ウクライナ紛争に転機?プーチン大統領が3年ぶり直接交渉を提案

ロシアのプーチン大統領が11日、ウクライナに対して直接交渉を提案しました。実現すれば、2022年の戦争開始直後以来、およそ3年ぶりの直接対話となります。5月12日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がこの動きの背景と今後の展望について解説しました。
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プーチン大統領は直接交渉の場としてトルコ・イスタンブールを提案しました。
この提案の直前に、ウクライナ・ヨーロッパ諸国・アメリカはロシアに対して30日間の停戦を求めていましたが、ロシアはその回答期限が切れる前に、直接交渉という新たな逆提案を行ないました。
つまり、ロシアは30日間の停戦提案には明確に応じず、逆に直接交渉という新たな提案を行なった形です。
石塚はこの提案について、プーチン大統領が国際社会に対して停戦に前向きな姿勢をアピールする狙いがあるのではないかと分析します。
停戦要求と交渉のハードル
ウクライナ側は直接交渉自体には前向きな姿勢を示しながらも、「交渉の前に30日間の停戦を行なうべきだ」という立場を崩していません。
しかし、直接交渉が本当に行なわれるかどうかはいまだ不透明です。
ウクライナ側は12日から30日間の停戦をやらないのであれば、直接交渉自体が成立しないと主張。これに対してプーチン大統領がどう対応するかが注目されています。
ウクライナからの停戦提案をロシアが受け入れれば、ロシアが提案した直接交渉も進められるという状況です。
また、ヨーロッパ側はロシアが停戦に応じない場合、経済制裁を追加する可能性も示唆しており、ロシアとウクライナの直接交渉の実現は、なお不透明な状況が続いています。
トランプ政権の揺れる姿勢
「トランプ大統領も『ロシアはちゃんと停戦に応じるべきだ』と発言し、追加制裁についてヨーロッパ側とアメリカが議論しているという言い方をしています」と石塚は指摘します。
ウクライナとロシアの戦争を語る上で外せないのは、やはりトランプ大統領の動きです。
以前はプーチン大統領寄りに見える発言をしていたトランプ大統領ですが、光山は「ロシアとの親密性はあまり感じなくなってきた」と指摘します。
前任のバイデン大統領が明確に反プーチン派でウクライナを支援する姿勢だったのと対照的に、トランプ大統領は当初プーチン寄りに見える発言をしていましたが、最近はその姿勢に変化が見られます。
関税交渉などを含め、トランプ政権の政策全般が必ずしも順調とは言えないことも、この変化に影響している可能性があります。
「『言い過ぎた、やり過ぎたかな、こっちに揺れた方がいいかな』というのもあるのは確かですね」と石塚は締めくくりました。
ロシアとウクライナの直接交渉が実現するのか、そして停戦への道筋がつくのか、今後の動向が注目されます。
(minto)
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