リチウムイオン電池のリサイクルが重要な理由

小型・軽量で寿命が長いことから、数々の家電製品で使われているリチウムイオン電池。便利になった反面、廃棄については課題があるようです。5月7日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、リチウムイオン電池の廃棄方法について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。
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リスナーから、大阪・関西万博の会場内ではスマホ必須になるため、モバイルバッテリーを購入したという投稿が届きました。その中に気になることが書かれていました。
「モバイルバッテリーはいつか廃棄することになりますが、折しも政府がその処分方法を指導していくことが発表されました。現在回収方法を決めている市区町村は8割弱、今後は各市区町村が責任をもって廃棄場所を決めていくことになりそうです」(Aさん)
モバイルバッテリーに使用されているのがリチウムイオン電池。
スマホやパソコン・電動歯ブラシ・ワイヤレスイヤホン・ブルートゥーススピーカー・ハンディ掃除機など、多様な家電に使われています。
最後に「廃棄場所や廃棄方法を認識しておく必要がある」と書いたAさん。
つボイ「こういう意識、我々現代人は持たないといかんね」
小高「小型家電ばかりじゃないですよ。家庭用蓄電池・電気自動車・ハイブリッド自動車など大型のものにも使われてますよ」
便利で多くの生活用品に使われている反面、取り扱いには注意が必要な面もあります。
発火リスクも
便利な一方で、モバイルバッテリーやスマートフォンが発火したというニュースもよく耳にします。
つボイ「ごみ処理施設が火事になってしまったというニュースを聞いたことがありますよ」
小高「長年使ったものは、強い衝撃を受けることで火が出ることがあるんです。ごみ収集車で潰されたり、持ち運びの際に衝撃が加わって火災につながる事故が増えているそうですよ」
埋め立て処分も土壌汚染につながります。
また安易に燃えるごみなどに紛れ込ませて捨てると、火災や爆発の恐れがあることから環境省が各市区町村に説明を行っていくとのことです。
レアメタル
リチウムイオン電池の原料にはリサイクル可能なリチウムが含まれています。
実は「レアメタル」のひとつであるリチウム。寿命が来たとしても収集によって貴重な資源を回収できるのです。
その他にもコバルト、ニッケル、タンタル、タングステンなど、埋蔵量が少なかったり抽出が困難なために希少な非鉄金属が含まれています。
レアメタルの主な産出国は、中国・ロシア・南アフリカ・アフリカ諸国・南北アメリカ諸国など、特定の地域に偏在しています。
特に割合の高い中国では厳しい輸出規制をかけているため、日本企業も確保に苦労しています。
しかし、世界におけるリチウムイオン電池のリサイクル率は、2022年時点で5%と高くありません。
つボイ「もったいない。捨てているというわけでしょ?」
自治体によっては回収ルールが適用されていますが、国としても統一運用を呼び掛けるべきという声もあります。
(葉月智世)
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