「帯状疱疹」恐ろしい後遺症…名医が回答!帯状疱疹Q&A!初期症状から知る帯状疱疹

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京医科大学八王子医療センター皮膚科 教授 医学博士 梅林芳弘先生です。
今回のテーマは「〜残暑こそ要警戒〜初期症状から知る帯状疱疹」
暑さによる疲れやストレスが原因で、毎年この時期になると患者が増えやすい病気があります。それが「帯状疱疹」。帯状疱疹とは、身体の神経に沿って痛みを伴う発疹と水ぶくれが帯状に生じる病気。80歳までに3人に1人が発症すると言われており、誰が罹ってもおかしくない病気だそうです。しかも、帯状疱疹を発症すると脳髄膜炎・難聴・顔面神経麻痺などの合併症を引き起こすことがあり、神経痛や視力障害などの後遺症が生じることもあるのだとか。そこで今回は、帯状疱疹の意外な初期症状や後遺症などを専門医に教えてもらいました。
「帯状疱疹」はどんな病気?

子供の頃にかかりやすく、全身の発疹と発熱を引き起こす「水ぼうそう」。帯状疱疹の原因は、それと同じウイルス。帯状に赤い発疹と水ぶくれができるのが特徴だそうです。
帯状疱疹の原因「水痘・帯状疱疹ウイルス」
帯状疱疹を引き起こす原因は、水ぼうそうと同じウイルスの「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」。子どもの頃などにかかった水ぼうそうのウイルスは、水ぼうそうが治っても消えてなくならず、身体(神経節)に潜伏します。普段は免疫力で抑えていますが、何らかのきっかけで免疫力が下がるとウイルスが再活性化。帯状疱疹にカタチを変えて神経節に沿ってかゆみや痛みを伴う発疹などを引き起こすそうです。
帯状疱疹を発症するきっかけは?
先生によると、残暑による脱水や疲れ、忙しさによるストレスなどで免疫力が下がると、帯状疱疹を発症するきっかけとなるので注意が必要とのこと。また、持病がある人や免疫を抑える薬を服用している人は、免疫が落ちて帯状疱疹を発症しやすくなるそうです。
<持病による帯状疱疹発症のリスク>
・高血圧 約1.9倍
・糖尿病 約2.4倍
・関節リウマチ 約2.0倍
・腎不全 約2.2倍
・悪性リンパ腫 約8.4倍
(※該当の持病を持っていない人との比較)
帯状疱疹の重症化を防ぐには?
先生によると、重症化を防ぐために大切なのは早期対応。ウイルスが増殖しやすいのは、発疹の出始めから72時間(3日)。そのため、72時間以内に皮膚科を受診し、抗ウイルス薬を服用すると発疹と痛みの重症化を防げるそうです。
帯状疱疹の初期症状
帯状疱疹の初期症状の1つが、刺すような痛み。発疹が出ると虫刺されやアレルギーと勘違いしがちですが、かゆみより痛みが強い場合は要注意。もう1つの特徴は、特定の神経に沿って、身体の片側だけに症状が出ること。他にも帯状疱疹の初期症状のなかには発疹の出ない神経痛もあります。痛みだけの時期に脳神経外科や整形外科を受診し、その後発疹が出てくるケースは非常に多いそうです。
<帯状疱疹の見分け方>
・帯状疱疹
痛み:強い
かゆみ:痛み>かゆみ
発疹:左右片側
水ぶくれ:多発
・チリダニ(アレルギー)
痛み:ほとんどない
かゆみ:非常に強い
発疹:全身
水ぶくれ:あまりできない
・虫刺され
痛み:軽度
かゆみ:かゆみ>痛み
発疹:刺された部位
水ぶくれ:できても1・2個
カーペットなどに潜む「チリダニ」は、アレルギーの原因にはなりますが人を刺したりすることはないそうです(※家にいるダニのうち「ツメダニ」「イエダニ」はまれに人を刺すこともあります)。
帯状疱疹の恐ろしい後遺症
帯状疱疹の発疹は神経に沿って現れるため場所はさまざまですが、大事な神経が密集する顔にできると、恐ろしい後遺症を引き起こすこともあるそうです。例えば、角膜に潰瘍ができると視力に影響を及ぼし、最悪の場合失明することもあるのだとか。他にも、発疹が顔にできると難聴や顔面麻痺などの後遺症につながる恐れがあるそうです。
名医が回答!帯状疱疹Q&A
<Q.再発の可能性は?>
帯状疱疹は治療後も水痘・帯状疱疹ウイルスは身体の中に残ります。そのため、再発の可能性はあるのだとか。ただし、再発するケースは数%程度とそんなに多くはないそうです。
<Q.帯状疱疹が命に関わることはある?>
先生によると、帯状疱疹で命を落とすことはほぼないそうですが、まれに「脳炎」を起こすことがあるのだとか。すると、意識障害・幻覚・けいれんなどを起こし、人格変化や認知機能低下などの後遺症につながることがあるそうです。
<Q.帯状疱疹ってうつるの?>
水ぼうそうと同じウイルスの帯状疱疹は、水ぼうそうに罹ったことがある人には免疫があるためうつりませんが、罹ったことがない人にはうつり、水ぼうそうとして発症する可能性があるそうです。しかも、大人になってからの水ぼうそうは肺炎や脳炎などの合併症を引き起こしやすく、重症化のリスクが高いと言われているため注意が必要なのだとか。帯状疱疹ウイルスは、物を介した感染はほとんどありませんが、水疱が破れた内溶液が付着すると感染のリスクがあるため、水ぼうそうに罹った覚えがない方は抗体検査の検討を。抗体検査は、お近くの病院でご相談ください。
<Q.帯状疱疹にかかったらお風呂に入っても大丈夫?>
先生によると、帯状疱疹の人には入浴を励行してもらっているそうです。入浴をすることで、痛みの緩和やリラックス効果が期待できるのだとか。また、患部を洗い清潔に保てることも良いそうです。(※お湯は38〜40℃を推奨。水疱を破らないよう注意して入りましょう)
帯状疱疹の予防法
帯状疱疹の予防に効果的なのが「生ワクチン」と「不活性化ワクチン」の2種のワクチン。ワクチンを打つと、帯状疱疹の発症と帯状疱疹後の神経痛を抑制できると言われているそうです。医師と相談の上、自分にあったワクチンを確認しましょう。また、免疫力の低下を防ぐ規則正しい生活習慣を心掛けることも重要だそうです。
<帯状疱疹ワクチン>
・「生ワクチン」
接種回数:1回
費用:7000円〜1万円
効果の持続時間:5〜8年程度(年齢とともに効果は低下)
・「不活性化ワクチン」
接種回数:2回
費用:計4万円ほど
効果の持続時間:10年以上
(2025年9月21日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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