にはセーブ王を!

松山晋也投手(C)CBCテレビ

今年から抑えをまかされてきた松山晋也には、ぜひ最優秀救援投手のタイトルを取ってほしい。ケガによる1か月の離脱があったものの、それでもセーブ数は讀賣ジャイアンツのライデル・マルティネスと並ぶ41を重ねてきた。ここまできたら、ドラゴンズを去っていった元・同僚に投げ勝ってもらいたい。ホームでの5連戦、毎試合でもいいので、3アウトを取った瞬間の勝利のOKサインを目の当たりにしたい思いである。

とにかく打て!岡林と細川

岡林勇希選手(C)CBCテレビ

打つ方では、最多安打のタイトルがかかる岡林勇希に、とにかくヒットを積み重ねてほしい。チームでただひとり全試合出場を続けている岡林、その安打数はチームの勝利に直結する。3年連続のホームラン20本まで残り3本の細川成也には、慣れ親しんでいるドームで、本塁打を一気に量産してもらいたい。シーズン最終盤になると、まず個人タイトルに注目が集まることは寂しくもあるが、個人が活躍すればチームも浮上できる。選手たちには、自分のためにもファンのためにも、プロらしい全力プレーを見せてもらいたい。

井上采配が問われる時

井上一樹監督(C)CBCテレビ

そして、いよいよベンチの采配と球団の将来ビジョンが問われる時が来た。クライマックスシリーズ出場へ可能性がある限り、ベストメンバーで戦うことは重要だが、来季を見据えることも忘れてならない。今季の井上ドラゴンズ、よく見ると昨季までの立浪監督時代からの“遺産”で戦ってきている。スタメンでの新たな顔は、新人キャッチャーの石伊雄太だけである。井上監督は、これから“自前のレギュラー選手”を育てていかなければならない。期待の筆頭は、今季ウエスタン・リーグで8本のホームランを打っている、高卒ルーキー・森駿太である。1軍での初打席を経験させるのか、それは来季へのお楽しみにするのか、ここからの注目である。

ファンの応援は“一生もの”

これまで繰り返してきた持論だが、監督も、コーチも、選手も、そして球団フロントも、それぞれに“任期”がある。言わば「期間限定」であり、時が来ればチームを去る。しかし、ドラゴンズを応援する我々ファンは“一生もの”、祖父の代から、親の代から、応援し続けているファンも多い。そして、その応援は「期間限定」の顔ぶれが去った後も、脈々と続いていく。バンテリンドームの観客動員数は好調だが、そこに甘んじてもらうことだけはご勘弁願いたい。そのためにも、常に竜党に“夢”を、そして“将来の姿”を見せる使命を忘れてほしくない。

泣いても笑っても残り11試合。本拠地での公式戦も今回の5連戦で締めくくりとなる。目の前の夢、そして、将来の夢。そんな沢山の“夢”を見るために、本拠地ドームのスタンド席へ通う1週間になりそうだ。                                                           
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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