「子どもを抱いて会議へ」女性管理職が始めた“子連れ出社”が会社を変えた
「キャリアを積みたいけど、子育ても妥協したくない。毎日が綱渡りのよう……」
そんな悩みを抱え、一人で悩んでいませんか?
名古屋市が認定する「女性の活躍推進企業」として、2025年度(令和7年度)の企業部門最優秀賞を受賞した株式会社丸天産業(名古屋市中区)。ここで活躍する2名の女性リーダー、竹内理恵さんと土方亜紀さんも、かつては育休中に「社会から取り残される恐怖」や、復帰後の「仕事と家庭の両立」という壁に葛藤を抱えていました。
丸天産業が現在取り入れている「子連れ出社」や「時差出勤のフルタイム」といった柔軟な働き方は、女性リーダーたちが周囲との対話を重ね、一つひとつ積み上げてきた成果です。
今回は、お二人が育休中に感じた葛藤や、仕事と家庭の両立における悩みを深堀りし、自分らしい「ワークライフバランス」を見つけるまでの道のりを紹介します。
「隣の女性」のリアルな本音を伝え、「今」を生きる女性たちを応援したい――。
そんな思いからCBCテレビは「me:tone編集部」を立ち上げました。
丸天産業は空間デザインの会社。働き方もデザインする
丸天産業の創業は1950年(昭和25年)。事務用品販売から始まり、現在はオフィスや医療機関、教育機関などの空間デザインを手掛けています。

同社が目指すのは、ただ「見た目がいいオフィス」をつくることではありません。
そこで働く人が幸せを感じ、モチベーションが上がるような「働き方をデザインする」こと。その姿勢は、自社の社員の働き方にも深く根付いています。

「入社したときからこの会社が大好きです!」と笑顔で話すのは、経営企画部部長の竹内理恵さん。2009年に営業職として入社し、社内の業務改善に積極的に取り組んできた実績が評価され、2018年に管理職に抜擢されました。
「会社説明会で活き活きと話す竹内さんを見て、『この人みたいになりたい!』と思って入社しました」と語るのは、デザイン部プロモーションチームマネージャーの土方亜紀さんです。2013年に営業職として入社し、2022年に現在の部署に異動。その後マネージャーに就任しました。

お二人とも産休・育休を経験し、現在はリーダーとして組織を牽引しています。しかし、ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかったと言います。
育休の復帰は「元の場所に戻る」のではなく、新しい自分をつくる。
土方さんは2021年、同社の営業職として初めて産休・育休を取得しました。
me:tone編集部:「仕事から離れる中で、どのような不安がありましたか?」
土方さん:「休んでいる間に、職場で”浦島太郎”になってしまうのではないかという不安が大きかったですね。日々変化する職場に戻ったとき、自分の居場所があるのか……。一方で、子どもが可愛くて離れたくないという思いもありました。でも、仕事も頑張りたい。その矛盾する気持ちの間で、ずっと揺れていました」
復帰後、営業職に戻りたい気持ちはありましたが、お客様の都合で時間外の勤務や休日出勤が必要なこともある職種です。
育児しながら営業職を続けるのは難しいのではないか。不安が募った土方さんは何度も竹内さんと面談し、「どのような形で復帰するのがよいか」を話し合いました。
ちょうどその頃、会社の変革期を迎えており、プロモーションチームが新設され、リーダーとなる人材を探していました。
竹内さん:「プロモーションチームは、お客様の困りごとを言語化してプロジェクトを動かしていく力が求められます。土方さんが営業で培ってきた『お客様に真摯に向き合う力』は、ここでこそ生きると確信し、上層部に掛け合いました」
その話を聞いた土方さんは、「今の私だからできる貢献の仕方がある」と感じ、プロモーションチームで新たな道を進むことを決意しました。
2022年、土方さんは1年間の育休を終え、復帰を果たしました。

「子連れ出社」が生んだ社内の変化
竹内さんは2024年4月に出産し、育休を取得しました。その時期は、新社屋設立という一大プロジェクトのリーダーを勤めていた最中でした。
me:tone編集部:「竹内さんは、産後80日という早さで復帰されたそうですね」
竹内さん:「はい。会社が変化する中でついていけなくなるのが不安なのと、これまで積み上げてきた業務改善が崩れてしまう怖さがありました。誰に言われるでもなく、自分の素直な気持ちで早く復帰したいと思い、産後80日でオンライン会議に出席しました。そのとき、会長が画面越しに『会えなくて寂しいなぁ。そのままでいいから、子どもを抱っこして会社においでよ』と言ってくれたんです」

竹内さんが絶対的な信頼を寄せる会長の言葉に背中を押され、次の会議には首も座らない我が子を抱いて出社しました。
抱っこしながら会議を進行し、子どもが泣けば個室へ移動。
会議室と個室をオンラインでつなぎ、議論を続けることもありました。

竹内さん:「先日の会議で進行役をしていたときに、子どもがぐずってしまって。うるさくて申し訳ないという気持ちはありますが、逆にみんなが助けてくれるんです。本当にありがたいですね」
この「頼り、頼られる姿」が当たり前の風景になると、社内にも変化が起きました。
夏休み中の預け先に困った社員が、子どもを連れて出社するようになったのです。
土方さん:「竹内さんが、子連れ出社という選択肢をつくってくれました。これは、すばらしいことです。私はマルチタスクが苦手なので、敢えて子連れ出社をしたことがありません。ですが、いざという時に受け入れてくれる環境があることはとても心強いです。」
土方さんは、あえて子連れ出社をしていません。
4歳になる子どもを保育園に預け、フルタイムで仕事をしています。
子連れ出社という社風を根付かせた竹内さん。一方で、子連れ出社を選択しなかった土方さん。お二人の働き方は対照的ですが、「仕事も家庭も大切にしたい」という思いは一緒です。
後半では、自分にとって心地よいワークライフバランスと、それを実現するための方法についてご紹介します。
番組紹介
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