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2連覇へ、襷を繋ぐ「順大4人衆」~トヨタ紡織を牽引する順天堂大学OBたちの誓い~

2連覇へ、襷を繋ぐ「順大4人衆」~トヨタ紡織を牽引する順天堂大学OBたちの誓い~
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2025年11月9日、実業団駅伝の日本一を決めるニューイヤー駅伝への出場権をかけた第65回中部実業団駅伝が開催される。昨年、大会新記録で中部地区を制したトヨタ紡織は、ディフェンディングチャンピオンとして2連覇を目指す。今年のチームの大きな注目点は、駅伝の根幹をなす3区から6区までを、箱根駅伝の強豪・順天堂大学のOBたちが襷で繋ぐことだ。
ルーキーの浅井皓貴、今季絶好調の西澤侑真、新加入の藤曲寛人、そして主将の聞谷賢人。経歴も立場も異なる「順大4人衆」は、それぞれの想いを胸にスタートラインに立つ。彼らの襷リレーでは、順天堂大学で代々受け継がれる伝統の「順大渡し」が見られるかもしれない。1秒を削り出すための魂のリレーが、チームを再び頂点へと導く。

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流れを加速させるルーキー・浅井皓貴(3区)

3区を任されたのは、トヨタ紡織期待のルーキー・浅井皓貴(あさい・こうき)だ。豊川高校から順天堂大学へ進み、箱根駅伝では3度の出場経験を持つ。大学時代にはハーフマラソンで1時間1分9秒という好記録もマークしている。
前半の重要な区間である3区について、浅井は「さらに流れを加速するような勢いづける区間」だと分析する。1年目での大役にも気負いはない。「最初から攻めて、後半はしっかり粘って1秒でも速くタスキを渡したいです」と、ルーキーらしいフレッシュな言葉で意気込みを語った。
その視線は既にはるか高みを見据えている。「3区・区間賞、チーム優勝を目指して頑張ります」。力強い宣言で、チームの連覇に貢献することを誓った。

自信を積み重ねた3年目・西澤侑真(4区)

チームの浮沈の鍵を握る「キーマン」として白栁監督から指名されたのが、入社3年目の西澤侑真(にしざわ・ゆうま)だ。第99回箱根駅伝では10区で区間賞を獲得するなど、学生時代から大舞台での強さを見せてきた。今シーズンは自己記録を次々と更新し、10000mでは27分台に突入するなど、まさに絶好調。「良い状態のまま来ているので、自信を持ってスタートラインに立てる」と語る。
好調の要因を尋ねると、「特に何か明確な理由っていうのはあんまりないかな」と謙虚に分析する。「1つ1つが積み重なって、結果に繋がったのかなとは思います」と、日々の練習と試合で得た小さな自信の積み重ねが、現在の強さに繋がっていると明かした。何かを変えた点については、「これっていうのは睡眠時間が延びたぐらい。ちなみに伸びたのは15分ぐらいです」とユーモアを交えて語る。
任された4区は、各チームのエースが集う最重要区間だ。それでも、今シーズンの結果が彼に揺るぎない自信を与えている。「コンスタントに安定した結果っていうのは自分では出せると思っている。その安定感っていうのを高いレベルで出せればいいかな」。目標は明確だ。「個人としても、自分はエース区間で区間賞を取ることが必要だと思ってますので、自分自身が区間賞の走りをしてチームに貢献できるように頑張りたい」。

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“駅伝仕事人”・藤曲寛人(5区)

今年、トヨタ自動車九州から移籍してきた藤曲寛人(ふじまがり・ひろと)は、白栁監督が「仕事人」と信頼を寄せる新戦力だ。順天堂大学時代には全日本大学駅伝で区間2位、マラソンでも2時間8分台の記録を持つ実力者だ。
しかし、移籍後は順風満帆ではなかった。「入社してからちょっと怪我もあり、2ヶ月ぐらい復帰までにかかって、陸上をやっていた中でも一番長いかなっていうぐらいの怪我」を経験。前半シーズンは出遅れたが、夏合宿で練習を積み、ようやく調子を上げてきた。
そんな彼が任されたのは、単独走になる可能性も高い後半の5区。「自分でどれだけ追い込めるかっていうところが、ポイントになってくる」と区間の特性を分析する。そして、どんな状況にも対応する“仕事人”としての覚悟を見せる。「もし流れが悪くてもやっぱり自分でゲームチェンジャーになれるような走りをしたいかなと」。チームに合流してまだ日は浅いが、その決意は固い。「チームとして優勝、また個人としても区間賞を目指していきたい。トヨタ紡織に新たな大きな戦力が加わったと印象づける走りをしたいと思っています」。

経験で勝負する主将・聞谷賢人(6区)

アンカーの一つ手前、6区を走るのはチームの主将・聞谷賢人(きくたに・けんと)だ。普段はマラソンを主戦場とする聞谷にとって、8.5kmの最短区間はスピードが求められる。「しっかりスプリントのアプローチをすることで、ちょっと大変な部分もある」としながらも、「この8.5キロっていう距離で力を出すための練習はしっかりできてるのかなと思います」と準備に抜かりはない。
6区を走るのは今回が3回目で、2022年には区間賞を獲得。「過去の経験を生かしながら走りたい」と語る。レースプランは明確だ。「とにかく休むことなく、最後まで出し続けるっていうイメージを持ってます」と、スタートからゴールまで一切緩めることなく攻め続ける覚悟をみせる。主将として、そして経験豊富なランナーとして、チームの勝利を決定づけるような走りを目指す。

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伝統の「順大渡し」は実現なるか

3区・浅井、4区・西澤、5区・藤曲、6区・聞谷。4人の順天堂大学OBが襷を繋ぐこの区間では、彼らの母校で受け継がれる伝統の「順大渡し」が見られるかもしれない。多くの大学が両手で丁寧に襷を渡す中、順天堂大学は「1秒でも早く」という信念のもと、片手で襷を渡すのが伝統だ。
つい先月の東日本実業団駅伝では、この「順大渡し」が勝敗を分ける劇的なシーンがあった。ロジスティードの四釜選手(順大OB)が、胸一つ分の差で競り勝ちトップで通過。その決め手となったのが、まさに「順大渡し」だった。
トヨタ紡織の2連覇がかかるレースで、順大OBたちの魂のこもった襷リレーがどのようなドラマを生み出すのか。彼らの走り、そして伝統の襷渡しに注目だ。

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