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ビシエドが現役引退、 愛すべき“助っ人”に竜の本拠地でも別れの場を是非!

ビシエドが現役引退、 愛すべき“助っ人”に竜の本拠地でも別れの場を是非!
バンテリンドーム(C)CBCテレビ

突然の別れが訪れた。横浜DeNAベイスターズのダヤン・ビシエドが、現役を引退した。ペナントレース真っ只中の発表に、多くのドラゴンズファンも淋しさを抑えきれない。(敬称略)

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愛すべき“助っ人”タンケ

「横浜DeNAベイスターズの」と冒頭で書いたものの、それよりも「中日ドラゴンズの」という方が間違いなくしっくりくる。ドラゴンズファンからこよなく愛された“助っ人”だった。“助っ人”という言葉が不似合いなほど、チームに溶け込んだキューバ出身の強打者だった。愛称はスペイン語で「戦車」を意味する「エル・タンケ」。チームの同僚たちからも「タンケ、タンケ」と呼ばれ、親しまれていた。

開幕3試合連発のデビュー

ビシエドのドラゴンズでのデビューは強烈だった。2016年(平成28年)、谷繫元信監督3年目のチームに加わると、京セラドーム大阪での阪神タイガースとの3連戦で、3試合連続ホームランという華々しい日本での登場だった。この3連発によって「ビシエド」の名前は、竜党の心に一気に刻まれた。愛嬌のある笑顔、明るい立ち振る舞い、そして、4番打者としての豪打、1年目からすっかりチームにもファンにも溶け込んだ。

首位打者などタイトル獲得

背番号「66」が似合っていた。3年目の2018年(平成30年)は、ビシエドが最も輝いたシーズンだった。豪打だけでなく巧打、8月にはセ・リーグの月間最多安打記録を塗りかえる47安打を記録した。そのシーズンは、打率3割4分8厘で首位打者、178安打で最多安打、2つの打撃タイトルを獲得した。ホームランも26本、打点は99と、ここ最近こそ“貧打線”と言われるドラゴンズにとって、懐かしくも羨ましい活躍だった。

名古屋を愛した一家

ドラゴンズを愛し、名古屋の町を愛してくれた。家族で名古屋に暮らし、愛息のジュニア君も少年野球の選手となって、ドラゴンズのベースボールアカデミーにも所属した。ペナントレースが閉幕すると、多くの外国人選手はすぐに帰国するが、ビシエド一家は名古屋に残っていて、ファン感謝デーにも参加したことは、ファンにとってはとても嬉しかった。ここまでドラゴンズを愛してくれる“助っ人”がいることが誇りでもあった。

立浪監督時代の別れ

しかし、その打棒も翳りを見せ始める。立浪和義監督が就任した2022年(令和4年)は、ホームラン数も打点も来日後の最低で、チャンスでの凡退や併殺打が目立つようになった。そして、翌年からは出場機会が激減した。立浪監督自らによる打撃指導もあったが、2024年(令和6年)には、わずか15試合の出場にとどまった。外国人枠ではない「日本人選手」としての資格を手にしていたが、球団は契約を更新せず、ビシエドはドラゴンズを去った。退団の発表がペナントレース終了後だったことから、ファンとしてグラウンドでお別れができなかったことが、今も悔やまれる。

ハマスタでの引退胴上げ

バンテリンドーム外観:筆者撮影

そんな中、2025年(令和7年)7月に、ベイスターズが声をかけて、ビシエドは日本に戻って来た。背番号は同じ「66」、ユニホームの色も「ブルー」だったが、活躍の場所は横浜だった。しかし往年の活躍には、ほど遠かった。今回、シーズン中の現役引退はビシエド本人の意向だと、ベイスターズ球団は明らかにした。

5月24日の最後の打席はフルスイングでの三振だった。試合後に、ドラゴンズで共に戦った京田陽太が花束を贈った。ハマスタ(横浜スタジアム)のスタンドからは「ビシエド」コールが起こり、ナインに胴上げされた。わずか1年にも満たない所属なのに、ビシエドが横浜のファンにも愛されていたことが、竜党としてとても嬉しい。

ドラゴンズ球団に是非お願いしたい。来年のオープン戦までで構わないので、私たちドラゴンズファンが、本拠地バンテリンドームでビシエドにお別れを告げる機会を作っていただきたい。9年間にわたって竜の歴史を刻んだ、その活躍に心からの感謝の気持ちを贈るためにも。                                                           
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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